お役立ち情報

AGVの導入費用は?主な費用項目や費用を抑えるポイントなどを紹介

AGVの導入費用

製造業や物流業界を中心に、人手不足や搬送作業の効率化を目的としてAGV(無人搬送車)の導入が進んでいます。一方で、自動で荷物を運ぶこのロボットは、生産ラインや倉庫内の業務を大きく変える力を持っていますが、導入にはまとまった費用がかかるのも事実です。

そこで本記事では、AGVの導入費用の相場や内訳をわかりやすく解説しつつ、費用を抑えるための実践的なポイントまで紹介します。自社の自動化を検討するうえで、無駄なコストを避けながら最適な導入判断を下すためにも、ぜひ参考にしてください。

APTの自動化設備製品一覧はこちら

AGVとは?

AGV(無人搬送車)は、磁気テープやQR、レーザーなどで誘導されながら決められた経路を自律走行し、部品や製品を目的地まで運ぶ搬送ロボットです。

工場や物流倉庫における工程間の横持ちや倉庫内の定点間搬送など、直接付加価値を生まない運搬作業を自動化することで、人手不足の解消と生産性向上を同時に実現できる点が評価されています。

AGV(無人搬送車)とは?その仕組みと導入するメリットも解説

AGVの導入費用はどれくらい?

AGVの導入費用は、機種や機能、導入規模によって大きく異なります。一般的に、標準的なAGV本体の価格は1台あたり200万~500万円が目安です。積載能力や誘導方式(磁気テープ、レーザーなど)によっても金額は変わります。

ただし、費用は本体価格だけでなく、制御システムや走行経路の整備、WMS連携、設置工事などのインフラ整備費用も必要です。そのため、導入目的や現場の条件によって、必要な機能を精査しながら見積もることが重要です。

AGV導入の費用項目について

AGVの導入を検討する際には、単に本体価格だけを見て判断するのは危険です。実際には、制御システムや走行インフラの構築、保守・点検体制、現場担当者のトレーニングなど、さまざまな費用が総合的に発生します。

そこでここからは、AGV導入にかかる主な費用項目について詳しく解説します。

本体費用

AGVの本体費用は、導入における最も基本的なコストです。一般的な小型の積載型AGVでは1台あたり200万~300万円が相場ですが、積載重量が大きくなったり、高性能な誘導方式を搭載したモデルでは500万円以上になることもあります。

導入現場の条件や搬送物の種類、求める機能によって最適なAGVは異なるため、必要以上に高機能なモデルを選ぶと過剰投資になるおそれもあります。費用を抑えるためには、自社の用途に合った機種を選定し、スペックと価格のバランスを見極めることが重要です。

制御システム・インフラ費用

AGVは単体では機能せず、運行制御や経路指示を行うシステム、そしてインフラの整備が必要です。制御システムには、複数台のAGVを統合管理する運行管理ソフトや、上位システム(WMSやMES)との連携機能などが含まれます。

また、AGVの走行経路には磁気テープや反射板などのガイドが必要で、これらの設置費や工事費も発生します。導入計画段階でシステム設計を明確にし、無駄なインフラ投資を避けることが重要です。

保守・メンテナンス費用

AGVを安定的に稼働させるためには、定期的なメンテナンスや保守契約が欠かせません。具体的には、バッテリーやセンサー、タイヤなどの消耗部品の交換、定期点検、故障対応などがあり、これらは年間を通じて継続的に発生するランニングコストとなります。

保守サービスはメーカーやベンダーによって契約形態が異なり、月額・年額固定での契約や、稼働時間や台数に応じた従量課金制などが存在します。長期間の運用を前提とするなら、アフターサポートの充実度や契約内容を事前に比較・精査することが重要です。

トレーニング費用

AGVを安全かつ効率的に運用するためには、担当者や保守要員に対するトレーニングが必要です。一般的にはメーカーやSIerが提供する研修プログラムがあり、スタッフ講習が行われます。

トレーニングを省略すると、運用ミスや故障対応の遅れといったリスクが増え、結果的に大きな損失につながることもあります。導入時だけでなく、運用フェーズを見据えた教育体制の構築が必要です。

AGVの導入費用を抑えるポイント

AGVの導入費用を抑えるポイント

AGVの導入には一定の費用がかかるものの、工夫次第でコストを抑える方法はいくつも存在します。

そこでここからは、AGV導入時に知っておきたい費用削減のポイントを具体的に紹介します。

必要最低限の台数・機能に絞る

AGVを導入する際、最初から全工程を自動化しようとすると、設備費用が膨れ上がるだけでなく、運用リスクも高まります。そこで重要になるのが、必要最低限の台数と機能に絞って導入することです。

導入前には、現場の課題や搬送要件を具体的に洗い出し、シンプルかつ効率的な構成でスタートすることが、費用対効果の高い自動化につながります。

リース・レンタルを検討する

AGVの導入費用を大きく左右するのが、本体などの初期投資です。これを抑える方法として有効なのが、リースやレンタルの活用です。リース契約であれば、一定期間の利用料を月額で支払う形になり、まとまった資金を用意する必要がなくなります。キャッシュフローへの負担を軽減しつつ、運用実績を踏まえて継続・更新・買取といった柔軟な選択が可能です。

レンタルであれば、さらに短期間の運用やテスト導入に適しており、「まず試してから本格導入を判断したい」という企業にも最適です。ただし、契約条件やメンテナンス範囲、解約時の取り扱いなどは事前にしっかり確認する必要があります。

複数ベンダーで見積を比較する

AGV導入にあたっては、1社だけでなく複数のベンダーから見積を取得することが重要です。同じ導入要件でも、提案内容や価格、保守対応、拡張性などには大きな違いがあるため、比較検討を行うことで最適な選択が可能になります。

ベンダーによっては得意とする搬送方式や誘導システム、工事対応力が異なるため、自社の現場環境に適した業者を見極めることが大切です。また、機能や価格だけでなく、実績やトラブル対応のスピード、将来的なアップデート対応力も評価ポイントとなります。

段階的導入(PoC)を採用する

AGV導入におけるリスクとコストを抑える有効な手段が「段階的導入」、いわゆるPoC(Proof of Concept)の採用です。まずは1台のAGVを使って限定的な工程で実証運用を行い、導入効果や現場との相性を検証します。

これにより、想定外の運用トラブルやレイアウト上の課題を事前に洗い出すことができ、いきなりの全体導入による失敗リスクを防げます。また、段階的に導入範囲を広げることで、従業員の習熟も進み、現場の混乱を抑えながらスムーズに自動化を進めることが可能です。

AGV(無人搬送車)の種類や選び方について徹底解説

まとめ

AGVの導入には、本体価格に加えて制御システムやインフラ整備、保守・教育といった多くの費用項目が関わります。そのため、必要な台数や機能を明確にし、段階的な導入やリース活用、複数ベンダーからの見積比較を通じて、無駄なコストを避ける工夫が重要です。

費用面だけでなく、自社の課題解決や業務改善の視点からAGV導入の意義を見極めることで、より効果的で持続可能な自動化が実現できます。初期費用にとらわれず、全体最適の視点で計画を立てることが大切です。

なお、APTでは国内外問わず、お客様のニーズに合わせ幅広い視点でAGV・AGFを選定し提案しているため、お気軽にお問い合わせください。

APTのAGV・AGFの詳細はこちら

お役立ち情報一覧

この記事の筆者

株式会社APT

株式会社APT

世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。