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「物流作業の効率化」倉庫業務の効率を高めるポイントを解説
物流作業の効率化を図るためには、倉庫内業務の最適化が重要なポイントになります。一方で、業務内容も複雑化している場合、どこから改善を図れば良いのか迷っているというケースも少なくありません。
そこで本記事では、物流業務の改善を図るために必要な『倉庫業務の効率を高めるポイント』を解説します。どのような施策に取り組み、どのように改善するのかを詳しく解説しますので、ぜひ自社の業務における改善策の参考にしてみてください。
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目次
物流作業の効率化を行う8つのポイント
倉庫内の物流作業効率化を図るためには、さまざまな視点から改善をしなければなりません。自社の作業環境で不足しているものに視点を当てつつ、取り組める改善策がないかを確認しましょう。
そこでここからは、倉庫内における物流作業の効率化を行う8つのポイントを紹介します。個別の改善策を詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
倉庫レイアウトの改善
物流作業の効率化を目指す際には、倉庫内を最適なレイアウトにする必要があります。なお、レイアウトを最適化することによるメリットは、以下の通りです。
・ムダな移動を減らせる
・必要のない作業を削減できる
・ヒューマンエラーの防止
このようにレイアウトの最適化というのは、物流作業の効率化で非常に重要なポイントの一つと言えます。なお、効率の良いレイアウトを設計する際には、以下のようなポイントに注意しましょう。
・入荷から出荷までの一連の作業動線
・作業効率と保管効率のバランス
・適度な空きスペースも確保する
一筆書きで移動できるようなレイアウトを目指して、入荷から出荷までの一連の作業動線を意識することが重要です。また、保管効率ばかり上げていくと作業効率が下がってしまう可能性があるため、作業効率と保管効率の両面で考えていきましょう。
なお、繁忙期や新商品の取り扱いなど、急な需要拡大にも対応できるように、適度な空きスペースを確保することも倉庫レイアウトを考える上で重要です。
適切な人員配置を行う
昨今の物流業界では、EC需要の拡大や慢性的な労働力不足が原因となり、作業スタッフを確保するのが難しい傾向にあります。しかし、適切な人員配置を行わずに運用していると、業務を最適化することはできません。
そのため、作業量に応じた人員配置を行ってオペレーションを回すようにしましょう。なお、人員が採用しにくい現状を解決するためには、たとえば以下のような施策を取ることができます。
・女性や高齢者を積極的に雇用する
・労働環境を改善して離職率を下げる
作業スタッフを確保するためには、女性や高齢者を積極的に雇用するのも効果的です。なお、雇用したスタッフも労働環境が悪ければ早期に離職してしまうため、労働環境を改善することも重要です。
たとえば、女性が働きやすいよう社内に託児所を設置したり、時短勤務の採用も非常に効果的な施策と言えるでしょう。
5S活動に取り組む
効率の良い物流作業を目指す場合、もっとも取り組みやすいものが『5S活動』になります。なお、この『5S』とは、主に以下の頭文字を取った活動になります。
・整理
・整頓
・清掃
・清潔
・躾
整理では必要な物と不要な物を分類して、不用品を処分することを指します。なお、整頓については、必要な商品をすぐに取り出せるような倉庫内環境にしていくことが重要になります。
次に清掃になりますが、文字通り倉庫内をきれいな状態で保つため、ゴミの掃除を徹底する作業になります。清潔は、ここまでの整理整頓や清掃を行い綺麗になった状態を保つことを指します。
最後に躾(しつけ)になりますが、これは5S活動のルールを周知徹底させる活動になります。このように5S活動を日々徹底していくことで、物流作業の効率化を目指せるというわけです。
業務マニュアルの作成
倉庫内では人が行う作業が非常に多いため、業務マニュアルを作成して作業品質を標準化することが重要です。業務マニュアルで作業内容が統一されていない場合、スタッフの能力値に依存する属人的な体制となるため注意しましょう。
たとえば、業務マニュアルを作成する際には、以下のような内容をマニュアル化するのが一般的です。
・基本ルール(持ち込める物品・休憩場所・作業時間等)
・禁止事項
・ピッキング作業
・シール貼り
・梱包作業
・検品作業
これらはあくまで一例に過ぎませんが、各工程毎の作業内容を明確にルール化することによって、作業品質は向上して物流作業は効率化できます。そのため、業務マニュアルを作成して作業スタッフに周知徹底を行いましょう。
最適なピッキング方法に変更する
人が行う物流作業のなかでも、ピッキングが占める割合は大きい傾向にあります。そのため、ピッキングの工程を最適化していくという施策は、物流作業の効率化という観点からも非常に重要と言えるでしょう。
なお、ピッキングには主に以下の以下の3通りが存在します。
・シングルピッキング
・トータルピッキング
・マルチピッキング
シングルピッキングとは発送単位でピッキングを行う手法で、別名で摘み取り方式とも呼ばれています。出荷までの作業速度も速く、何かしらのミスが発生してもすぐに調整できるメリットがあります。ただし、移動しながらピッキングするため、オーダーごとに往復しなければならないデメリットがあります。
トータルピッキングとは別名『種まき方式』とも呼ばれており、オーダー別に仕分ける方法になります。主に移動時間を短縮し、複数検品が簡単になると言うメリットがあります。一方で、オーダーと仕分けで工程が分かれるため、工程の増加、スペースの確保が必要といったデメリットがあります。
マルチピッキングとは、複数オーダーのピッキングと仕分けを同時に行う方法になります。シングルピッキングとトータルピッキングを組み合わせた手法で、移動距離を短縮して物流作業を効率化できます。ただし、同時に複数の作業をこなす必要があるため、ヒューマンエラーが発生しやすいデメリットがあります。
このようにピッキングというのはさまざまな方法があるため、自社の作業スペースや取り扱い品目、環境に合わせて最適な手法を選びましょう。
各種保管設備・マテハン機器の活用
物流作業の効率化を目指す際には、人の手作業よりも各種設備の活用が大きなポイントといえます。なかでも、保管設備やマテハン機器の活用は、作業効率が格段に上がる施策と言えるでしょう。
なお、代表的な保管設備やマテハン機器は以下の通りです。
・立体自動倉庫
・移動ラック
・固定ラック
・各種コンベア
・垂直搬送機
・無人搬送ロボット
・フォークリフト
・ソーター
・ピッキングシステム
・ハンディーターミナル
物流倉庫で活躍する設備にはさまざまな種類がありますが、上手に活用することで省力化や無人化、自動化といった物流作業の効率化を図ることが可能です。特に近年では物流業務も複雑化しているため、無人配送ロボットを始めとする自動化の仕組みが普及してきています。
各種システムの活用で効率化を図る
物流業務効率化のカギともいえるのが、在庫管理システムや倉庫管理システムといったシステムの活用です。特に倉庫管理システム(WMS)は倉庫内の管理に特化しているシステムなので、導入メリットは非常に大きいといえます。
たとえば、WMSには以下のような作業工程を管理できる機能が搭載されています。
・入荷
・出荷
・在庫
・棚卸
・帳票作成
・ラベル作成
・返品
WMSを導入することでシステム管理が可能になるため、ヒューマンエラーを防止することができます。また、複雑な作業工程も一元管理できるほか、在庫の状況をリアルタイムで情報共有できるメリットがあります。
WMSは倉庫内の作業をシステム管理で効率化できる仕組みのため、自社のオペレーションに適したタイプを導入しましょう。
適正在庫を保つ
倉庫で保管している商品が過剰在庫の状態では、保管効率の低下や資金繰りにも影響が出てしまいます。反対に在庫不足が発生すると、商品販売の機会損失にもつながってしまうため、適正在庫を保つことは非常に重要です。
適正在庫を保つためには、以下の点に注意しましょう。
・1年を通した平均的な在庫数から算出する
・運用の見直しと共に最適化を行う
在庫というのは閑散期や繁忙期で変動するため、短い期間の在庫数ではなく1年を通した平均的な在庫数から算出しましょう。また、取り扱い品目が変わることもあるので、運用の見直しと共に最適化を図ることが重要です。
なお、これらの適正在庫を保つためには、在庫管理システムの導入が効果的です。緻密な適正在庫を保つためにも、積極的にシステムを活用しましょう。
まとめ
物流作業を効率化させるためには、自社の問題点を可視化して改善する必要があります。なお、倉庫レイアウトの改善や適切な人員配置、5S活動に取り組むことで、物流作業を効率化することが可能です。
5S活動の取り組みやピッキング方法の見直し、マテハン機器の導入も効果的です。その他にも、システムの活用で適正在庫を保つことで、より物流作業を効率化させることができるでしょう。
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この記事の筆者
株式会社APT
世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。
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