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自動倉庫のリニューアルとは:制御装置・システムの更新と、延命・全面更新の比べ方

執筆:株式会社APT公開日:更新日:

経営層向けの要点

  • 古い設備の選択肢は「延命(修理・部品交換)」「部分更新(リニューアル:制御装置やシステムの入れ替え)」「全面更新(設備ごとの入れ替え)」の3つに分けて比べると整理しやすくなります。
  • 機械部分がまだ使える場合、制御装置や管理システムだけを更新することで、設備を残したまま課題を解決できる場合があります。
  • どれを選ぶかは、設備の状態、部品と保守の見通し、止められる期間、将来必要な能力を同じ前提で並べて判断します。

導入から年数がたった自動倉庫やコンベアなどの設備について、メーカーから更新の提案を受けたものの、費用や工事期間の大きさから判断に迷うことがあります。この記事では、設備をすべて入れ替える以外の選択肢として、制御装置や管理システムだけを更新する「リニューアル」を中心に整理します。

3つの選択肢

古い設備への対応は、次の3つに分けて比べると整理しやすくなります。

選択肢 内容 向いている状況
延命 故障した部品の交換や点検の強化で使い続ける 機械・制御とも状態がよく、部品の入手にも問題がない
部分更新(リニューアル) 機械部分は残し、制御装置や管理システムを新しくする 機械部分はまだ使えるが、制御装置の部品やシステムの保守に不安がある
全面更新(入れ替え) 設備ごと新しくする 機械部分の劣化が大きい、または必要な能力や保管の形が大きく変わる

費用と期間は、設備の規模や仕様、止められる期間によって大きく変わります。比べ方は「新設・更新・延命の比較方法」で整理しています。

制御装置の更新とは

自動倉庫やコンベアは、棚やクレーンなどの機械部分と、それを動かす制御装置(制御盤やコントローラー、制御用のソフトウェア)で構成されています。制御装置の更新は、機械部分を残したまま、この制御装置を新しいものに入れ替える方法です。

機械部分よりも先に、制御装置の部品が手に入りにくくなったり、保守の対応が難しくなったりすることがあります。その場合、制御装置だけを更新することで、設備全体を入れ替えずに使い続けられる可能性があります。

システムの更新とは

倉庫の在庫や入出庫を管理するWMS(倉庫管理システム)や、設備に指示を出すWCS(倉庫制御システム)だけを新しくする方法もあります。長年の改修で中身が分かりにくくなったシステムや、物量の増加に追いつかなくなったシステムが、設備はまだ使えるのに出荷の足かせになっている場合に検討します。

事例:設備を残して課題を解決した2社

APTの導入事例から、設備を残す判断をした2社を紹介します。詳しくは導入事例をご覧ください。

  • 市原金属産業:導入から20年の自動倉庫で、メーカーから制御装置の更新を提案されていました。設備はそのままに制御装置を入れ替え、月次点検を自社で行えるようにしたことで、毎月の費用を抑え、汎用部品の採用で部品交換のメーカー依存も解消しました。
  • 日東工業:物量の増加に既存のWMSが追いつかなくなっていました。マテハン設備は残し、既存設備との通信を解析して新しいWMSにつなぐ方法を選び、出荷を止めずに切り替えました。

判断の観点

延命・部分更新・全面更新のどれを選ぶかは、次の観点を同じ前提で並べて判断します。

  1. 機械部分の状態:クレーンやレール、棚などに、交換が必要な劣化が出ていないか
  2. 部品と保守の見通し:制御装置の部品はいつまで手に入るか。保守を引き受けてくれる会社はあるか
  3. 止められる期間:工事のために設備を止められるのは何日か。その間の出荷をどう手当てするか
  4. 必要な能力の変化:今後の出荷量やピーク、保管する品目の変化に、今の設備で対応できるか
  5. 他のシステムとのつながり:基幹システムや他の設備と、どうデータをやり取りしているか

費用の比べ方は、新設・更新・延命の比較方法で詳しく整理しています。

定期報告・中長期計画との関係

荷待ち時間や荷役等時間を短くするための設備の見直しは、時間のかかる対応です。国のQ&Aでは、設備投資など対応に時間がかかる事情がある場合は、その旨を説明すれば(特定荷主であれば中長期計画や定期報告に記載すれば)、その内容を踏まえて指導・助言を行うとされています。更新の時期と内容を計画に落としておくことは、制度への対応の上でも意味があります。

APTに相談できる設備

APTでは、自動倉庫、パレットシャトル、コンベア、垂直搬送機などの設備について、メーカーを問わずリニューアルのご相談を承っています。導入45年以上の設備のリニューアル実績もあります。APTへのご相談では、導入から10〜15年をめどに、制御装置やシステムの更新を検討されるケースが多くあります。設備の仕様や今の状態を伺ったうえで、延命・リニューアル・入れ替えのどれが合うかを一緒に整理します。

よくある質問

自動倉庫の制御装置の更新は、設備を納めたメーカーにしか頼めないのですか。
いいえ、メーカー以外でも対応できる場合があります。自動倉庫の管理システムだけの入れ替えや、制御装置の更新は、設備を納めたメーカー以外の会社が対応することもあります。ただし、対応できるかどうかは設備の仕様や規模によって大きく異なるため、個別に確認が必要です。
自動倉庫のリニューアル工事中は、出荷を止める必要がありますか。
更新する範囲によって異なります。制御装置などの設備を入れ替える工事の間は、その自動倉庫からの出荷は難しくなるため、出荷の計画はその期間を踏まえて立てる必要があります。一方、管理システムだけを入れ替える場合は、出荷を止めずに切り替えられることもあります。いずれの場合も、設備の新規導入や全面的な入れ替えに比べると、停止期間は短く済むケースが多いため、その点も踏まえて計画することをおすすめします。

出典

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