莫大な費用をかけても、自動倉庫システムを導入する意味と費用相場

昨今の物流業界では、業務効率を上げるためさまざまな施策に取り組む企業が増加しています。なかでも、倉庫内業務を効率化する取り組みとして自動倉庫システムの導入が注目されているため、費用相場が知りたいという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、莫大な費用をかけても自動倉庫システムを導入する意味を解説すると共に、導入に当たっての大まかな価格・費用相場について紹介します。自動倉庫システムを導入を検討している企業は、ぜひ参考にしてみてください。

APTの倉庫コンサルティングサービスはこちら

自動倉庫システムとは？

自動倉庫システムとは、コンピューター制御によって商品の保管や入出庫を自動化する仕組みの設備です。保管設備、スタッカークレーン、制御装置、在庫管理システムによって構成されており、倉庫内における業務のオペレーションを自動化させることができます。

なお、自動倉庫システムを導入する際には、既存の倉庫環境に合わせてシステムを構築する必要があります。導入環境や規模によって価格相場も大きく変動するため、長期的なROIを計算して検討することが重要です。

莫大な費用をかけても自動倉庫システムを導入する意味

一般的な保管ラックやマテハン機器とは違い、自動倉庫システムは大規模なシステム構築が必要なため導入費用も非常に高額です。そのため、導入する可否決定に悩んでいるケースも多いのではないでしょうか。

そこでここからは、莫大な費用をかけても自動倉庫システムを導入する意味について紹介します。

業務の効率化と生産性向上

自動倉庫システムを導入する際には、初期投資額が通常の設備と比較して高額な傾向にあります。しかし、中長期的な視点で見た場合、業務の効率化や生産性の向上によって企業の競争力を上げることができます。

例えば、自動倉庫システムは業務の自動化によって作業効率が大幅に効率化できます。これにより人件費も削減できるほか、24時間体制で稼働を行えば生産性も大幅に向上するでしょう。

人が作業する場合、労働時間などのさまざまな制約が出てしまいますが、機械化されることで生産性も向上できます。その結果、従来よりも出荷速度や対応力が増すため、顧客ニーズに臨機応変に対応する能力が高まります。

このような倉庫内業務の効率化や生産性の向上は、企業の業績を向上させる要因ともなります。そのため、初期投資を上回る恩恵が期待できる可能性が高いというわけです。

空間効率の最適化

導入費用が高額な自動倉庫システムですが、空間効率を最適化できるメリットがあります。一般的な倉庫管理では、作業員が荷物を取り出すため保管設備を高層化させることができません。

しかし、自動倉庫システムはスタッカークレーンを用いて荷物を取り出せるため、保管スペースも高層化させることができます。天井などのデッドスペースも保管場所として活用できるので、空間効率を最大化させることが可能です。

また、従来の保管設備のように手動で取り出す場合、フォークリフトなどの通路スペースも必要になります。しかし、自動倉庫システムでは通路スペースも削減することができるので、保管効率が大幅に向上します。

このように、自動倉庫システムは同じ保管面積にもかかわらず、空間効率を最適化させることができます。これは限られた面積の倉庫運営において、非常に優位性の高い運用が可能になるということです。

業務精度の向上

莫大な費用を掛けても自動倉庫システムを導入するべき理由の一つに、業務制度が大幅に向上するという点が挙げられます。スタッフを活用した倉庫運営では、能力値や経験、コンディションによっても業務品質にバラツキが生じます。

このような人為的ミスの発生は熟練スタッフでも起きる可能性があるため、避けては通れない問題ともいえます。しかし、自動倉庫システムを導入した場合、人が作業している業務プロセスを自動化できます。

入出庫もスタッカークレーンによって高速に行えるほか、システムによって正確な在庫の追跡や商品の位置情報を管理することができます。従来の手作業よりも出荷ミスを削減できるため、顧客満足度も大幅に向上するでしょう。

自動倉庫システムによる運用は業務制度が大幅に向上するため、供給過剰や在庫切れリスクを低下させることにも繋がります。

安全性の向上

倉庫運営に自動倉庫システムを導入することで、従来よりも安全性が向上するメリットがあります。人を使ったオペレーションでは、重量物の搬送や高所作業、フォークリフトとの接触リスクといったさまざまな危険要素が存在します。

場合によっては従業員が負傷してしまうケースや、取扱商品の破損・損傷といったトラブルも発生するでしょう。このような事故は企業にとって信頼性が毀損する可能性もあるので、大きな問題として捉えなければなりません。

一方、自動倉庫システムによる運用をした場合、人が行っていた作業の大半を自動化させることができます。コンピューター制御によって動作するため、人が介入することなく業務プロセスの大半をこなすことが可能です。

非常に高い精度で倉庫内業務を行うことができるので、事故のリスクを大幅に低下できるメリットがあります。定期的なメンテナンスやシステム更新をすることで最適な運用を継続できるため、人が行う業務よりも大幅に安全性は向上するでしょう。

自動倉庫システムの価格・費用相場

自動倉庫システムの導入価格というのは、設置環境や規模、システム構成などによって大きく変動します。

小規模な倉庫であれば、比較的費用を抑えることができます。しかし、大規模な物流施設などは高度な機能を有する自動倉庫システムを導入することが多く、そのシステム構成によって価格相場は高騰するので注意しましょう。

小規模な自動倉庫システムの価格・費用相場：1000万円〜2000万円

自動倉庫システムの導入費用はメーカーによっても変動するため、具体的な価格は・費用を知りたい場合は見積もりを取得して確認することが重要です。

自動倉庫システムは価格相場と投資対効果に注意しよう

自動倉庫システムは業務効率や生産性の向上が期待できる一方で、導入するためには多額の初期投資をしなければなりません。特に導入価格は業者によっても大きく変動するため、どれくらいの価格相場なのか事前に調査することが重要です。

また、導入価格だけに焦点を当てるのではなく、その投資対効果（ROI,Return On Investment）についても正しく評価することが重要です。将来の市場変動なども予測しつつ、長期的な視点で投資の回収期間や利益を見積もりましょう。

自動倉庫システムは、価格相場と投資対効果の両面から検討することで、自社の環境に適した判断をすることができます。

まとめ

自動倉庫システムはコンピューター制御された仕組みのため、倉庫内業務のオペレーションを自動化させることができます。業務の効率化や生産性が大幅に向上するほか、人件費削減効果も期待できるでしょう。

機械化によって自動化できるので、安全性も向上し、人の作業では難しかった天井空間などのデッドスペースも有効活用できる一面があります。一方で、導入価格が高額なほか、費用相場にもバラツキがあるので投資対効果をきちんと算出して検討しましょう。

APTでは、倉庫コンサルティングサービスを提供しております。自動倉庫をはじめとするマテハン機器をご利用されているお客様から、メーカーからの提案・見積が本当に適正なのか、比較できないといったご相談が多く寄せられています。APTは1社1社に合わせた柔軟なご提案をいたしますので、APTのコンサルティングサービスを是非ご利用ください。

関連記事
【物流倉庫の自動化】システムの種類と導入のメリット
ケース自動倉庫とは？種類や特徴についてご紹介
自動倉庫システムの代表的メーカー6選とシステムを紹介