
マテハンメーカーを選ぶ際は、知名度や導入費用だけで判断するのではなく、自社の物流課題や自動化したい業務に適した設備・システムを提供できるかを比較することが重要です。メーカーによって得意とする設備や対応できる業務、導入後のサポート体制などが異なるためです。
マテハン設備には、自動倉庫やコンベヤ、AGV・AMR、仕分けシステムなどさまざまな種類があります。適切な設備を導入することで、搬送や保管、仕分けなどの作業を効率化・自動化し、人手不足への対応や生産性向上につなげられます。
そこでこの記事では、主要なマテハンメーカー7社の特徴を紹介します。マテハンメーカーを比較する際のポイントや、自社に合ったメーカーの選び方についても解説しますので、物流倉庫や工場の自動化・省人化を検討している方はぜひ参考にしてください。
主要なマテハンメーカー7選
マテハンメーカーといっても、それぞれ得意とする設備やシステムは異なります。自動倉庫を幅広く手掛けるメーカーもあれば、コンベアや仕分け設備、垂直搬送設備など特定分野に強みを持つメーカーもあります。
ここでは、国内でさまざまな物流設備を提供している主要なマテハンメーカー7社を紹介します。
株式会社ダイフク
株式会社ダイフクは、自動倉庫システムをはじめ、AGV・AMRなどの無人搬送車、ソーターをはじめとする仕分けシステム、ピッキングシステム、ラックシステムなど幅広い設備を取り扱っています。また、マテハン設備だけでなく、倉庫内の在庫や設備を管理するWMSにも対応しています。
パレットやケースなどさまざまな荷姿に対応する自動倉庫を展開しており、保管効率の向上や省人化、入出庫能力の向上など、物流現場の課題に合わせたシステムを構築できる点が特徴です。
株式会社豊田自動織機(トヨタL&F)
株式会社豊田自動織機が展開するトヨタL&Fは、フォークリフトをはじめ、物流現場の自動化・省人化につながるさまざまな物流システムを提供しています。物流システムでは、パレット用・バケット用の自動倉庫、AGV・AMR、AGF(無人フォークリフト)、仕分け機・ソーター、ロボット、情報システムなど幅広い製品を取り扱っています。
また、トヨタL&Fでは物流設備を単体で導入するだけでなく、現場の物流改善を含めた提案を行っていることも特徴です。
村田機械株式会社
村田機械株式会社は、自動倉庫システムをはじめ、シャトルシステム、3Dロボット倉庫システム、AGV、無人フォークリフト、搬送台車、クロスベルトソーター、コンベア、垂直搬送機など幅広いマテハン機器を展開しています。
自動倉庫では、パレットやコンテナ、ケースだけでなく、ロール、長尺物、重量物などさまざまな荷姿に対応しており、冷凍・冷蔵環境や危険物の保管などにも対応しています。保管・搬送・仕分けを組み合わせ、WMSと連携しながら物流全体を自動化できる点も特徴です。
オークラ輸送機株式会社
オークラ輸送機株式会社は、コンベヤを中心としてさまざまなマテハン設備を手掛けているメーカーです。軽搬送コンベヤやケース搬送コンベヤのほか、GTPシステム、仕分けシステム、ピッキングシステム、保管システム、パレタイズ・デパレタイズシステム、垂直搬送機など幅広い製品を展開しています。
また、製品単体の提供だけでなく、マテハンシステムのコンサルティングから設計、製造、施工、アフターサービスまで対応しています。工場内の搬送ラインから物流センターの仕分け・ピッキングまで、幅広い用途で検討しやすいメーカーといえるでしょう。
株式会社椿本チエイン
株式会社椿本チエインは、チェーンや減速機などの機械部品に加えて、物流倉庫や工場向けのマテハンシステムも展開しているメーカーです。
マテハン分野では、AGF・AMRなどの搬送ロボット、3次元マテハンシステム、ソーター、ピッキングシステム、天井搬送システムなどを提供しています。物流倉庫だけでなく、製造業や食品、自動車、アパレル、ライフサイエンスなど幅広い分野に対応していることも特徴です。
株式会社オカムラ
株式会社オカムラは、オフィス家具などで知られる企業ですが、物流システム事業も展開しています。物流分野では、自動倉庫、コンベヤなどの搬送システム、仕分けシステム、ピッキングシステム、各種ラック、WMSなど幅広い製品を取り扱っています。
また、物流システムの運用設計から機器導入、保守、運用サポートまで対応しており、設備を導入するだけではなく、物流現場全体を考えたシステム構築を行っていることも特徴です。
ホクショー株式会社
ホクショー株式会社は、垂直搬送システムや仕分け搬送システムをはじめとする物流システム・機器を手掛けるメーカーです。
特に垂直搬送システムでは、連続的に荷物を搬送するバーチレーターや、任意の階へ荷物を搬送するオートレーターなどを展開しており、複数階で構成された物流倉庫や工場における上下搬送の自動化に活用できます。
マテハンメーカーを比較するポイント
マテハンメーカーを選ぶ際は、知名度や設備価格だけで比較するのではなく、自社の物流課題や運用条件を踏まえて比較することが重要です。まず確認したいのが、自社が導入したいマテハン機器を取り扱っているかという点です。メーカーによって得意とする設備が異なるため、自社が自動化したい工程に適した製品を扱っているか確認しましょう。
次に、自社と同じ業種や似た物流現場への導入実績があるかも重要です。自社と似た条件での導入実績があるメーカーであれば、設備選定やレイアウト設計などのノウハウを活用しやすくなります。
既存設備やシステムとの連携が可能かも確認しておきましょう。設備ごとの性能が高くても、システム間の連携がうまくいかなければ、物流全体として十分な効果を得られない可能性があります。既存システムとの接続方法や、異なるメーカーの設備を組み合わせられるかなども事前に確認しておくことが大切です。
さらに、導入費用だけでなく費用対効果まで比較する必要があります。導入価格だけを見るのではなく、人員をどの程度削減できるのか、処理能力がどれだけ向上するのかなどを確認し、中長期的な費用対効果を比較しましょう。
そのほか、故障時のサポート体制や定期点検、交換部品の供給体制など、導入後のメンテナンス体制も重要な比較ポイントです。物流設備の停止は出荷や生産に大きな影響を与える可能性があるため、設備導入後まで含めてメーカーを比較することが大切です。
自社に合ったマテハンメーカーの選び方

マテハンメーカーを選ぶためには、最初からメーカーや製品を決めるのではなく、自社の現状を把握したうえで必要な設備を検討することが重要です。
ここでは、自社に合ったマテハンメーカーを選ぶための流れを解説します。
現状の物流課題を洗い出す
まずは、現在の物流業務にどのような課題があるのかを洗い出しましょう。現場の作業内容や人員配置、作業時間、商品の流れなどを可視化すると、どの工程がボトルネックになっているのか把握しやすくなります。
また、課題を洗い出す際には、現場担当者へのヒアリングだけでなく、入出庫量や作業時間、ミスの発生件数などのデータを確認することも重要です。
自動化する業務と導入目的を明確にする
物流課題を整理したら、どの業務を自動化するのか、マテハンを導入する目的を明確にします。
「省人化したい」といった漠然とした目的ではなく、「搬送作業に必要な人数を削減する」「1時間あたりの出荷処理能力を向上させる」など、できるだけ具体的な目標を設定すると設備を選びやすくなります。
必要なマテハン機器を検討する
自動化する業務と目的が決まったら、それを実現するために必要なマテハン機器を検討します。このとき、単一の設備だけで考えるのではなく、前後の工程まで含めて検討することが重要です。必ずしも一つのメーカーですべての設備を統一する必要はなく、工程ごとに適した設備を組み合わせる方法もあります。
現在の物量だけでなく、将来的な取扱量の増加やSKU数の変化なども想定しながら、必要な処理能力や拡張性を検討しましょう。
複数のメーカーから提案を受けて比較する
導入するマテハンの方向性が決まったら、複数のメーカーから提案や見積もりを受けて比較しましょう。同じ物流課題でも、メーカーによって提案する設備やシステム構成が異なる場合があります。
そのため、単純に見積金額だけを比較するのではなく、処理能力や必要スペース、導入後の運用方法、既存システムとの連携、拡張性、メンテナンス体制などを総合的に比較することが重要です。
また、複数種類のマテハン設備を組み合わせる場合は、特定メーカーの製品だけで構成するのではなく、複数メーカーの設備を横断して選定・連携できるシステムインテグレーターへ相談する方法もあります。
まとめ
マテハンメーカーには、ダイフクや豊田自動織機、村田機械など幅広い物流設備を取り扱うメーカーから、コンベヤや垂直搬送、仕分けなど特定分野に強みを持つメーカーまでさまざまな企業があります。
そのため、メーカーを選ぶ際は知名度や価格だけで判断するのではなく、自社が抱えている物流課題を整理し、必要な処理能力や機能、既存システムとの連携、導入実績、メンテナンス体制などを比較することが重要です。
APTでは、物流現場の課題に合わせた倉庫自動化や物流システムの構築を支援しています。マテハン設備の選定や既存設備・システムとの連携などでお悩みの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。
APTの物流システム開発ソリューション「WMS・WCS・WES」
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