出荷業務を効率化することで、出荷工程におけるさまざまな課題を解決することができます。本記事では、物流品質にも関連する出荷業務を効率化する方法について徹底解説します。出荷業務における課題や改善するための手順も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
出荷業務における課題とは?
出荷業務における課題とは、大きく人的ミスによるものとデータ管理上における課題に分けることができます。それぞれにどのような課題があるのかを把握しておくことで、具体的な改善策に取り組むことができます。
そのため、ここからは出荷業務における代表的な課題について解説します。
人的ミスにおける課題
出荷業務における課題として挙げられるのは、人的ミス(ヒューマンエラー)によって発生する課題です。例えば、人的ミスには以下のようなものが挙げられます。
- ピッキングミス
- 検品ミス
- 梱包ミス
ピッキングでは、品番の取り間違いや数量ミスなどが起こりやすい傾向にあります。また、検品や梱包の工程では、伝票や宛先を間違えてしまうといった人的ミスも発生しやすいです。
以下の記事では誤出荷の防止対策について詳しく説明しております。
誤出荷を防止するためには?対策ポイントやおすすめのシステムをご紹介
データ管理における課題
出荷業務では人的ミスによる課題の他にも、データ管理上における課題も多いといえます。例えば、出荷指示書の情報入力を間違えてしまうと、ピッキング作業が正確でも誤出荷につながってしまいます。
このようにデータ管理が正確でなければ、出荷業務においてさまざまな問題が生じるわけです。そのため、データ管理における課題は、出荷業務を効率化する上で改善すべき項目といえるでしょう。
出荷業務を効率化するための改善手順
出荷業務を効率化するためには、以下のような改善手順を踏みましょう。
①課題を正確に把握する
②施策選定および実行
③効果の検証
ここからは、出荷業務を効率化する上で重要なステップである改善手順について解説します。
①課題を正確に把握する
より効果的な改善策に取り組むためには、まず現状でどのような課題があるのかを把握しておかなければなりません。入念な現状分析を行うことで問題点も解決させることができるので、改善策に取り組む前に課題を把握しておきましょう。
なお、現状を把握するためには、出荷業務を各工程に分類して課題を見つけるのが効果的です。例えば、ピッキング、検品、梱包、積込といった具合に業務フローを分類し、各工程における課題を見つけてみましょう。
②施策選定および実行
現状の出荷業務における課題を明確にした後は、どのような施策に取り組むべきか判断する必要があります。例えば、ピッキングを行う際の導線を見直してみるなど、課題に応じた対策が必要ということです。
また、データ管理上の問題であれば在庫管理システムを導入するなど、効果的な施策は何かを判断しましょう。なお、具体的な取り組みが決定したら実際に導入を行い、効率化を図ることが重要です。
③効果の検証
出荷業務を効率化する上で重要なポイントは、導入後にも効果の検証を行うということです。実際に取り組んでいる施策が本当に効果が出ているのかを検証しなければ、さらなる改善は行えないからです。
場合によっては期待しているほどの効果が出ていないようなケースもあるので、より効率的な業務を実現するためには何が必要なのか効果検証して判断しましょう。なお、効果検証を行う際には、費用対効果についても正しく考慮する必要があります。
出荷業務を効率化するための改善方法
出荷業務を効率化するためには、以下のような改善方法に取り組みましょう。
- 人員配置とマニュアル化
- 保管方法と整理整頓の徹底
- ロケーションの最適化
- 倉庫管理システムの導入
- ピッキング方法の最適化
ここからは、より具体的な改善方法について解説します。
人員配置とマニュアル化
出荷業務を効率化するための改善策として、適切な人員配置とマニュアル化が効果的です。例えば、出荷業務のボリュームに応じた人員を適切に配置することで、一人あたりの負担を分散できるメリットがあります。
また、それぞれの人員の業務を標準化するためには、徹底したマニュアル化を実現する必要があります。個々のスタッフの能力値に依存する体制というのは、非常に属人的で様々な弊害を生みやすい傾向にあります。
そのため、業務マニュアルを策定しスタッフを教育することで、業務の標準化を実現させましょう。
保管方法と整理整頓の徹底
出荷業務の効率化を実現させるためには、商品の保管方法の見直しと整理整頓を徹底しましょう。例えば、倉庫内における在庫保管の方法を見直すことで、適正在庫を維持して効率的な出荷業務を行うことができます。
また、同様に整理整頓についても非常に重要です。物が煩雑に管理されている状態というのは、ヒューマンエラーが非常に発生しやすいデメリットがあります。適切な運用を実現させるためにも、倉庫内における整理整頓は徹底しましょう。
以下の記事では物流倉庫管理業務における「5S」について詳しく説明しております。
物流倉庫管理業務における「5S」とは?メリットや注意点を解説
ロケーションの最適化
倉庫内における商品保管のロケーションを最適化することで、出荷業務を効率化させることができます。例えば、ロケーションが最適でない場合、ピッキングを行う際に商品を探すのに手間取ってしまったり、移動の導線も長く効率的でない状況が生まれていまいます。
一方で、商品保管のロケーションを最適化することで、無駄な移動を極力排除することができます。また、分かりやすいロケーション管理を実現することで、商品や荷物も効率よく取り出すことができます。
これにより人的ミスも発生しにくくなるので、効率化と業務品質向上が期待できるメリットがあります。
倉庫管理システムの導入
倉庫管理システム(WMS)を導入することで、効率的な出荷業務を実現させることができます。紙伝票による手作業でピッキングや検品作業を行っている場合、品番や商品の取り間違い、記入ミスといったさまざまな人的ミスが発生しやすくなります。
一方で、倉庫管理システムによる運用方法なら、ハンディーターミナルで読み取った情報は瞬時に共有することができるので、上記のようなヒューマンエラーが発生しにくくなります。
業務上のミスを削減できるほか、非常に効率的な運用方法が実現できるため、積極的に倉庫管理システムを導入しましょう。
ピッキング方法の最適化
ピッキング方法の最適化を行うことで、出荷業務の効率化が行えます。ピッキングの方法は、主にシングルピッキングとトータルピッキングに分かれているため、最適な方法を選択する必要があります。
例えば、シングルピッキングなら個別の注文ごとに商品をピッキングするのに効果的です。一方で、トータルピッキングなら複数の注文ごとに商品をピッキングするのに適している方法といえます。
出荷業務においても重要なピッキングの方法を最適化し、出荷業務の効率化を図りましょう。
まとめ
出荷業務には、人的なミスによって発生する課題とデータ管理上における課題に分類できます。そのため、それぞれの課題に沿った適切な改善策に取り組むことが、出荷業務の効率化を実現させる上で重要なポイントといえます。
改善策に取り組んだ際にはきちんと効果検証を行い、費用対効果も含めて施策の合理性を確認することが重要です。より効果的な出荷業務を実現させるためにも、さまざまな改善策に取り組みましょう。
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