~現場から学んだ「失敗と改善」の集大成。物流テクノロジー×デザインで、次世代の倉庫自動化を再定義~
物流システムエンジニアリングを手掛ける株式会社APT(本社:千葉県千葉市、代表取締役社長:井上 良太、以下APT)と、2020年度グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)受賞のEMS/ODMメーカー株式会社346(本社:群馬県高崎市、代表取締役社長:三枝 守仁、以下346)は、次世代ケースシャトル型倉庫システム「Hive国産フェーズ2」を共同開発したことを発表いたします。
本製品は、APTが海外製マテハンで経験した数々のトラブルと改善の歴史を踏まえ、国産品質の信頼性とデザインベースドアプローチの開発製造を融合させることで、物流現場の自動化・省人化を“適正価格”で実現し、人と社会に優しい、豊かなシステムを社会実装します。


※画像は新生Hiveとなります。是非、Kocolaboに見に来て下さい!
■開発の背景:「失敗から学んだ」Hiveの進化
APTのHive開発は、決して順風満帆ではありませんでした。むしろ、海外製マテハンでの失敗経験こそが、真に現場に求められる製品を生み出す原動力となりました。
Hiveの開発遍歴
【第1フェーズ:海外製の導入と挫折】
当初、APTは中国製のシャトル型倉庫システムを受注し、顧客に納品しました。しかし、原因不明のトラブルが相次ぎ発生。顧客に迷惑をかけられないという思いから、APTエンジニアの常駐対応に加え、ラック・コンベア・リフター本体の制御システムをAPT負担で全面的に入れ替える対応を実施。結果として大幅な赤字を計上しました。同時期に導入した他の中国製マテハン案件でも同様のトラブルが頻発し、全て赤字という厳しい状況に直面しました。
【第2フェーズ:制御の内製化】
この経験から、中国製マテハンの長所と課題を徹底的に分析。筐体やシャトル本体は中国メーカーを活用しつつ、制御システムはAPTが担当するという方針に転換しました。
【第3フェーズ:筐体の脆弱性との対峙】
しかし、新たな課題が浮上しました。中国製筐体の脆弱性です。中国市場では「スピード重視で、壊れたら迅速に交換すれば良い」という考え方が主流ですが、日本国内の顧客に展開するには、より高い耐久性と信頼性が不可欠であることを痛感しました。
【第4フェーズ:シャトル本体の国産化】
こうした経験を踏まえ、シャトル本体の筐体も国産化する動きを開始。一方で、中国製のラック・リフター・コンベアなど周辺設備の品質は評価できたため、「シャトル本体はAPT、周辺は中国」という最適な組み合わせを模索しました。
その第一弾が「Hive国産フェーズ1」です。しかし、APTにとって筐体開発は初めての挑戦だったため、デザインや重量・サイズに課題が残り、その対策をフェーズ2で実行することとしました。
【第5フェーズ:346との出会い、そして完成へ】
すべての課題を解消すべく、代表の井上自らが製造委託先を探索し、複数社との面談の結果、株式会社346への依頼を決定。井上は346が持つ、デザインベースドアプローチによる製品戦略・設計製造・販売保守の統合的ケイパビリティに、感銘を受けました。
そして2026年、これまでの全ての問題を解消した「Hive国産フェーズ2」がついに完成しました。
■Hive国産フェーズ2の主な強み
本製品は、過去の経験から得た教訓を全て反映し、以下の大幅な改善を実現しています。
- 障害発生率削減:現場で発生した問題を徹底分析し、根本原因を解消
- 耐久性向上:長期稼働を前提とした設計
- 生産能力向上:作業効率を高める高速搬送を実現
- 製品サイズ削減軽量化:量産性と保守性を考慮した設計
- デザイン:審美性(美しさ)と人間中心設計(使いやすさ)の融合による付加価値創出
- 海外調達リスクの排除:国産ならではの安定供給体制、品質向上工程の確立
■なぜAPT × 346なのか
物流DXの現場では、下記の通り大きな課題が存在しています。
- 品質とコストのジレンマ:既存の高精度の国産機・海外製は高価投資回収が難しく、安価な一部海外製は耐久性や保守サポートに不安が残る。
- 海外調達による品質:海外製は設計・製造拠点との距離が遠く、開発時・トラブル発生時のフィードバック・改善サイクルに時間がかかる。
- システムの分断:機器(ハード)と制御(ソフト)がベンダー毎に最適化されていて、倉庫全体の効率化が実現できていない。
上記の課題に対し、両社の強みを統合して、価値創造しました。
この協業により、以下の通り「コスト最適化 × 品質強化 × 全体最適の課題解決」が初めて一つに繋がりました。
- 【APTの現場知】×【346の開発力】= コスト最適化
海外製での失敗と改善の歴史をデータ化し、必要な機能に絞り込んだ設計により、国産ながら導入ハードルを下げた”適正価格”を実現。
- 【地理的近接】×【両社協力の管理体制】=品質強化
設計製造を国内拠点に集約し、設計段階から入念な評価と擦合せを行い、海外製では実現困難であった迅速な品質向上サイクルを構築。
海外調達のリスクを排除し、安定供給・長期安定稼働を実現。
- 【APTのWXS】×【346のデザイン】= 全体最適の課題解決
APTの統合制御システム(WXS)と、346のデザインの融合。単なる機器の提供に留まらず、保守性、操作性、物流フロー全体の最適化をパッケージ化。人と社会に優しいシステムを実現。
■代表コメント
株式会社APT 代表取締役社長 井上良太
「Hiveの開発は、失敗と改善の連続でした。海外製マテハンでの赤字経験は決して無駄ではなく、『物流現場のリアルな課題』と『日本のものづくりの力』をつなぎ直す必要性を痛感する貴重な機会となりました。346との協業により、現場感覚とデザインが融合し、倉庫自動化の”新しい当たり前”をつくることができました。顧客に迷惑をかけないという強い思いが、この製品を生み出したと自負しています」
株式会社346 代表取締役社長 三枝守仁
「Hiveは、デザインベースドアプローチの製品開発製造が、物流という巨大産業に対して、どれだけ価値創造できるかの象徴的なプロジェクトです。APTの現場知と私たちの開発製造ケイパビリティが融合し、物流業界の新しいスタンダードを生み出せたと感じています。APT社の組織の吸収能力が、それを実現させた要因だと思います。346が製品戦略、設計製造、販売保守まで一貫して関わり、本製品のバリューチェーン全体に対する価値創造し、物流を起点とした社会発展の一助を担えた事を誇りに感じています。今後、さらに発展するプロジェクトにご期待下さい。」
■2026年3月、KocoLaboで新旧Hiveの実機稼働を公開
2026年3月には、APTのショールーム兼研究開発拠点「KocoLabo(ココラボ)」において、新旧hiveが稼働します。開発の進化をその目で確認いただけますので、ぜひご来場ください。
※「KocoLabo(ココラボ)」は、物流自動化機器やロボットの実機を見学・体験できる、APTのショールーム兼研究開発拠点です。
製品サイト:https://n-apt.com/new/hive/
株式会社APTについて
株式会社APTは、倉庫業界に新たな価値を提供し、課題解決を通じて業界全体を変革することを目指す企業です。国内外のメーカーに依存しないマルチメーカー対応を強みとし、お客様に寄り添い、価値の最大化とコストの適正化を図りながら、倉庫で働くすべての人々に笑顔を届けます。
- 会社名:株式会社APT
- 設立:2009年8月(創業:1984年10月)
- 代表者:井上 良太
- URL:https://n-apt.com/
- 所在地:〒261-0023 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目3 幕張テクノガーデンB棟22階
- 事業内容:機械器具設置工事業
株式会社346について
株式会社346は、デザインベースドアプローチの EMS/ODMメーカーです。製品戦略、設計製造、販売保守までを一貫して行なうことで、製品開発製造を通じて課題解決、価値創造、技術の経営資源化を行ないます。クライアント企業のニーズや経営資源に合わせた柔軟なサービスを提供し、人と社会に優しい豊かな製品を社会実装し、製造業の発展ひいては社会発展の一助を担います。
- 会社名:株式会社346
- 設立:2017年7月21日
- 代表者:三枝 守仁
- URL:https://346design.com/
- 所在地:〒370-0059 群馬県高崎市椿町24-3
- 事業内容:工業製品の開発製造販売保守、それに付帯する業務
