自動ラックとは?種類や物流倉庫に導入するメリットを解説

倉庫内の保管設備は非常に多くの種類がありますが、なかでも『自動ラック』は保管効率を向上させるために効果的な設備です。そのため、自動ラックの導入を検討している方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、現在導入を検討している企業向けに『自動ラックの基礎知識』を解説します。自動ラックの種類やメリット、導入する際に注意しておきたいポイントなどを分かりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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自動ラックとは?

自動ラックとは、物流倉庫や工場で多く導入されている『電動式移動棚』になります。移動棚や移動ラックと表記されているケースもありますが、電動式であるという点がポイントになります。

なお、自動ラックの主な特徴をまとめると以下の通りです。

・電動タイプの移動棚
・操作性も簡単
・通路スペースを削減

手動タイプではありませんので、操作性も良好なメリットがあります。また、棚が移動することで、通路スペースなども削減できます。そのため、通常の保管設備よりも収納効率が格段に向上する特徴があります。

このように『自動ラック』というのは、倉庫などの限られたスペースで効率よく保管するために有効な設備の一つというわけです。

自動ラックの種類

自動ラックには、大きく分けて『レール式』と『レールレス式』の2種類が存在します。導入する際には、これらの違いを理解した上で商品選定をしなければなりません。

そこでここからは、自動ラックの種類として『レール式』と『レールレス式』の違いや特徴について詳しく解説します。

レール式

『レール式』とは、レールを床工事で設置するタイプの自動ラックになります。なお、レール式の主な特徴は以下の通りです。

・耐荷重に優れている
・重量のある荷物を格納するのに適している
・高層化できるため天井空間も活用できる
・荷物を大量に保管するのに適している

耐荷重に優れているタイプなので、大量保管や高層化なども可能です。一方で、レールを設置するためには床工事が必要になる点には注意しましょう。

レールレス式

『レールレス式』とは、レールの床工事が必要ないタイプの自動ラックになります。具体的な特徴については以下の通りです。

・床工事がないので導入が早い
・レール式に比べて騒音が少ない
・設置後もラック移動しやすい

レール式ほどの耐荷重に優れているわけではありませんが、比較的重量物も保管することができます。また、ラックが移動する際の音も静かなので、騒音を抑えたいという場合にも向いています。

なお、床工事がないので導入も早く、設置後の移動もしやすいというメリットがあります。

自動ラックを物流倉庫に導入するメリット


倉庫などに自動ラックを導入することで、以下のようなメリットがあります。

・作業員の負担が軽減する
・格納効率が大幅に向上する
・電動なので操作も簡単

自動ラックは保管設備のなかでもパレット保管に向いており、上記のような恩恵を受けることが可能です。そこでここからは、個別のメリットをより詳しく解説します。

作業員負担の軽減

手動タイプの移動ラックとは違い、自動ラックはシステム制御で動作するため、作業員の負担を軽減させることができます。たとえば、人が作業するのに難しい冷凍倉庫などでも、問題なく棚を移動させることができます。

また、危険物を取り扱っている倉庫に関しても、自動ラックを導入することでより安全な作業環境を実現させることが可能です。作業員に負担がかかる作業がなくなるため、作業環境も改善できるメリットがあります。

格納効率が大幅に向上

自動ラックを導入した場合、格納効率を大幅に向上させることができます。たとえば、自動ラックは通路スペースを削減できるので、固定ラックよりも棚の設置スペースを増やせる一面があります。

また、ラックを高層化することによって、上部空間のデッドスペースを活用することも可能です。以上のことからも、自動ラックを導入することで保管効率を大幅に向上させることができます。

自動で操作も簡単

手動で移動させるタイプとは違い、自動ラックはボタン操作で動作できるので、正確な操作を実現することが可能です。たとえば、先入れや先出しといった作業もシステム制御で簡単に操作することができます。

余計な移動ロスや操作ミスもなくなるため、作業自体も効率化できるメリットがあります。電動のボタン操作で簡単に動作するため、作業員の教育コストも抑えることができます。

自動ラックを導入する場合の注意点

メリットの多い保管設備である自動ラックですが、導入する際には以下の点に注意しましょう。

・設備投資が必要になる
・設置後の移動は難しい
・保守やメンテナンス体制が必要になる。

これらの点に注意しておくことで、自動ラックの導入を検討する材料になります。そこでここからは、個別の内容について詳しく解説します。

設備投資が必要

自動ラックを導入する際には、初期の設備投資をしなければなりません。この設備投資資金は、固定ラックなどと比較して割高になる傾向にあるため、費用対効果をあらかじめ明確にしておく必要があります。

また、レール式とレールレス式といった種類によっても導入費用が大きく変動します。そのため、自動ラックを導入する際には、あらかじめ予算規模を明確にしてから検討しましょう。

設置後の移動は難しい

自動ラックの中でも耐荷重に優れている『レール式』を導入する場合、設置後の移動が難しくなってしまうデメリットがあります。レールを設置する床工事をしなければならず、簡単に移動することはできません。

そのため、導入後に倉庫を移動(引越し)するケースなどは、別途大がかりな工事が発生する場合もあります。以上のことからも、自動ラック(特にレール式)を導入する場合、設置後に引越し予定がないことを確認した上で検討しましょう。

保守・メンテナンス体制が必要

一般的な手動タイプの自動ラックとは違って、自動ラックは電動で動かすタイプの移動棚です。そのため、設置後はシステムトラブルの発生や障害が起きてしまうことも想定する必要があります。

万が一のトラブル発生時にも備えて、メンテナンス体制を構築することが重要です。また、システムについても定期的な保守を行って行くことが重要です。トラブルによって動作しない状態が長く続くと業務にも支障がでるため、復旧体制などはあらかじめ構築しておきましょう。

まとめ

自動ラックは、物流倉庫に多く導入されている電動タイプの移動棚です。手動式移動棚とは違い、棚の移動がシステム制御で動作するため、正確かつ簡単に操作できるメリットがあります。

また、固定ラックより収納効率が大幅に向上するため、デッドスペースが発生している倉庫には非常に効果的な保管設備といえます。一方で、初期の設備投資や導入後のメンテナンスコストなどもかかってくるので、導入前には費用対効果を明確にしておきましょう。

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この記事の筆者

株式会社APT

株式会社APT

世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。

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