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無人搬送ロボットを導入するメリットやおすすめの搬送ロボットを紹介

無人搬送ロボットを導入するメリットやおすすめの搬送ロボットを紹介

近年、工場や物流倉庫における人手不足や作業の効率化、安全性の確保といった課題を背景に、無人搬送ロボット(AGVやAMR)の導入が急速に進んでいます。搬送作業の自動化は現場の省人化だけでなく、リードタイムの短縮や作業ミスの削減といった多くのメリットをもたらします。

そこで本記事では、無人搬送ロボットの基本的な仕組みや導入によって得られる主なメリットを整理するとともに、おすすめ製品「SLIMAGV」や「GTPM60C」の特長もわかりやすく紹介します。現場の生産性を高めたいと考えている企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

無人搬送ロボットとは?

無人搬送ロボットは、人が操作することなく資材・製品を所定の場所へ運ぶモバイルロボットの総称です。大別するとAGV(無人搬送車)とAMR(自律走行搬送ロボット)の2タイプがあります。

AGVは磁気テープやQRコードなどの誘導体をガイドにして決められたルートを走行するため、設計通りの高い位置決め精度を確保できます。一方、AMRはSLAM(自己位置推定)を用いて環境地図を生成しながら自律走行するため、障害物を検知して自動迂回し、人と同じエリアで協働できる点が強みです。

無人搬送ロボットを導入するメリット

無人搬送ロボットを導入することで、人手不足への対応や作業効率の向上、安全性の強化といった現場課題を一挙に改善することが可能になります。これまで人の手で行っていた反復的な搬送作業を自動化することで、労働力を高付加価値業務にシフトさせ、生産性と品質の両立を実現できます。

そこでここからは、無人搬送ロボットの具体的なメリットを項目ごとに解説します。

人手不足の解消

近年、多くの製造業や物流業では人手不足が深刻化しており、単純作業や体力を要する搬送業務に従事する人材の確保が難しくなっています。無人搬送ロボットを導入することで、これまで人が担っていた資材搬送やパレット運搬を自動化でき、限られた人員をより重要な作業に集中させることが可能になります。

また、ロボットは24時間稼働ができるため、夜間や休日の搬送業務にも対応でき、生産の稼働率向上にもつながります。加えて、特定の技能が必要ないため、教育や人材育成の負担も軽減されます。

作業効率の向上

無人搬送ロボットは、あらかじめ設定されたルートを正確に走行し、搬送対象を定位置に運搬することで、作業のばらつきや無駄な動きを削減します。例えば、従来人手で行っていた長距離の運搬作業や、重量物の移動などをロボットに任せることで、作業員の移動距離を大幅に減らすことが可能です。

また、棚型搬送ロボットを導入すれば、商品棚を作業者のもとに自動で運ぶため、ピッキング作業の効率が飛躍的に向上します。これにより、生産ラインの稼働率が安定し、リードタイムの短縮や出荷スピードの向上といった成果が期待できます。

安全性の向上

無人搬送ロボットには、障害物検知センサーや自動停止機能が搭載されており、人や物との接触事故を未然に防ぐ設計が施されています。例えば、フォークリフトによる搬送作業では、操作ミスや視界不良による事故が発生するリスクがありますが、無人搬送ロボットならこうしたヒューマンエラーを大幅に軽減できます。

また、一定の速度で走行し、緊急時には即座に停止する安全機構も整っており、現場の安全水準を大きく向上させることが可能です。ロボットは人のように疲労や集中力の低下と無縁なため、常に一定のパフォーマンスを維持できる点も安全性の確保につながります。

おすすめの無人搬送ロボット

おすすめの無人搬送ロボット

市場には多様な無人搬送ロボットが登場しており、それぞれの搬送方式や対応可能な荷姿、走行性能には違いがあります。

ここでは、特に注目されている自動フォーク型AGV「SLIMAGV」と、棚搬送型GTPシステム「GTPM60C」の特徴や導入効果についてわかりやすく紹介します。

SLIM AGV(自動フォーク型AGV)

SLIM AGVは、フォークリフトのようにパレットを直接持ち上げて搬送する自動フォーク型AGVです。人が操作することなく、パレットを自動で持ち上げ、所定の場所へ搬送・配置することが可能で、フォークリフト作業の完全自動化を実現します。

誘導にはレーザー誘導方式を採用しているほか、最大で1.4トンまでの荷物を自動で移載することができます。フォーク操作員の不足や安全性への不安を抱える現場において、省人化と安全性を同時に実現できる効果的な設備といえるでしょう。

SLIM AGVの詳細はこちら

GTP M60C

GTPM60Cは、棚ごと商品を作業者のもとへ自動で搬送する「棚搬送型AGV」の代表機種です。GTP(Goods-to-Person)方式を採用しており、作業者が倉庫内を歩き回ってピッキングする必要がなくなるため、大幅な作業効率の向上が期待できます。

M60Cは360度旋回が可能で、狭い通路や複雑な動線にも柔軟に対応しています。複数台を同時運用することで、出荷量や作業負荷に応じたフレキシブルな対応も実現させることができます。

GTP M60Cの詳細はこちら

無人搬送ロボットを導入する際の注意点

無人搬送ロボットは非常に効果的な設備ですが、導入すればすぐに効果が出るわけではありません。現場の環境や業務フローに合っていなければ、かえって運用の手間やコストが増えることもあります。

そこでここからは、導入を成功させるために押さえておくべき現場調査、サポート体制の確認、運用フローの整備といった各ポイントについて詳しく解説します。

現場調査と導入計画

無人搬送ロボットの導入を成功させるには、綿密な現場調査が欠かせません。通路幅、段差の有無、交差点の視認性、稼働エリアの障害物などを確認し、ロボットがスムーズに動ける環境を整備する必要があります。

また、搬送ルートの最適化やバッテリー充電位置の検討、通信環境の整備も導入計画の中で重要です。導入効果を最大限に引き出すためには、事前準備の質が重要です。

メンテナンス体制とサポートの確認

​​無人搬送ロボットは稼働時間が長く、常に高精度な運転が求められるため、万が一のトラブルに備えた保守体制の整備が必要不可欠です。導入前には、メーカーやSIerが提供している保守契約の内容を確認し、定期点検・消耗品交換・ソフトウェアアップデートの対応可否を明確にしておくことが重要です。

また、保守費用も導入コストと合わせて中長期的に見積もる必要があります。トラブルが起きた際に即対応できる体制が整っているかどうかが、稼働率の維持と投資効果の最大化に直結します。

運用フローの整備

​​無人搬送ロボットの効果を最大限に発揮するためには、機械の導入だけでなく、それを支える現場の運用フローの見直しも大切です。例えば、荷物の受け渡し位置や棚・パレットの配置、搬送依頼の発信タイミングなどをロボットの動きに合わせて最適化する必要があります。

また、ロボットとの協働作業を行う作業者への教育も重要で、緊急停止時の対応やルールの徹底など、安全面にも配慮した運用設計が必要です。搬送頻度や走行ルートなどの運用データを分析し、改善を重ねる体制も整備しておくと、導入後の運用定着がスムーズになります。

まとめ

無人搬送ロボットは、深刻化する人手不足への対策としてだけでなく、現場の生産性向上や安全性の確保にも貢献する強力なツールです。ただし、導入を成功させるには、現場に適したロボットの選定、綿密な事前調査、万全のサポート体制、そして柔軟な運用設計が必要です。

無人搬送ロボットを単なる設備投資に終わらせず、現場変革の起点とするためにも、目的と運用を明確にした計画的な導入を心がけましょう。

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この記事の筆者

株式会社APT

株式会社APT

世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。