お役立ち情報

「保守終了を通告されても、自動倉庫は延命できる|全面更新を決める前に知っておきたいこと」

ある日届いた一通の通知。「現在ご使用の設備については、20XX年をもって保守対応を終了いたします。継続稼働をご希望の場合は、弊社製品へのリプレイスをご検討ください。」

困惑するのは当然です。しかしこの通知は、設備の寿命が来たという意味ではありません。実は通知書には3種類のメッセージが混在しており、それを切り分けることで、数億円の投資をする前に取れる選択肢が見えてきます。

まず知っておいてほしいこと|保守終了通知の”本当の意味”

保守終了の通知を受けると、多くの設備担当者が「もう使えなくなる」と受け取ります。しかし正確には、次の3点を理解しておく必要があります。

  • 保守終了=その会社が保守をやめるだけであって、設備が即停止するわけではありません
  • 保守終了=設備の寿命ではありません。設備の機能的な寿命は、保守会社の都合とは無関係です
  • 「入れ替えてください」は提案であって、義務ではありません。受け入れるかどうかはユーザー側が判断できます

この3点を把握した上で、通知書の中身を正確に読み解くことが、冷静な判断の出発点になります。

通告の中身を正しく読む

通知書には複数の意味が混在していることが多く、一緒くたに「使えなくなる」と捉えてしまう企業が非常に多く見られます。受け取った通知が以下のどれに当たるのかを、まず切り分けて考えることが重要です。

通知の種類 意味 設備への直接的な影響
保守対応の終了 その会社が点検・修理をしなくなる 即停止ではない
部品供給の終了 純正部品の調達ができなくなる 代替品・流通在庫で対応できる場合あり
推奨更新の案内 新設備への入れ替えを勧める営業提案 義務ではない

大切なのは、「20XX年に使えなくなる」ではなく「20XX年以降、その会社には頼れなくなる」というのが正確な読み方だということです。

なぜ「作ったメーカーとは別の会社」が保守しているのか

「なぜ自分たちの設備を、作ったメーカーとは別の会社が保守しているのか」——この疑問を持ったことのある設備担当者は少なくありません。背景には、大きく2つの構造があります。

① 業界再編・事業承継によるケース

製造メーカーが物流システム事業を他社に譲渡し、その後は譲受先が保守を引き継ぐというパターンです。しかし引き継いだ会社は設計情報や部品在庫を完全には承継していないケースも多く、対応できる期限に限界が生じます。その結果、「一定年限での保守終了」と「自社製品への入れ替え提案」がセットで通告されることになります。

② 一過性の参入・撤退によるケース

自動倉庫を本業としない大手製造業が、ある時期に物流システム事業へ参入し設備を納入したものの、その後事業から撤退したケースがあります。こうした企業では、撤退後の保守スキームが十分に構築されないまま設備だけが残り、ユーザーが取り残されるという状況が生まれます。長年にわたって稼働し続けてきた設備であっても、製造元に問い合わせる先がなくなっているケースも少なくありません。

いずれのケースも、ユーザーには「いつの間にか保守の引き継ぎ先が変わっていた」「気づいたら相談できる会社がなくなっていた」という形で表面化します。こうした背景を持つ設備こそ、メーカーに依存しない独立系のエンジニアリング会社への相談が有効です。

「全面更新しかない」と感じてしまう4つの壁

保守終了の通知を受けた企業が、提案どおりに全面更新を選んでしまいがちなのには理由があります。以下の4つの壁が、判断を歪めることがあります。

  1. 費用の壁:設備一式を総入れ替えとなると、数億円規模の投資が突然発生します。準備ができていない段階での大型支出は、事業計画全体に影響します
  2. 工期・業務停止の壁:大規模な設備更新には長期間の工事が伴い、稼働中の倉庫を止めることへのリスクが非常に高くなります。繁忙期や出荷ピークを避けての工事は、スケジュール調整も困難です
  3. 選択肢の少なさ:通告してきたメーカーからは自社製品への切り替えしか提案されないため、他の選択肢が見えなくなります。「これしかない」という閉塞感が判断力を狭めます
  4. 社内説明の壁:設備担当者にとって最も苦しいのが、経営層・役員への説明です。「本当にこの数億円の投資が今必要なのか」という問いに答えられないまま、稟議を出すことを求められる状況に追い込まれます

自動倉庫の更新費用の目安と、稟議を通すための考え方については以下の記事もご参照ください。

自動倉庫の更新費用は本当に必要か|全面更新と部分更新の費用・判断基準を比較 →

保守終了通知を受けたら、やってはいけない3つのこと

通知を受けた直後は、焦りから判断を急いでしまうことがあります。しかし次の3つは、後悔につながりやすい行動です。

  1. その場で更新計画を決めてしまう:通告と同時に提案される見積もりをそのまま受け入れてしまうケースがあります。後から第三者診断を入れたところ「機械系はまだ十分に使える状態だった」と判明し、不要な全面更新を後悔する事例は実際に起きています
  2. 1社の提案だけで判断する:通告してきた会社の見積もりが唯一の選択肢ではありません。同じ設備を別の視点から診断することで、まったく異なる提案が得られることがあります
  3. 設備の現状診断をしないまま投資を決める:設備の機械系・制御系・駆動系がそれぞれどのような状態にあるかを確認しないまま「全部替える」という決定をするのは、最も避けたい判断です。診断をすることで「本当に更新が必要な箇所」と「まだ使える箇所」が明確になります

実は存在する「第三の選択肢」

保守終了通知を受けても、設備を一式入れ替えずに継続稼働を実現した企業は少なくありません。「全部替えるか、諦めるか」の二択ではなく、設備の状態に応じた部分的な対応で延命するという選択肢があります。どのアプローチが適切かは設備の状態によって変わりますが、大きく3つのケースに分かれます。

  • 制御更新になるケース:PLC・制御盤・制御PCなど制御系の老朽化が主因の場合。制御部分だけを刷新することで、機械系の資産を活かしたまま延命が可能です
  • 駆動系・機械系リニューアルになるケース:モーター・減速機・チェーン・ベルトなど駆動部品の摩耗や劣化が原因の場合。駆動系は消耗品的な性格を持ち、適切なタイミングで更新することで設備全体の寿命を大幅に延ばすことができます。APTでは駆動系の更新・リニューアルにも対応しており、設備を構成する機械的要素を幅広くカバーできることが強みのひとつです
  • 第三者保守への切り替えで済むケース:機械系・制御系ともに状態が良く、保守会社を変えるだけで継続できる場合。メーカー以外の独立系業者に切り替えることで、保守費用を抑えながら稼働を継続できます

APTの実績

現在保守を担当している大手メーカーから保守終了通告を受けたお客様からのご相談により、コマツ製・KITO製の自動倉庫についても、設備一式の総入れ替えではなく、制御系・駆動系を含む自動倉庫リニューアルによって継続稼働を実現した実績があります。なお、対応可否は設備の状態によって異なります。

自動倉庫リニューアルの導入事例・実績資料をご覧ください

実際にどのような設備を、どのような方法で延命したか。事例を資料でご確認いただけます。

事例・実績資料をダウンロードする

設備一式の総入れ替えと自動倉庫リニューアル、何が違う?

費用・工期・業務停止リスクの面で、両者には大きな差があります。どちらを選ぶべきかの判断基準や具体的な費用の目安については、以下の記事で詳しく解説しています。

延命できるか判断するための3つの材料

「延命できるかどうか」は、設備を診断してみないと分からない部分も多くあります。ただし、事前に以下の3項目を確認しておくことで、診断の精度と判断のスピードが上がります。

確認項目 見るポイント
制御系 PLC・サーボ・制御PCの状態と部品調達可否
駆動系 モーター・減速機・チェーン・ベルト類の摩耗状況と交換部品の調達可否
機械系 ラック・クレーン・搬送部の劣化・変形状況

自社だけで判断するのが難しい場合は、第三者による現状診断を入れることで、客観的な判断材料が揃います。

延命可否を確認するための設備チェックリスト(無料)

現状診断の前に、自社で確認しておける項目をまとめたチェックリストを無料でご提供しています。

チェックリストをダウンロードする

よくある質問

Q. 保守終了になったら必ず設備を止めなければいけませんか?
いいえ。保守終了は、その会社が保守対応を終了するという意味であり、設備が直ちに使用できなくなることを意味するものではありません。その後の対応(保守会社の切り替えや部分更新など)を検討する時間はあります。

Q. 他社でも保守できますか?
設備の種類や状態によります。第三者保守や制御更新・駆動系リニューアルで対応できるケースがあります。まずは現状を確認することをおすすめします。

Q. 保守終了通知が来たら、まず何をすればいいですか?
設備の現状を確認し、設備一式の総入れ替えが本当に必要かどうかを第三者も含めて検討することをおすすめします。通告を受けてすぐに決断する必要はありません。

Q. コマツ製・KITO製の設備でも対応できますか?
はい。APTではコマツ製・KITO製の自動倉庫についても対応実績があります。設備の状態によって対応可否は異なりますが、まずはご相談ください。

Q. 制御系だけでなく、駆動系や機械的な部分の更新も依頼できますか?
はい。APTでは制御系の更新に加え、モーター・減速機・チェーン・ベルトなどの駆動系、さらにクレーンや搬送部など機械系の更新・リニューアルにも対応しています。設備を構成するさまざまな要素を幅広くカバーできることが強みです。

その他のよくあるご質問はこちら →

まとめ

保守終了通知は「設備寿命の宣告」ではありません。

  • 本当に設備を全部入れ替える必要があるのか
  • 制御系・駆動系・機械系のどこが問題なのか
  • あと何年使えるのか

これらを整理してから投資判断しても、遅くはありません。まずは現状を客観的に把握することから始めてみませんか。

保守終了通知を受けた設備について、まずAPTにご相談ください

・あと何年使える可能性があるのか

・設備一式の総入れ替えが本当に必要なのか

・自動倉庫リニューアルで対応できるのか

まずは現状を無料でお聞かせください

お役立ち情報一覧

この記事の筆者

株式会社APT

株式会社APT

世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。

本社住所 : 千葉県千葉市美浜区中瀬1-3 幕張テクノガーデンB棟 22F

設立 : 2009年8月(創業:1984年10月)

建設業許可 : 機械器具設置工事業