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無人フォークリフト導入のメリットと選び方
少子高齢化や人口減少による労働力不足が問題視されるなか、物流業界で注目されている技術がロボットを活用した『無人化』です。そのため、このような仕組みの導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、荷役機器のフォークリフトを無人化する『無人フォークリフト』に焦点を当てて解説します。基礎知識や仕組み、導入メリットはもちろんのこと、選び方や製造メーカーまで紹介しますので、これから導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
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目次
無人フォークリフトとは?
無人フォークリフトとは、一般的な荷役機器であるフォークリフトの作業を無人で行うことができるロボットのことを指します。別名でAGF(Automated Guided Forklift)とも呼ばれており、システムによる制御やレーダーによる周辺感知で自動走行が可能な機器です。
周囲を感知するセンサーが取り付けられているため、障害物を回避することができます。また、レーザーによって対象物(荷物)を誤差の少ない状態で位置関係を計測します。これらはすべてシステム制御になるため、フォークリフトの積み下ろしや搬送作業を自動化することが可能です。
そのため、AGV(無人搬送機)やAMR(自動搬送ロボット)と同様に、自動化できる仕組みとして非常に注目されているというわけです。
無人フォークリフトの導入メリット
無人フォークリフトを導入した場合のメリットは以下の通りです。
・24時間稼働が可能
・労働力不足の解消
物流業界が抱えている問題についても、無人フォークリフトを導入することで解決できる可能性があります。そのため、ここからは導入メリットの詳細について詳しく解説します。
24時間稼働が可能
通常のフォークリフトでは人が作業するため、稼働率にも限界がありました。一方で、無人フォークリフトは自動化が可能なため、24時間稼働が可能になります。
無人フォークリフトはバッテリーを搭載していますが、バッテリー残量が低下しても急速充電によって電力を補給することができます。そのため、無人フォークリフトを導入することによって、24時間稼働の体制を構築することも可能になるというわけです。
労働力不足の解消
物流業界では労働力不足が指摘されていますが、特にフォークリフトは免許も必要な作業内容となるため、通常のスタッフよりも雇用しにくいと言われています。また、2024年以降には時間外労働に関する法規制が施行されるため、より労働力確保は難しくなると言えるでしょう。
一方で、無人フォークリフトは無人化・省人化を実現できる設備です。そのため、このような労働力不足に起因する各種問題についても、無人フォークリフトを導入することで解決できる可能性があります。
無人フォークリフトの選び方
無人フォークリフトを導入する際には、以下の点に注意して選定してみましょう。
・作業場所の環境
・取り扱う荷物の種類
適切なモデルの無人フォークリフトを選定することで、作業効率・安全性も向上します。そのため、ここからは無人フォークリフトの選定方法について詳しく解説します。
作業場所の環境
無人フォークリフトを選ぶ際には、どのような環境で作業を行うのかを明確にしましょう。たとえば、フォークリフトが行き交うスペースが狭い場所で導入する場合、小回りの利くタイプを選定するべきと言えるでしょう。
また、高層化されている保管スペースの場合、無人フォークリフトがどの高さまで対応しているのかを確認しなければなりません。以上のことからも、無人フォークリフトを導入する際には、想定している作業環境によって最適なモデルを選択することが重要になってきます。
取り扱う荷物の種類
無人フォークリフトを選定する際に重要なポイントは、どのような荷物を取り扱うのかという点です。たとえば、荷物の重さによって無人フォークリフトの荷重能力も変わってくるため、荷重能力で選定することも重要です。
そのほかにも、取り扱う荷物の大きさによって荷重中心の位置も変わってくるため、無人フォークリフトの各モデルを選定するためにはサイズも注意しましょう。
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無人フォークリフトの製造メーカー
無人フォークリフトを販売しているおすすめメーカーは以下の通りです。
・株式会社ロジアスジャパン
・三菱ロジスネクスト株式会社
・株式会社ビジョンナビロボティクスジャパン
・株式会社豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニー
・テクトレ株式会社
メーカー毎に無人フォークリフトのラインナップや特徴が変わります。そのため、ここからは各メーカーの特徴やポイントについて詳しく解説します。
株式会社ロジアスジャパン
株式会社ロジアスジャパンは、物流業務における無人化・省人化機器を販売しているメーカーです。棚搬送ロボットのAGVやコンベヤ式のソーティングロボット、自律走行型の協働搬送ロボット(AMR)なども取りそろえてみます。
なお、同社の無人フォークリフトには最先端のテクノロジーが搭載されています。たとえば、360°立体防護センサーが取り付けられているため、障害物の回避やパレットなどの対象物も正確に把握することが可能です。
製品も積載量が1000kgから2000kgまで対応しているため、さまざまな倉庫の無人化を実現させることができます。
三菱ロジスネクスト株式会社
三菱ロジスネクスト株式会社は、無人フォークリフトを始めとする、自動倉庫システムや無人配送システムなど、無人化機器を製造販売しているメーカーです。
機器の上部に設置されたレーザースキャナーで現在位置を把握するレーザー誘導方式や、AGVで多く採用されている磁気誘導方式の無人フォークリフトがラインナップされています。
なお、障害物バンパーや車両前方には障害物センサーが取り付けられているため、無人走行時の安全性も確保されています。
株式会社ビジョンナビロボティクスジャパン
株式会社ビジョンナビロボティクスジャパンは、世界各国に1500台以上の無人フォークリフトを導入している中国の深圳にあるスタートアップ企業『VisionNav Robotics』の日本法人です。
同社の無人フォークリフトは、作業環境に合わせて8モデルがラインナップがされています。たとえば、小回りもしやすいリーチ型や屋外環境でも利用できるカウンターバランス型、パレット搬送に特化したタイプなどがあります。
最大走行速度は時速5.4kmと処理能力も高く、さまざまなパレット搬送が可能となっています。
株式会社豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニー
株式会社豊田自動織機 トヨタL&Fカンパニーは、フォークリフトを始めとする物流機器を製造販売しているメーカーです。同社の無人フォークリフトには、周辺環境を感知する3D-LiDAというセンサーが取り付けられています。
なお、通常の倉庫で利用できるタイプ以外にも、冷凍冷蔵環境(-25℃~+10℃)で活用できる自動運転フォークリフトなどもラインナップされています。積載重量は1000kgから3000kgの全6機種を設定されているほか、アタッチメントも非常に豊富なため、さまざまな作業環境にも対応しています。
テクトレ株式会社
テクトレ株式会社は、ロボット事業を行っている専業メーカーです。中国の産業用ロボット製造メーカー『Standard Robots』の輸入元の総代理店をしており、AMRや無人フォークリフトの販売を行っています。
可搬重量1400kgのスタンダードタイプや、最大可搬重量が2000kgまで対応しているリーチ式無人フォークリフトもラインナップされています。RFIDの読み取り機能の追加や、WMS(倉庫管理システム)との連携も可能なため、各システムからの指示を実行することもできます。
まとめ
無人フォークリフトは、これまで人が乗って作業をしていたフォークリフト作業を無人化できる産業用ロボットです。無人フォークリフトを導入することによって、24時間稼働の実現や労働力不足を解消できるメリットがあります。
なお、無人フォークリフトを選ぶ際には、作業場所の環境や取り扱う荷物の種類に注意して選定しましょう。また、各メーカー毎に特徴が異なるため、費用対効果も比較しつつ検討するのがおすすめです。
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この記事の筆者
株式会社APT
世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。
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