自動倉庫システムの耐用年数は?各メーカーの目安をまとめて紹介

倉庫内業務を効率化させてくれる自動倉庫システムも、通常の設備機器と同様に耐用年数が存在します。特に自動倉庫システムの多くは、アナログ倉庫と比べて稼働率を上げているため、部品なども当然消耗してしまいます。

そのため、適切な時期にリニューアルしなければ、トラブルを誘発してしまう原因にもなります。また、アナログ倉庫から自動倉庫システムに移行する場合も、耐用年数をもとに減価償却の期間を算出するため、事前に把握しておくことは重要といえるでしょう。

しかし、ひとくちに自動倉庫システムといっても、さまざまなシステムが存在するため、どの程度の耐用年数になるのかわからないというケースも多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、代表的な自動倉庫システムの耐用年数を解説します。また、基本的な耐用年数の基礎知識も合わせて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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自動倉庫システムの耐用年数について


設備投資の金額も大きい自動倉庫システム。既存の自動倉庫システムのリニューアルや、新規導入を検討している場合、耐用年数を把握しておく必要があります。

そこでここからは、自動倉庫システムにおける耐用年数の基礎知識を紹介します。

耐用年数の基礎知識


各メーカーから発売されている自動倉庫システムは、耐用年数があらかじめ決められています。この耐用年数とは、クレーンやラックシステムのような機械設備を正常に稼働させていけるおおよその年数(期間)を指します。

また、自動倉庫の機械も減価償却資産になるため、使用年数が多くなるにつれて価値も下がります。なお、毎年少しずつ経費として減価償却できるものの、機械のメンテナンスは必要に応じて実施していかなければなりません。

安全性を確保するための重要な目安


耐用年数とは、機械設備を正常に稼働させるための期間になるため、安全性を確保できるための重要な目安となります。特に自動倉庫の場合、機械設備にトラブルが発生すると稼働が止まってしまうため、業務に支障が出てしまうケースもあるでしょう。

そのため、耐用年数を超えた運用をしてしまうと、予期せぬ事故やトラブルを誘発してしまう原因にもなるため注意しなければなりません。

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自動倉庫システムの耐用年数を知っておくメリット


これから新規で自動倉庫を導入する場合や、すでに導入済みの場合にかかわらず、自動倉庫システムを運用するにあたって耐用年数を把握することは非常に重要です。

そこでここからは、自動倉庫システムの耐用年数を把握しておくメリットについて解説します。

費用対効果がわかる


自動倉庫システムを新たに導入する場合、限られたスペースを有効活用し、人による管理を極力減らすことができるため、ヒューマンエラーも削減できるメリットがあります。また、人とは違い作業の多くを機械がおこなうため、稼働率を上げて生産性も向上させることができます。

一方で、初期の導入時には多額の設備投資費用が必要になってしまうため、必ず費用対効果を算出しなければなりません。そこで、重要な指標となる耐用年数をもとに「どの程度の期間で設備投資費用を回収できるのか」を算出する必要があります。

リニューアル時期を想定できる


マテハン機器を導入することによって、省力化・省人化してコストダウンを図ることができます。しかし、長期的に運用をしていくことで機械設備関連の部品も摩耗・消耗してしまうため、毎年の保守点検はもちろんのこと、一定期間でリニューアルを実施しなければなりません。

そこで、耐用年数の期間をもとにして、リニューアル時期をあらかじめ算定しておく必要があります。このように自動倉庫を導入する際には、老朽化してリニューアルをする時期まで見越した上で、検討する必要があります。

税務上の自動倉庫システムの耐用年数


税務上の自動倉庫システムの耐用年数
導入した自動倉庫システムを減価償却するにあたって、税務上で決められている耐用年数があります。なお、マテハン設備の耐用年数は資産区分で分かれており、おおむね8年から12年とされているケースが多いです。

例えば、食料品製造業用設備に区分される立体自動倉庫の場合、税務上の耐用年数は10年です。また、パルプ・紙・紙加工品製造業用設備に区分される移動ラックの耐用年数は、12年となっています。

このように資産区分によって耐用年数に違いがあるため、詳細は税務署が提示している「設備の種類(業種)ごとの耐用年数」を参考にしましょう。

自動倉庫システムの耐用年数の目安


メーカーが提示している耐用年数では、税務上の減価償却期間である耐用年数とは違い、実際にどれくらいの設備寿命があるかを判断することができます。

そこでここからは、マテハン設備機器で有名なメーカー「ダイフク」を例にして、各自動倉庫システムの耐用年数を紹介します。

WMS(在庫管理システム)


商品の入庫や出庫などを、デジタル化して在庫管理していくWMS(在庫管理システム)は、倉庫内業務の省人化をする上で非常に重要なシステムです。リアルタイムで在庫状況を把握できるようになるため、作業効率も上がり生産性が向上します。

一方で、WMSはパソコンなどコンピュータで運用しなければならないため、一定期間でハードの更新をしなければなりません。なお、目安となるリニューアル時期は、生産が中止されてから7年から10年程度とされているため、最大でも10年の耐用年数ととらえておくのがいいでしょう。

制御関係の電子部品


自動倉庫システムを稼働させるためには、制御をおこなうために電子部品が使われています。しかし、電子制御をするための部品というのは、日進月歩で技術革新がおこなわれてる部分です。

そのような理由からも、ある一定期間を過ぎてしまうと製造が終わってしまい修理や交換も実施できない環境になってしまいます。そのため、制御関係の電子部品に関しては、耐用年数が最大でも12年とされています。

各種機械


自動倉庫を導入する際に、もっとも設備投資費用がかかってくる各種機械ですが、WMSや制御系の電子部品とは違って、耐用年数も若干長い傾向にあります。ただし、電子制御部品と同様に、消耗品部分などの主要部分が生産終了になってしまうと修理もできなくなるので注意しましょう。

なお、導入する機械によっても耐用年数が変わりますが、例えばスタッカークレーンの耐用年数は25年程度がひとつの目安となります。

まとめ


自動倉庫システムは、倉庫内の限られたスペースを有効活用できたり、省人化による人件費削減も期待できます。また、ピッキング作業や入出庫作業も自動化できるようになるため、品質が安定して生産性も向上するでしょう。

ただし、導入するためには高額な設備投資費用が必要な上、安全に稼働させるためのメンテナンスコストやリニューアルなども考えなければなりません。そのためには、耐用年数などを参考にして、費用対効果や導入するためのコストを回収できる期間を検証するようにしましょう。

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この記事の筆者

株式会社APT

株式会社APT

世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。

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