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物流倉庫のBCPに欠かせないシステムデータを守る方法を解説
インターネットの普及や商品が多様化する昨今、物流に対する需要は年々高まっている傾向にあります。そんな物流サービスは、国民の生活や経済活動を支える上でも非常に重要な要素といえるでしょう。
しかし、コロナや東日本大震災を始めとする、さまざまな自然災害や緊急事態のリスクを抱えているため、企業は事業継続できる体制づくり「BCP対策」をしなければなりません。特に、企業の根幹ともいえるシステムデータを守ることは最も重要になるため、対策を検討している企業も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、物流倉庫におけるBCP対策の重要性やメリットを解説するとともに、システムデータを守るための具体的な対応策を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
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BCPとは?
BCPとは、企業が緊急事態に直面した場合に、事業を継続させるための対応策のことを指します。「Business Continuity Plan」それぞれの頭文字を取った言葉で、日本語では「事業継続計画」となります。
緊急事態とは、冒頭にも説明した地震や台風などの自然災害はもちろんのこと、コロナや新型ウイルスによる国民活動の抑制、原子力事故や大規模停電などさまざまな緊急事態が対象です。
なお、混同しがちな対策に「防災対策」がありますが、BCP対策の場合は「事業継続を目的」としているため、防災リスク以外にもシステム障害や部品や資材の調達難など、さまざまなリスクを前提にした対応策です。
物流倉庫でBCP対策する重要性
東日本大震災では、経済活動が抑制されてしまい、被災した事業者以外にも影響が波及したため、多くの企業が倒産に追い込まれてしまった経緯があります。こと物流においては、システム障害や通信障害などもあったため、現状の被害がどの程度なのか確認するのにも時間を要してしまった企業も多いです。
そのため、業務を再開させるのにも時間を要するなど、実務に大きな影響があったケースも少なくありません。また、震災の影響で荷主が倒産してしまったり、経営環境が悪化したことによる取引停止などの事例も多く見受けられました。
このような環境下においても、国民の血液とも言える物流事業を継続させていくことは、非常に重要と言えるでしょう。そのため、事前に事業継続を目的としたBCP対策を策定しておくことは、重要な施策と言えます。
物流倉庫でBCP対策するメリット
事業継続を目的としたBCP対策ですが、具体的にどのようなメリットがあるのかわからないというケースも多いのではないでしょうか。
そこでここからは、物流事業者がBCP対策をする4つのメリットについて解説します。
緊急事態の対応
BCP対策は緊急事態における対応策になるため、マニュアルを策定していない場合と比べて、対応能力に大きく差が出てきます。特に、事業を継続させるための対応策になることからも、経営基盤の影響を最小限にすることができます。
一方、BCP対策をしていない場合は、局所的な対応しかできないようなケースも出てきてしまうため、最悪の場合、経営が傾いてしまうようなことも考えられます。その点で、事前にBCP対策を策定しておくことは、企業にとっても大きなメリットと言えます。
優先業務の可視化
緊急事態においても事業を継続させていくためには、自社のなかで優先しなければいけない業務を把握する必要があります。BCP対策では、この優先業務の選別を確認して対応策を策定するため、中核となる事業を絞り込むことができます。
また、BCP対策をするということは、事業のなかで優先すべきプロセスを見直すことになるため、中長期目線で見た経営戦略を練り直す機会にもなります。そのため、優先業務の可視化はもちろんのこと、自社の弱みを見直すきっかけにもなるでしょう。
社会的責任と地域貢献
緊急事態が起きた際に、物流事業は生活インフラを支える重要な要素になります。早期に業務を回復させて通常業務に戻ることは、事業継続の面から見ても重要ですが、社会的責任の観点から見ても非常に重要なポイントです。
特に緊急物資の輸送も含め、緊急事態は物流事業者に求められる要素は多いため、物流業務の早期復旧は大きな地域貢献となるでしょう。
信頼性の向上
BCP対策をしているということは、一般的な企業と比べて災害に強い企業となるため、企業価値を高めることができます。予測の難しい緊急事態が起きても事業継続の対策が出来ているということは、取引先から見た場合大きな信頼性となるでしょう。
また、取引先はもちろんのこと、行政などからの信頼性も向上するため、取引先の拡大にも大きく寄与します。
物流倉庫のBCPでシステムデータを守る方法
では次に、BCP対策では実際にどのような対応策があるのか確認していきましょう。なお、物流業務におけるBCP対策の中心核はシステムデータを守ることになります。
そこでここからは、システムデータを守るための具体的な対応策について解説します。
非常用自家発電設備
近年では物流倉庫の自動化も進み、人員によるマンパワーな作業よりも機械による自動化も多く普及してきました。また、倉庫内管理や在庫管理などもIT化が進んでいるため、アナログで管理することは減ってきています。
一方で、すべての業務プロセスで必要になってくる電力は、緊急事態で電力供給が停止してしまうリスクも抱えています。そのため、非常用自家発電設備の導入をすることで、緊急時における事業停止リスクを軽減させることができます。
UPS(無停電電源装置)
急な電力トラブルや送電停止が起きてしまうと、システムがシャットダウンしてしまうリスクがあります。一瞬でも電力障害が起きてしまうことは、業務をする上でも大きなリスクとなってしまうため、BCP対策は必須と言えるでしょう。
このようなケースではUPS(無停電電源装置)を導入することで、急な電力障害でも電源が落ちる心配がなくなるため、システム障害のリスクを低減させることができます。
クラウド型物流情報システム
IT化が進んだ現代では、ITシステムによる運用をすることが基本となっています。しかし、緊急時におけるシステム障害リスクは大きなリスクとなるため、被害を最小限に抑えるための施策をする必要があります。
そこでWMS(倉庫管理システム)など、システム運用をクラウド化させることで、データが消滅してしまうリスクを抑えることができます。
まとめ
BCP対策をすることで、企業価値が向上するほか社会貢献にも寄与するため、現状で実施していない場合は早期にBCP対策の策定をしましょう。なお、BCP対策のなかでも、システムデータを守ることは中核の対策となります。
緊急時の電力供給を確保するためには、非常用自家発電設備やUPS(無停電電源装置)を導入することも検討するのがおすすめです。なお、クラウド型物流情報システムを導入することで、効率的にバックアップもできるため、リスクを分散させたBCP対策をするようにしましょう。
この記事の筆者
株式会社APT
世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。
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