物流における配車計画は、業務の効率化という観点からも非常に重要なポイントです。そのため、効率的な配車計画を実現させるためにも、配車システムを活用して効率化を実現させましょう。
そこで本記事では、配車計画を行う上で重要な配車システムについて徹底解説します。配車システムの種類や導入メリット、システムを選ぶ際のポイント、実際に導入している事例なども紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
配車システムとは?
配車システムとは、最適な配車計画を行うための支援システムになります。配送ルートの最適化やシミュレーションなどを行う事ができるので、効率的な配車計画を実現させることができます。
配車システムを活用することで業務が効率化できるほか、車両維持に欠かせないコストも削減できる効果が期待できます。物流において配送は無駄が生じやすいポイントの一つなので、配車システムを活用することで、さまざまな無駄を省き効率化できる一面があります。
配車システムの種類
配車システムには大きく以下のような種類があります。
- 配車管理システム
- 自動配車システム
ここからは、各配車システムの特徴について詳しく解説します。
配車管理システム
配車管理システムとは、配車計画や運行計画を作成できるシステムになります。従来は配車マンと呼ばれる配車係が行っていた配車計画の業務を、配車管理システム側で行う事ができます。
例えば、車両や荷物の種類、配送先など、最適な配送計画を立てることができます。数値化されたデータを基に計画を立てられるので、業務の正確性が増すほか、効率的な輸配送業務を実現させることができます。
自動配車システム
自動配車システムとは、最適な配送ルートを自動で作成できるシステムになります。これまでの配送ルートを精度の高いAIやアルゴリズムで解析しつつ、その日の最適なルートを算出することができます。
なお、システムによって自動算出できるため、配車管理を自動化できる点が配車管理システムと大きく異なります。そのため、日々配送ルートが変わるような輸配送業者に適している一面があります。
配車システムを導入するメリット
配車システムを導入した場合のメリットは以下のとおりです。
- 業務の標準化が実現できる
- 効率化でコストを削減できる
- リアルタイムで管理できる
ここからは、各メリットの中身について詳しく解説します。
業務の標準化が実現できる
配車システムを導入した場合のメリットは、業務の標準化を実現できる点にあります。例えば、従来のように配車マンが配車計画を作成する場合、その人の経験値やノウハウを基に配車計画が作成されるため、非常に属人的な環境になってしまいます。
このような属人的な環境で人材が流動すると、企業にとっても損失が大きくなると言えるでしょう。一方で、配車システムを活用すれば人の経験値に頼る必要がなくなるため、業務の標準化を実現させることができます。
そのため、業務の標準化によって属人的な環境を改善できるという点についても、配車システムのメリットといえるでしょう。
効率化でコストを削減できる
配車システムを導入することで、配送計画における業務を効率化してさまざまなコストを削減させることができます。例えば、従来よりも配送ルートが最適化されることで走行距離やルートにおける無駄を削減させることができます。
これにより燃費効率も向上するため、車両維持に必要なコストも削減することができるでしょう。また、無駄な仕事が省けることで残業なども減るため、人件費などのコストも削減できるメリットがあります。
リアルタイムで管理できる
配車システムを導入したことによるメリットとして、リアルタイムで配車管理が可能になる点が挙げられます。システム側でリアルタイム管理が可能になると、渋滞が発生した際にも柔軟にルート変更を行い、最適な配車計画を行う事ができます。
また、突発的な事故が発生したとしても、車両状況をリアルタイムで把握することで適切な対応を行う事ができます。このように配送状況も可視化することができるので、ヒューマンエラーなども削減できるメリットがあります。
配車システムの選び方
自社の運用形態に適した配車システムを選ぶ際には、以下のようなポイントを比較してみましょう。
- クラウド型とオンプレミス型
- サポート・メンテナンス体制
ここからは、配車システムを選ぶ際に重要なポイントについて解説します。
クラウド型とオンプレミス型
配車システムは、クラウド型と呼ばれるタイプとオンプレミス型と呼ばれるタイプに分類することができます。
クラウド型とは、オンライン上のサーバーを介してシステムを利用するタイプになります。自社でサーバーを管理・構築する必要がないので、初期費用や保守費用を抑えることができます。
一方で、カスタマイズできる範囲が限られているほか、自社でセキュリティをコントロールできないデメリットもあります。
オンプレミス型とは、自社サーバーとネットワークを利用して構築するタイプになります。自社サーバーで管理するのでセキュリティコントロールがしやすく、開発の自由度も高いメリットがあります。
一方で、自社でインフラを構築して管理する必要があるので、導入や保守コストが高いデメリットがあります。
サポート・メンテナンス体制
配車システムを選ぶ際には、サポートやメンテナンス体制も比較しましょう。例えば、配車システムを導入することで従来のオペレーションも大きく変更されるため、初期設定はもちろんのこと、操作についてもサポートがあるとスムーズに移行できるでしょう。
また、実際に運用が始まったとしても、システムトラブルが発生する可能性もあります。トラブルを早期に解決できなければ業務に支障が出てしまう可能性もあるため、サポート体制が充実しているシステムを活用することが重要と言えるでしょう。
以上のことからも、配車システムを選ぶ際には、どのようなサポートを受けることができるのかを確認した上で比較してみましょう。
配車システムの導入事例
ここからは、配車計画支援システムを導入したことで運送効率が10%アップした事例について紹介します。
システム導入をした企業様では、人手不足によってトラックの稼働台数が減少しており、1台あたりの生産性を上げるのが課題でした。また、バラ積みで対応を行っていたため、積載効率を上げることも重要なポイントでした。
そこで自社の環境に合わせてカスタマイズを行った配車システムを導入したところ、運用開始から8ヵ月時点で運送効率が10%向上しています。従来は手動で入力していたデータについても、上位システムから送信されることでデータ入力における手間の削減にも成功しました。
これにより配送における運送効率が向上したほか、業務効率全般も効率化することができています。
まとめ
配車計画を行う際には、配車システムを活用することで業務効率が上がり、生産性も向上します。特に配送ルートなども最適化されることで、燃費効率も良くなり、総じてコスト削減効果も見込めるでしょう。
なお、配車システムを導入する際には、タイプ(クラウド型・オンプレミス型)を比較すると共に、システム会社のサポート体制もチェックしておくことが重要です。
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