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不良在庫とは?減らす方法とメリットを解説!

不良在庫を減らす方法

企業の経営において「在庫管理」は非常に重要な要素ですが、適切に管理しなければ「不良在庫」が発生し利益を圧迫する原因になります。この不良在庫が増えると、倉庫スペースを圧迫するだけでなく、管理コストの増加やキャッシュフローの悪化を引き起こし、企業の成長を妨げる可能性があるので注意が必要です。

そこで本記事では、不良在庫の定義や発生する原因を詳しく解説するとともに、在庫を適正に管理し無駄を減らす方法について紹介します。不良在庫を減らすことで得られるメリットについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

不良在庫とは?

不良在庫とは、企業の倉庫や販売拠点に長期間滞留し売れ残っている在庫のことを指します。本来、在庫は適切に管理され必要なときに販売されるべきものですが、この不良在庫が増えると企業の経営を圧迫し、資金繰りや倉庫スペースに無駄を生じさせる原因となります。

例えば、不良在庫には以下のような種類があります。

・過剰生産した商品

・需要がなくなった商品

・品質劣化の商品

・初期不良品

これらの不良在庫は販売の見込みが低く、経済的損失につながる可能性が高いため、適切な管理と処分が必要となります。

不良在庫を減らす方法

不良在庫が増えると、倉庫スペースを圧迫し管理コストが増大するだけでなく、企業の資金繰りにも悪影響を及ぼします。そのため、在庫管理を最適化し、不良在庫の発生を未然に防ぐことが重要です。

そこでここからは、需要予測の精度向上、適正在庫の維持、在庫回転率の向上、不良在庫の早期処分といった実践的な対策を詳しく解説します。

需要予測精度の向上

不良在庫を防ぐためには、まず需要予測の精度を向上させることが重要です。需要予測が適切に行われることで、適切な量の在庫を確保し過剰な仕入れを防ぐことができます。

・過去の販売データの活用

・AIとデータ分析ツールの活用

POSデータ(販売時点情報管理)や販売履歴を分析して商品の売れ行きを把握したり、季節やトレンドの変化に対応し仕入れの適正化を図ることが効果的です。また、需要予測システムを導入し、市場の動向をリアルタイムで分析することで精度の高い需要予測を行うことができます。

適正在庫を維持

適正在庫を維持するには、定期発注と定量発注を使い分けることが重要です。需要が安定している商品には定期発注を活用し、変動が大きい商品には定量発注を適用することで、無駄な在庫を減らせます。

また、製造リードタイムを短縮することで、必要な在庫を迅速に補充し過剰な在庫を抱えずに済みます。なお、在庫管理システムを導入することで、リアルタイムで在庫状況を把握して適切な発注判断が可能になります。これらの方法を組み合わせることで、過不足のない効率的な在庫管理が実現できます。

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在庫回転率の向上

在庫回転率を高めることで商品が長期間滞留するのを防げるため、不良在庫の発生を抑えられます。例えば、自社の在庫回転率を定期的に把握し、適正な目標を設定することが重要です。

また、販売価格の見直しを行い、低回転の商品は割引やキャンペーンを活用して早期販売を促進しましょう。その他にも、在庫管理システムの導入で在庫状況をリアルタイムで把握し、適正な仕入れや販売戦略を立てることも重要です。

不良在庫の早期処分

不良在庫を長期間抱えるとコストが増大するため、早めの処分が重要です。そのため、以下のような方法を活用して早期処分を実施しましょう。

・売り切る

・廃棄する

・買取業者に依頼する

例えば、アウトレット販売や割引セールを活用し、在庫をスムーズに現金化しましょう。ただし、賞味期限や消費期限のある食品など、廃棄せざるを得ないケースがあるため、そのような場合は廃棄場所のルールに従って適切に処理します。

その他にも、買取業者やリサイクル市場を利用することで、迅速に処分する方法もあります。

不良在庫を減らすメリット

不良在庫を減らすメリット

不良在庫を減らすことは、単に倉庫のスペースを空けるだけでなく、企業のコスト削減や経営の健全化にも大きく貢献します。不要な在庫を適切に管理・処分することで、倉庫スペースの有効活用や管理コストの削減が可能となり、結果としてキャッシュフローの改善につながります。

そこでここからは、不良在庫を削減することで得られる具体的なメリットについて詳しく解説していきます。

倉庫スペースの有効活用

不良在庫が増えると倉庫スペースを圧迫していくため、新しい商品の管理が難しくなります。一方で、適正在庫を維持することで保管レイアウトの最適化や作業効率の向上が可能にもなります。

また、スペースに余裕が生まれると入出庫作業がスムーズになるので、作業効率の改善にもつながります。このように、保管スペースの適正化を実現させることで、既存スペースの有効活用と作業効率の改善が可能になります。

管理コストの削減

不良在庫が増えると保管コストや人件費、光熱費などが増加するため、企業の利益を圧迫する可能性があります。一方で、定期的な棚卸しや在庫分析を行い、適正在庫を維持することで、無駄な管理コストを削減できます。

また、在庫管理システムを導入することで、手作業による在庫確認の負担を軽減し、業務の効率化が可能になります。なお、倉庫のスペース最適化と併せて不要な在庫を削減することで、よりスリムな物流体制を実現させることができます。

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キャッシュフローの改善

不良在庫を削減することで、資金の流動性を向上させることができます。不要な在庫に資金を縛られず仕入れや新規事業への投資に回せるため、経営の柔軟性を向上させることができます。

また、適正在庫を維持することで、余剰在庫の処分による損失リスクを低減できるため、安定した財務基盤を築けるメリットもあります。このように不良在庫を減らすことでキャッシュフローを改善し、資金繰りを最適化できる側面があります。

節税効果

不良在庫を適切に処分することで、税務上の損金算入が可能になるので、節税対策としても有効です。企業は在庫を棚卸資産として計上し、期末の在庫量に応じて課税額が決まります。

不良在庫を抱えたままにすると、売れていない商品にも税金がかかり、結果的に税負担が増加します。一方、不良在庫を処分することで棚卸資産が減少するため、売上原価が増加します。これにより、利益が減少し結果的に課税所得が減るため、節税効果が期待できるメリットがあります。

融資を受けやすくなる

不良在庫を減らし適正な在庫管理を行うことで、企業の財務状況が健全化して金融機関からの融資を受けやすくなります。銀行や金融機関は、融資審査の際に企業の財務状況を重視します。

不良在庫が多いと資金が在庫に固定され、キャッシュフローが悪化していると判断されるため、融資の審査が厳しくなる可能性があります。一方で、適正在庫を維持し、在庫回転率を高めることで、資金効率が良い企業と評価され信用力が向上します。これにより、融資の承認率が上がり、より有利な条件での資金調達が可能になる可能性があります。

まとめ

不良在庫は企業の利益を圧迫し、倉庫スペースや管理コストの増加、キャッシュフローの悪化を招く要因となります。そのため、適正在庫の維持や在庫回転率の向上、早期処分などの対策を実施して不良在庫をなくすことが重要です。

なお、不良在庫を削減することで、管理コストの削減や融資の受けやすさといったメリットも得られます。節税対策としても有効なので、適切な在庫管理を徹底し、健全な経営を目指しましょう。

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この記事の筆者

株式会社APT

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世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。