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循環棚卸とは?一斉棚卸との違いやメリット、効率化のポイントを解説

在庫管理における棚卸しは、商品の数量や状態を正確に把握し、ビジネス運営を円滑に進めるための重要な業務です。そんな棚卸作業には、主に循環棚卸と一斉棚卸の2種類の方法に分類することができます。

そこで本記事では、循環棚卸の基本的な仕組みや一斉棚卸との違いについて徹底解説します。また、メリット・デメリットや効率的に運用するためのポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

循環棚卸とは?

循環棚卸とは、計画的に分割して順次確認を行う棚卸しの手法です。例えば、在庫を保管場所や商品カテゴリーごとに分け、日々または週単位で特定の範囲を棚卸しすることで、業務を停止することなく在庫確認を行う方法になります。

この方法は、大規模な業務停止を必要としないため、日常の業務を継続しながら行えるのが大きな利点です。また、定期的な確認によって在庫差異も早期に発見できるため、適切な対策を講じることができるメリットもあります。

一斉棚卸との違いについて

企業内の全在庫を一度に確認する一斉棚卸は、業務を一時停止して実施する方法になります。しかし、少ない期間で行える反面、大規模な人員や時間が必要なため、営業や生産活動が止まるというデメリットもあります。

一方、循環棚卸は在庫を分割して棚卸する方法なので、業務を止めずに済むメリットがあります。ただし、一斉棚卸と比較して完了までに時間がかかるため、日々の管理が重要といえるでしょう。

このように、循環棚卸は日常業務と並行して在庫管理を改善したい場合に適しており、迅速に実施したい場合は一斉棚卸が効果的になります。それぞれの特徴を理解し、業務のニーズに応じて使い分けることが大切です。

循環棚卸を実施した場合のメリット

具体的なメリットは以下のとおりです。

  • 業務を止める必要がない
  • 在庫差異を防げる
  • 少人数で対応可能

ここからは、上記に挙げた各メリットについて詳しく解説します。

業務を止める必要がない

循環棚卸の大きなメリットの一つは、既存の業務を止める必要がない点です。従来の一斉棚卸では全在庫を一度に確認する方法のため、営業や生産活動を一時的に停止する必要があります。

そのため、停止期間中は業務が行えず、顧客対応や生産計画に影響を与えるリスクが伴います。一方、循環棚卸では、在庫を小分けにして順次確認するため、特定の在庫や保管エリアのみを一時的に棚卸対象とすることが可能です。

これにより、全体の業務を継続しながら棚卸作業を進められるメリットがあるということです。

在庫差異を防げる

循環棚卸のもう一つのメリットは、在庫差異を防げる点です。一斉棚卸の場合、長期間にわたり棚卸が行われないと、誤出庫や入庫ミス、在庫の紛失などの問題が蓄積し、在庫差異が発生しやすくなります。

一方、定期的に実施する方法なら、在庫の差異も早い段階で見つけることができます。継続的なチェックによって在庫を正確に維持しやすくなるので、誤った在庫データに基づく無駄な仕入れや欠品などを防ぐことができます。

少人数で対応可能

少人数でも効率的に対応できる点も、メリットといえます。多くの人員を動員する必要がある一斉棚卸の場合は、人員確保や人件費の増加が課題となります。

一方で、循環棚卸は在庫を小分けにして棚卸作業を進めるため、少人数のスタッフでも対応可能です。そのため、人手不足が深刻な中小企業や複数拠点を管理する企業にとって、この柔軟性は大きな利点となるでしょう。

循環棚卸のデメリット

循環棚卸のデメリット

循環棚卸のデメリットは以下のとおりです

  • 手作業でミスが生じやすい
  • 精度の高い在庫管理が必要
  • 棚卸作業の時間がある程度必要

ここからは、上記に挙げた各デメリットについて詳しく解説します。

手作業でミスが生じやすい

循環棚卸のデメリットの一つは、手作業によるミスが生じやすい点です。確認作業を手作業で行う場合などは、人為的なミスが発生するケースが避けられないといえるでしょう。

こうした人的ミスを軽減させるためには、作業手順の明確化やスタッフへの十分な教育、在庫管理システムの導入などが重要です。

精度の高い在庫管理が必要

循環棚卸のデメリットとして挙げられるのが、精度の高い在庫管理が求められる点です。循環棚卸は、在庫を部分的に分けて段階的に確認する手法であるため、日々の在庫データが正確であることが前提です。

在庫管理システムや帳簿上のデータが不正確な場合、循環棚卸の際に誤差が発見されにくく、誤った在庫情報が蓄積してしまう可能性があります。特に在庫の入出庫が頻繁に行われる環境では、データの更新が適切でないと棚卸作業自体が混乱する原因となるので注意が必要です。

棚卸作業の時間がある程度必要

循環棚卸のデメリットとして、棚卸作業にある程度の時間が必要という点が挙げられます。一斉棚卸では短期間で全在庫を確認するのに対し、循環棚卸は在庫を小分けにして段階的に実施するため、全体の棚卸作業が完了するまでに長い期間を要する場合があります。

このため、全体の在庫状況を短い期間で把握したい場合には不向きなケースもあるでしょう。また、業務の繁忙期や急な人手不足が発生した場合、計画通りに作業を進めることが難しくなる可能性もあるので注意が必要です。

循環棚卸の効率化のポイント

循環棚卸を効果的に運用するには、2つのポイントに注力することが重要です。それぞれの具体策を理解し実践することで、業務の効率化と在庫管理精度の向上が期待できるため、事前にどのようなポイントに注意すべきか確認しておきましょう。

そこでここからは、循環棚卸における効率化のポイントを徹底解説します。

在庫管理システムの導入

循環棚卸の効率化において、在庫管理システムの導入は欠かすことができません。在庫管理システムを活用することで、在庫データをリアルタイムで一元管理できるほか、棚卸作業時に実在庫との照合がスムーズに行えます。

また、バーコードやQRコード、RFIDを利用した自動スキャンにより、手作業のミスを削減して記録作業の効率化が図れます。これらさまざまな在庫管理の機能により、作業精度を向上させるだけでなく、棚卸にかかる時間や労力を大幅に削減できる点が大きなメリットになります。

アウトソーシングの活用

効率化の方法の一つとして、アウトソーシングの活用が効果的です。専門業者に棚卸作業を委託することで、社内リソースの負担を軽減しつつ、効率的かつ正確な棚卸が実現します。業者は棚卸に特化したノウハウがあるほか、経験豊富なスタッフが作業を担当するため、短期間での正確な在庫確認が可能です。

また、繁忙期や人手不足の際でも業務に支障をきたさずに棚卸作業を進められる点が魅力といえるでしょう。その他にも、必要なタイミングだけ依頼できるため、コストを抑えつつ柔軟な対応が可能というメリットもあります。

以下の記事では、在庫管理における棚卸しを効率化する方法について紹介しております。

在庫管理の棚卸とは?効率化の方法とおすすめのシステムを紹介!

まとめ

循環棚卸は、在庫を部分的に分けて定期的に確認する方法で、業務を停止せずに効率的な在庫管理を行うことができます。少人数でも対応できる方法のため、在庫差異の早期発見や修正が可能な点がメリットです。

一方、手作業によるミスや精度の高い在庫管理が必要であることと、作業に時間がかかる点がデメリットです。そのため、効率化を実現させるためには、在庫管理システムの導入やアウトソーシングの活用を検討してみましょう。

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この記事の筆者

株式会社APT

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世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。