
館内物流とは、大型ビルや商業施設に届く荷物を拠点施設で一括集約し、館内配送を専任スタッフが一元管理する仕組みです。
導入することで、荷捌き場の混雑緩和やセキュリティ強化、テナントの荷受け負担軽減などのメリットが得られます。さらに、最適な物流動線の設計やAGV等の搬送設備、館内物流管理システムを組み合わせることで、運用の大幅な効率化が可能です。
この記事では、館内物流とはどのような仕組みなのか、導入するメリットについて詳しく解説します。館内物流を効率化する具体的な方法についても紹介しますので、施設内の物流業務を見直したい方はぜひ参考にしてください。
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館内物流とは
館内物流とは、オフィスビルや商業施設、複合施設などの建物内で発生する荷物の受け取り、仕分け、搬送、集荷などを効率的に管理する仕組みのことです。
一般的な配送では、宅配便や運送会社などの配送スタッフが建物内へ入り、それぞれのテナントやオフィスまで荷物を届けます。しかし、大規模な施設になるほど配送先が増えるため、多くの配送スタッフや台車が館内を行き来することになります。
そこで館内物流では、施設内に設けた物流拠点などで荷物をまとめて受け取り、配送先ごとに仕分けたうえで、専任のスタッフが各テナントまで配送します。発送する荷物についても各テナントから集荷し、配送会社へまとめて引き渡すといった運用が可能です。
館内物流は単に荷物を運ぶだけではなく、搬入車両の受付や荷捌き場の管理、荷物の仕分け、館内搬送、集荷など、施設内で発生する一連の物流業務を管理することが特徴です。
館内物流を導入するメリット
館内物流を導入すると、施設内の物流をまとめて管理できるようになります。その結果、配送会社だけでなく、施設管理者やテナントにもさまざまなメリットがあります。
ここからは、館内物流を導入する主なメリットを詳しく見ていきましょう。
配送業務を効率化できる
各配送会社が個別に荷物を届ける場合、配送スタッフは受付を済ませたあと、エレベーターを利用して各フロアやテナントを回らなければなりません。配送先が多ければ、それだけ施設内での滞在時間も長くなります。
一方、館内物流によって荷物を一括で受け取れば、配送会社は施設内の物流拠点まで荷物を運ぶだけで済みます。その後の仕分けや館内配送を専任スタッフがまとめて担当するため、配送会社ごとに同じルートを何度も移動する必要がありません。
荷捌き場の混雑を緩和できる
特定の時間帯に複数のトラックや配送車両が集中すると、荷捌きスペースが埋まり、次の車両が待機しなければなりません。施設によっては、周辺道路で待機する車両が増える原因になることもあります。
館内物流を整備し、搬入時間や荷捌き場の利用状況を管理すれば、配送車両の到着時間を調整しやすくなります。また、荷物の受け渡し場所や作業方法を統一することで、1台あたりの荷役作業をスムーズに進めることも可能です。
荷受け業務を削減できる
配送会社が各テナントへ直接荷物を届ける場合、そのたびに従業員が業務を中断して受け取り対応をしなければならないケースがあります。1日に何度も荷物が届く企業では、荷受けだけでも少なからず負担となります。
館内物流によって荷物をまとめて管理し、決められたタイミングや方法で配送できるようになれば、テナント側の荷受け対応を減らすことが可能です。受け取り方法を統一したり、配送時間を調整したりすることで、従業員が本来の業務に集中しやすい環境も整えられます。
セキュリティを強化できる
配送会社がそれぞれテナントまで荷物を届ける運用では、日々多くの配送スタッフが施設内へ出入りすることになります。オフィスビルなどでは、受付で入館手続きを行っていたとしても、多数の外部スタッフが執務エリア付近まで出入りすることに不安を感じるケースもあるでしょう。
館内物流を導入すれば、外部の配送スタッフが入れる範囲を物流拠点や荷捌き場などに限定できます。入退館管理の負担軽減にもつながるため、セキュリティを重視する施設では特に大きなメリットがあります。
物流にかかるコストを削減できる
施設内の物流が整理されていない状態では、同じ時間帯に複数のスタッフが似たようなルートを移動したり、荷物を探すために時間がかかったりするなど、さまざまな無駄が発生します。また、荷捌き場の混雑による待機時間が増えれば、配送業務全体の生産性も低下します。
館内物流によって荷物を集約し、仕分けや配送ルートを最適化すれば、少ない人員でも効率的に荷物を運べるようになります。人員配置や作業時間、搬送回数などを見直すことで、施設全体の物流コスト削減につなげられるでしょう。
荷物の紛失や誤配送を防ぎやすくなる
大量の荷物を扱う施設では、「どの荷物が届いているのか」「誰に届ける荷物なのか」を正確に把握することが重要です。荷物の管理方法が統一されていないと、受け取った荷物の所在が分からなくなったり、別のテナントへ届けてしまったりする可能性があります。
館内物流では、荷受けから仕分け、配送までのルールを統一できるため、荷物を管理しやすくなります。また、バーコードやQRコード、RFIDなどを利用して荷物の情報を管理すれば、いつ荷物を受け取り、どこへ配送したのかを記録することも可能です。
館内物流を効率化する方法

館内物流を導入するだけで、すべての業務が効率化されるわけではありません。施設の規模や構造、荷物量などに合わせて運用方法を設計し、人と設備、システムを適切に組み合わせることが重要です。
ここでは、館内物流をさらに効率化するための代表的な方法を紹介します。
物流動線を設計する
館内物流では、荷捌き場で受け取った荷物を仕分けし、エレベーターや通路を使って各テナントへ運びます。この動線が複雑だったり、移動距離が長かったりすると、作業時間が増えてしまいます。
そのため、荷捌き場、仕分けスペース、エレベーター、各配送先までの流れを確認し、できるだけ無駄な移動が発生しない動線を設計することが大切です。
例えば、配送するフロアごとに荷物をまとめてから搬送すれば、同じ場所を何度も往復する必要がなくなります。現在の作業状況を確認し、「移動距離が長い場所」「待ち時間が発生している場所」「作業が集中している場所」を洗い出すと、改善すべきポイントを見つけやすくなります。
搬送設備を導入して自動化する
館内で運ぶ荷物が多い場合は、搬送設備を導入して作業を自動化する方法もあります。例えば、コンベアや垂直搬送機、AGV(無人搬送車)などを活用すれば、人が台車を押して荷物を運ぶ作業の一部を自動化できます。
単純な搬送作業を設備に任せられれば、スタッフは荷物の仕分けや確認など、人による判断が必要な業務に集中できます。また、重量物や大量の荷物を繰り返し運搬する現場では、作業員の身体的な負担軽減にもつながります。
館内物流管理システムを導入する
荷物の数が少ないうちは、紙の管理表やExcelなどでも対応できるかもしれません。しかし、配送会社やテナント、荷物量が増えるほど管理する情報も多くなり、人手だけでは正確な状況を把握することが難しくなります。
館内物流管理システムを導入すれば、例えば以下のような情報を一元管理できます。
- 荷物の受付状況
- 配送先
- 荷物の現在位置
- 館内配送の完了状況
- 集荷状況
- 配送車両の入退場情報
- 荷捌き場の利用状況
バーコードやQRコードなどと組み合わせれば、荷物を受け取ったタイミングや各テナントへ届けたタイミングを記録することもできます。これまで電話や紙で確認していた情報をシステム上で確認できるようになれば、問い合わせ対応や情報共有にかかる時間も削減できます。
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まとめ
館内物流とは、オフィスビルや商業施設などの建物内で発生する荷物の荷受け、仕分け、搬送、集荷などをまとめて管理する仕組みです。館内物流を導入することで、配送業務の効率化や荷捌き場の混雑緩和、テナントの荷受け業務削減、セキュリティの強化など、さまざまなメリットが期待できます。
一方で、館内物流をより効率的に運用するためには、施設に合った物流動線を設計し、必要に応じて搬送設備や館内物流管理システムを導入することが重要です。施設内の荷物量が増えている、荷捌き場の混雑や人手不足に悩んでいるといった場合は、現在の物流業務を見直し、自社の施設に適した館内物流の仕組みを検討してみましょう。
APTでは、豊富な現場実績をもとに、館内物流の現状診断から最適なシステムの導入・運用支援までワンストップでサポートいたします。
施設内の物流業務見直しや自動化をご検討中の方は、ぜひAPTにご相談ください。


