3温度帯を持つ倉庫を強みに、青果物を中心とした生鮮食品を扱っている横浜フレッシュセンター。
十数社が利用しているという、こちらのセンターは、設立からシステム更新までの間、自動倉庫のシステムがまともに動いていなかったそうです。
今回は、そのシステムをリニューアルし、現場の作業を分析し改良したシステム開発を行なった結果、どのように効率が上がったのかといったお話を伺いました。

横浜フレッシュセンターの強みは徹底した温度管理

横浜丸中ホールディングス株式会社 管理部 担当部長 野村 洋一様
横浜丸中ホールディングス株式会社 管理部 担当部長 野村洋一様

弊社:横浜フレッシュセンターでは、どんなことを行なっていますか?

野村様:横浜フレッシュセンターは、横浜ロジスティクスという会社が運営している営業倉庫で、青果物を中心とした生鮮食品を扱っています。在庫はすべてお客様が管理されているため、基本的に当センター
ではお客様から荷物をお預かりし、お客様の指示に従って品揃えし配送するという業務を行なっております。

弊社:横浜フレッシュセンターの強みは何でしょうか?

野村様:温度帯を幅広く設定できる倉庫を持っているため、常温・チルド・冷凍という、3種類の荷物を扱えるのが一番の強みです。お客様からお預かりする食品の中には不良品もありますので、毎日システムで在庫をチェックし、報告もしています。

管理機能向上のためにシステム更新を決意

弊社:今回、システム更新に至った理由はどのようなものだったのでしょうか?

野村様:そもそも11年前の当センター設立時に導入したシステムが、まともに動いていなかったというのが大きな理由です。通常は、大手の自動倉庫メーカーが機械からシステムまでを一括で導入することが多いのですが、当センターでは、それぞれ別の会社が導入していました。そのため、機械とシステムの連携がうまく取れずに停止してしまったり、誤作動したりということが頻繁に起きていたんです。結局、設立してから約6年は自動倉庫を動かすためだけにシステムを使い、それ以外の部分は紙で管理するという状況でした。

弊社:6年目で更新しようと思われた”キッカケ”はあるのでしょうか?

野村様:私が当センターの状況を知り、これではダメだと思ったんです。何度も止まって、お客様に迷惑をかけているし、多額の損害賠償も受けていましたから。そんなことをずっと続けていられないと思っていた矢先に東日本大震災が起こり、自動倉庫が壊れました。その修復の際に色々と中身を見たのですが、はっきり言ってどうしようもない仕組みだと思いましたね。その時、たまたまAPTからDMを受け取っていた当時親会社の社長からAPTを紹介してもらったんです。

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APTを選んだ理由は提案力の高さ

物流のロボット化について語る野村様
野村様は、これまで数多くの物流のロボット化に携わってこられた

弊社:弊社のほかにも検討している会社はあったのでしょうか?

野村様:はい、その時はすでにある大手メーカーに見積もりをしてもらっていました。そこでAPTにも同様に見積もりをお願いし、2社で検討しました。

弊社:最終的に弊社を選ばれた理由は何だったのでしょうか?

野村様:私の言っていることを理解した上で、提案を持ってきてくれたことですね。大手メーカーは、その会社の看板を掲げていても、実際に現場へ来るのは近くの下請けや工務店ということがよくあります。そういった会社はただおかしいところを直すだけなので、根本的な問題の解決にはなりません。また大手メーカーは、実際の運用を考慮せず、自社のシステムをそのまま現場に組み込もうとするので、ユーザーにとっては使い勝手が悪いことが多い。そうすると、結局導入後に改造しなければならなくなり、余計にお金がかかってしまいます。一方APTは、すでにある施設を踏まえて、現状の運用とどうマッチさせるかという部分を細かく修正できる会社だと思ったので選びました。
見積もり金額もメーカーに比べて2,000万円ほど安かったというのも理由の一つです。

保守・システム開発におけるAPTのスピーディーな対応

弊社:発注いただき、システム構築している間の約1年は、機械の保守を任せていただいておりました。弊社の対応はいかがでしたか?

野村様:当センターは24時間365日休みなく動いており、トラブルの際は休日や夜間でも関係なく対応をお願いしていましたので、大変だっただろうと思います。にも関わらず、毎回即時対応していただいておりましたし、内容にもまったく問題ありませんでした。また、保守をしながら既存システムの構造や問題点も見てもらい、それをシステム開発に役立ててもらうこともできました。

弊社:システムは、要望通りの仕様になりましたでしょうか?

野村様:そうですね。初めのうちは、こちらの要望を理解してもらうのに時間がかかりましたが、しっかりと聞き入れていただいて。例えば、商品が100個載っている棚があるとして、そこから20個取り出したいとします。既存のシステムだと、その棚を呼び出して20個取り出したあと、機械は残りの80個を元の棚に戻すという動作をするのですが、その棚が奥にあればあるほど一連の動作に時間がかかってしまう。そこで、残りの80個は元に戻すのではなく、一番近い棚を探して入れるという仕組みにしたんです。賞味期限が近いものほど出し入れする頻度が高いので、近い棚から商品がなくなっていく。それを繰り返すことで、棚は出入り口に近いところで回転するようになり、結果的にスピードが上がっていきました。

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システム更新後は半分以下の稼働時間で140%の作業量を実現

弊社:システム更新後に運用されてみて、実際に改善された点などはありますか?

野村様:更新前は24時間稼働していましたが、10時間の稼働に変わりました。さらに、更新前の稼働率を100%とすると、現在は10時間で140%と、こなせる作業量も格段に増えました。おそらく、これだけ稼働している倉庫は他にはないでしょうね。スピードが上がり、倉庫の運転にもムダがなくなったことで、電気代も削減できました。当センターには冷凍倉庫がありますので、夏場は1ケ月の電気代が800万円ほどかかっていたのですが、現在は100万円減って700万円になったんです。大きな損害賠償も一切なくなりました。

弊社:現場で、システムを使われている方の感想はいかがでしたか?

野村様:とにかく「早くなった」と。これまでの仕組みは人間がすべて動かしていたので、機械は人間の行動スピードに準じて動いていたのですが、更新の際、機械に置き換えられる作業は自動化し、人手に頼る部分を減らしました。そうすることで、一連の作業のスピードを上がるとともに、人間は空いた時間で別の作業ができるようになり、総合的に効率が上がったんです。

APTには、さらなる効率アップを期待

弊社:今後、APTには何を期待されますか?

野村様:物流は、物を売るときには絶対に欠かせないものです。コストもかかる中で、どのように効率を上げていくかを考えていかなくてはなりません。そこを突き詰めて、常に前向きな姿勢でシステム開発を行ない、斬新なアイディアを出していってほしいですね。APTは若い社長で、すごくいい考え方を持っていると思いますので、それを引き継いでいく社員たちに、若手の育成をどんどんしていってもらえればと思います。

編集後記

横浜フレッシュセンターの自動倉庫を見学しました!

倉庫に入ってすぐのエリアは5℃に保たれており、何名かのスタッフがそこで作業をされていました。奥に進むと、-25℃に調整されているという自動倉庫があり、その前にはAPTが導入したPCが。また、同じくAPTが導入したバーコードリーダーや制御盤も見学させていただきました。自動倉庫で作業されているスタッフの方に更新前との違いを尋ねると、「システムが止まらなくなり、作業速度も上がりました。特に入庫が速くなりましたね」とお話され、その満足そうな笑顔が印象的でした。
横浜フレッシュセンターの皆様、貴重なお時間ありがとうございます!

-25度に保たれた自動倉庫の中 入出庫管理を素早く行うバーコードリーダー 自動倉庫の制御サーバーが組まれているサーバーラック

ユーザー様ご紹介

横浜ロジスティクス株式会社

横浜ロジスティクス株式会社様では、生鮮品の物流を担っている企業です。
また、一部生成品の加工を行い、外食チェーンのセントラルキッチンへの配送も担う、『食』にフォーカスしたロジスティクスセンターです。
(詳しくは、横浜ロジスティクス株式会社ホームページをご覧ください。)

●所在地:神奈川県横浜市金沢区鳥浜1-1
※横浜市中央卸売市場内
横浜新都市交通(シーサイドライン)『南部市場』駅下車すぐ
URL:http://www.yokohama-marunaka.co.jp/

横浜ロジスティクス株式会社 外観・内観

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