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マテハン導入はいつ進む?国内における自動化投資の現状と導入事例5選

マテハン導入はいつ進む?国内における自動化投資の現状と導入事例5選

物流業界では、人手不足や物流効率化への対応を背景に、倉庫や物流センターの自動化が進んでいます。一方で、マテハン導入には初期投資や投資回収期間などの課題もあります。

この記事では、国内のマテハン導入が進む背景や課題、導入事例5選を紹介します。

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マテハン導入はいつ進む?

政府が推進する物流DXや人手不足、人件費の上昇を背景に、日本のマテハン導入は今後さらに加速すると予測されています。2028年頃から導入が本格化し、2030年前後には中堅企業への普及も進むと見込まれています。

参考:矢野経済研究所_物流ロボティクス市場に関する調査を実施(2025年)

マテハン導入における構造的な変化

近年、マテハン導入を取り巻く環境は大きく変化しています。これまでは高額な初期投資や投資回収期間の長さが導入の障壁となっていましたが、人件費の上昇や設備価格の低下、補助金制度の充実により、導入しやすい環境が整いつつあります。ここでは、マテハン導入に影響を与える構造的な変化について解説します。

人的コスト増加:関連職種時給、福利厚生費の上昇

マテハン導入が進む大きな要因のひとつが、人的コストの上昇です。物流作業者やフォークリフト作業者の時給は上昇傾向にあり、人を採用して現場を回すためのコストは年々増えています。

また、社会保険料や雇用保険料、労災保険料、健康保険料などを含めた年間費用も増加しており、従業員1名あたりの関連費用は上昇傾向にあります。今後は単なる人件費削減だけでなく、採用難への対応、作業負荷の軽減、安定した出荷体制の維持といった観点からも、マテハン導入の必要性が高まっていくと考えられます。

ROI改善:マテハンのコモディティ化、コスト競争

以前は、AMRや自動倉庫、シャトルシステム、ピッキング端末などは高額で、導入できる企業が限られていました。しかし現在は、中国メーカーや新興メーカーの参入、部品のモジュール化、汎用通信方式の普及などにより、一部のマテハン設備ではコストが下がりつつあります。

このように、人的コストは上がり、設備コストは一部で下がるという流れが生まれることで、マテハン投資のROIは改善しやすくなっています。ただし、海外製マテハンではトラブルが発生するケースもあるため、価格だけで判断するのではなく、導入後の運用・保守・拡張性まで含めて検討することが重要です。

ROI改善:補助金活用機会の増加

自動倉庫、AGV、AMR、コンベア、仕分けシステムなどは、導入範囲によって数百万円から数億円規模になることもあり、投資判断が慎重になりやすい分野です。そこで重要になるのが、補助金や助成制度の活用です。

補助金を活用できれば、初期費用を抑えながら自動化設備を導入できるため、中小・中堅企業にとっても投資判断がしやすくなります。補助金を単なる資金調達手段として見るのではなく、マテハン導入の検討タイミングを早めるための材料として活用することが重要です。

マテハンとは?マテハンの意味と物流業界で活躍するマテハン機器の種類まとめ

マテハン導入における人々の意識・市場環境の変化

マテハン導入における人々の意識・市場環境の変化

人手不足の深刻化や物流現場を取り巻く環境の変化により、マテハン導入に対する企業の意識も変わりつつあります。従来の「人手で対応する物流」から、自動化を前提とした物流への転換が求められています。

省人化要求への意識の高まり

国内では、生産年齢人口の減少と高齢化が進んでいます。これまでは、体力のある作業者や熟練者に依存することで現場を回してきた企業もありますが、今後はその前提が成り立ちにくくなります。

このような状況では、特定の人に依存する現場ではなく、性別や年齢、経験値に左右されにくいオペレーションを構築する必要があります。マテハンを導入することで、重量物搬送、長距離移動、繰り返し作業を機械に任せることで、人の負荷を減らし、安定した作業品質を維持しやすくします。

トレンド:タイミーの業界推進からみるマテハン機器へのニーズ高まり機運

スポットワーカーや外国人労働者が増えると、現場では「誰でもすぐにできる作業」に設計し直す必要があります。そこで重要になるのが、作業の単純化・均質化です。

例えば、AMRで作業者のもとに商品を届ける、デジタルピッキングシステムで取るべき商品と数量を指示する、仕分け機で判断作業を自動化する、といった仕組みを導入すれば、作業者の経験値に左右されにくくなります。つまり、スポットワーカーの活用が進むほど、マテハン機器による作業支援や自動化の重要性は高まっていくと考えられます。

マテハン導入における投資リスク

マテハン導入では、初期投資や投資回収期間が課題となります。一方で、法制度の整備や物流標準化、導入形態の多様化により、従来よりも投資リスクを抑えやすい環境が整いつつあります。

「新物効法」を境に物流事業者と荷主が協業する機運が生まれる?

マテハン投資を進めるうえで重要なのが、物流事業者だけでなく荷主側の理解と協力です。新物効法を境に、物流事業者と荷主が協業する機運が生まれる可能性があります。自動化機器そのものは直接の対象外であっても、積載率向上や荷待ち・荷役時間短縮が求められることで、物流効率化への意識が高まると考えられます。

マテハン投資は物流事業者だけで完結するものではありません。荷主と物流事業者が、コスト削減・品質向上・持続的な物流体制の構築という共通目的を持てるかどうかが、今後の導入拡大を左右するといえるでしょう。

政府による物流標準化への取り組み

マテハン導入の効果を最大限に引き出すには、物流標準化への取り組みも欠かせません。荷姿やパレットサイズ、データ形式、運用ルールが統一されていないと、設備導入後も個別対応が必要となり、投資対効果が低下する可能性があります。

そのため、政府は物流標準化を推進しており、物流業界全体で標準化への取り組みが進められています。設備導入だけでなく、荷姿や作業手順、システムまで含めて標準化することで、自動化の効果をより高められるでしょう。

サブスクリプションモデルの普及

マテハン導入の初期投資を抑える方法として、今後注目されるのがサブスクリプション型サービスです。RaaSのようなモデルが、初期投資の抑制、投資リスクの軽減、キャッシュフロー改善につながる可能性があります。

特に中堅・中小企業では、いきなり大規模な自動倉庫を導入するよりも、サブスクリプションやリースを活用しながら、搬送・仕分け・ピッキングなど効果が見えやすい工程から始めるほうが現実的です。

マテハンの導入事例5選

ここでは、資料で紹介されている導入ケースや、代表的なマテハン活用パターンをもとに、5つの事例を紹介します。

マテハンの導入事例①印刷業大手のAGF導入

従業員約500名の印刷業大手では、AGFとハンドリフトの混在運用でAGFの走行路に人が入り込む事故リスクが常態化していました。安全な協業には機能安全規格への準拠が不可欠と判断し、複数メーカーのCE準拠状況を確認・精査したうえで、労働基準監督署とも協議しながら約7ヶ月かけてCE準拠のAGFを導入。人と機械の安全な協業が実現し、業務効率化や監査対応など波及効果も生まれました。

海外製マテハンの選定では、CE等の機能安全認証を最低条件とすることが重要です。

マテハンの導入事例②EC企業の保守トラブルと運用改善

従業員約200名のEC企業では、物流機器導入後にベンダーとの保守認識のズレが発覚。自社は「障害時のみ対応」を想定していたのに対し、メーカーは常時保守担当者を配置する契約で、想定外の高額請求が発生しました。補填交渉も拒否されたため、長期的な保守工数削減を目的としたシステム改造に方針を転換。自律的なオペレーション設計を構築し、コスト圧縮を実現しました。

保守体制・費用負担は導入前にSLAとして文書化し、認識を合わせておくことが必須です。

マテハンの導入事例③大手物流企業のベンダー刷新

従業員5,000名以上の大手物流業者では、保守対応の定義が曖昧なまま中華系ベンダーへ発注。元請けも仕様への落とし込みが不十分で、要望を満たさないシステムが構築され、保守費用をクライアントが持ち出しで負担し続ける状況となっていました。問題意識を持ったクライアントがベンダーを切り替え、コスト最適化された保守体制を再構築しました。

ベンダー選定では「顧客の要望を仕様に落とし込む力があるか」を見極めることが重要です。

マテハンの導入事例④Tuko社(フィンランド)の作業単純化

フィンランドのTuko社では、荷物が積み上がると自動でカゴが下降し、常に腰高で作業できる昇降式カゴを導入。作業者はその場から動かず「箱から商品を1個取って入れる」だけの動作が完結します。1箱に1SKUのみのオペレーションで検品も不要とし、「今日来た人が今日できる作業」を実現。教育コストをほぼゼロに抑えることに成功しています。

作業の単純化と身体負担の排除を組み合わせることで、流動的な労働力でも安定した物流運営が可能になります。

マテハンの導入事例⑤Salling Group(デンマーク)の省力ピッキング

デンマークのSalling Groupでは、パレットが自動で上下・傾斜する仕組みにより商品が常に腰高に来るラインを構築。作業者は持ち上げずスライドさせるだけでピッキングが完了します。後工程も「来た箱を積むだけ」まで単純化し、判断工程は前後の自動化設備が担います。デンマークの厳しい労働基準への対応と生産性向上を同時に達成した好例です。

身体負担を前提としない設備・オペレーション設計は、日本でも今後必須要件となっていくでしょう。

まとめ

国内のマテハン導入は、人手不足や人件費の上昇に加え、物流DXの推進や物流標準化、補助金制度の充実などを背景に、今後さらに加速すると考えられます。一方で、導入には初期投資や投資回収期間、既存システムとの連携、保守体制など、事前に検討すべきポイントも少なくありません。

マテハン導入を成功させるためには、自動化ありきで設備を選ぶのではなく、現場の課題を整理し、費用対効果や運用方法、将来の拡張性まで見据えた計画が重要です。特に中小・中堅企業では、倉庫全体を一度に自動化するのではなく、搬送やピッキングなど効果が見えやすい工程から段階的に導入することで、投資リスクを抑えながら自動化を進められます。

APTでは、物流現場の調査・分析から設備選定、システム設計、既存設備との連携、導入後の運用・保守まで一貫してサポートしています。

「自社に適したマテハン設備を知りたい」「どの工程から自動化を始めるべきか相談したい」「既存設備やシステムを活かしながら自動化したい」とお考えの方は、お気軽にAPTまでご相談ください。

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この記事の筆者

株式会社APT

株式会社APT

世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。

本社住所 : 千葉県千葉市美浜区中瀬1-3 幕張テクノガーデンB棟 22F

設立 : 2009年8月(創業:1984年10月)

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