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製造業でのムダ取りの改善方法やおすすめのシステムを紹介

製造業でのムダ取りの改善方法やおすすめのシステム

製造業においてムダ取りは、現場の生産性向上やコスト削減を図るうえで欠かせない要素です。しかし、ムダと一口に言ってもその内容は多岐にわたり、作りすぎや動作のムダ、在庫のムダなど、現場ではさまざまな非効率が潜んでいます。

そこで本記事では、製造現場で発生する代表的なムダの種類を解説したうえで、取り組むべき具体的な改善方法も紹介します。また、ムダの見える化や工程管理に役立つおすすめのシステムもあわせて解説しますので、ムダを減らし、利益体質の強い現場づくりを目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。

製造業で発生するムダ取りとは?

製造現場では、日々の作業の中に多くの「ムダ」が潜んでいます。これらのムダを放置すると、作業効率の低下や品質トラブル、コスト増加などさまざまな問題を引き起こすため注意が必要です。

そこでここからは、製造業におけるムダ取りの基本的な考え方と、なぜ今ムダ取りがこれほどまでに重要視されているのかを解説します。

ムダ取りの目的と重要性

ムダ取りの最大の目的は、生産性の向上とコスト削減です。製造業では、目に見えない非効率が工程の中に多く潜んでおり、それらを放置すると品質の低下や納期遅延につながる可能性があります。

このムダを排除することで現場の作業はスムーズになり、作業者の負担も軽減されるため、結果として企業全体の競争力が高まります。また、少子高齢化による人手不足が深刻化する中で、省力化や効率化は喫緊の課題です。ムダ取りは一度きりの改善ではなく、継続的な見直しと改善の方法として根づかせることが重要です。

製造業で発生する「7つのムダ」

製造現場で発生するムダは、大きく以下の7つに分類されます。

・作りすぎのムダ

・手待ちのムダ

・運搬のムダ

・加工のムダ

・在庫のムダ

・動作のムダ

・不良、手直しのムダ

作りすぎのムダは需要以上の生産で在庫や廃棄を増やし、手待ちのムダは資材や指示を待つ時間のロスが生じます。運搬のムダは不必要な移動による時間と労力の浪費で、加工のムダは過剰な工程や精度による非効率を生む要因です。

また、在庫のムダは余剰品によるスペースと資金の拘束、動作のムダは探す・取るなどの不要な動き、不良・手直しのムダは品質問題による再作業が該当します。これらのムダを可視化し根本から改善することが、現場力の強化につながります。

製造業でのムダ取りの改善方法

製造業でのムダ取りの改善方法

ムダの種類が分かったとしても、それをどうやって現場で減らしていくのかは、また別の課題です。現場の声を反映させる方法やマニュアル整備、自動化や物流システムの導入など、課題に応じた施策に取り組むことが大切です。

そこでここからは、製造現場で実際に取り入れやすいムダ取りの改善手法について詳しく解説していきます。

現場の意見を取り入れる

ムダ取りを進める上で最も重要なのが、現場で作業を行う従業員の声を取り入れることです。実際に作業している人ほど、日々の業務の中で感じる不便やムダに気づいていることが多いです。

改善提案制度や定期的な意見交換会を設けることで、小さな気づきが大きな改善につながることも少なくありません。トップダウンだけでなく、ボトムアップの視点を取り入れることが、生産性を向上させるためにも大切です。

マニュアルやチェックリストを整備する

作業の標準化は、ムダを防ぐ基本の一つです。現場での作業が人によってバラついていると、ミスや手直し、不必要な確認作業などが発生します。これを防ぐためには、標準作業マニュアルやチェックリストの整備が必要です。

誰が作業しても一定の品質を保てるようになれば、再作業のムダも減少し、生産効率も向上します。また、マニュアルは教育ツールとしても機能するため、新人の立ち上がりを早める効果もあります。

間締めを行う

間締め(あいじめ)とは、工程の途中で品質や進捗を確認し、異常がないかをチェックする活動です。これにより、最終工程まで不具合を見逃すことなく、早期の段階で不良や問題を検出することが可能になります。

結果として、後戻り作業や再加工といったムダを大きく削減できます。特に多品種少量生産の現場では、段取り替えの頻度が高くなるため、間締めの導入はトラブル予防と安定生産に大きく貢献する取り組みといえるでしょう。

5S活動を徹底する

5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)は、ムダ取りの基本であり、すべての改善活動の土台となる取り組みです。製造の現場が乱雑だと、物を探す時間や不要な動作が増え、トラブルの原因にもなります。

一方、5Sを徹底することで作業効率の向上やミスの低減、安全性の確保など多くのメリットが得られます。日々のルーチンとして定着させるには、チェックリストの活用や月次の5S点検といった仕組み化が欠かせません。

設備の自動化・省力化を導入する

単純作業や重作業を人手で行っている場合、それ自体がムダの温床となることがあります。こうした業務は、自動化設備や省力化機器に置き換えることで、生産性の向上と作業者の負担軽減を同時に実現できます。

例えば、搬送装置やピッキングロボット、組立支援ツールなどが挙げられます。また、IoT技術を活用することで、稼働状況や異常検知をリアルタイムで把握でき、設備保全の効率化にもつながります。初期投資は必要ですが、長期的には大きなコスト削減効果が見込めます。

倉庫内作業の自動化におすすめのシステム

物流システムを導入する

​​製造現場では、部品の搬送や在庫管理といった物流の効率化もムダ取りには欠かせません。手作業によるピッキングや紙ベースでの在庫管理というのは、人的ミスや手待ちの原因となります。

例えば、WMS(倉庫管理システム)を導入することで、在庫の正確な把握や入出庫の効率化が実現できます。また、AGV(無人搬送車)やRFIDを組み合わせることで、さらなる省人化や作業のスピードアップが期待できます。

コンサルティングサービスを活用する

自社内の改善活動が頭打ちになったと感じたら、第三者である専門コンサルタントの力を借りるのも有効です。製造業に特化したコンサルティング会社は、業種や工程ごとに適した改善手法や実績を持っており、自社だけでは気づきにくいムダやボトルネックの発見をサポートしてくれます。

短期間で成果を求めたい場合や、新しい仕組みを導入したいが方法がわからないといった悩みにも対応してくれます。自社の課題を解決できるコンサルティングを受けることで、持続的な改善につながるでしょう。

APTの倉庫コンサルティングサービス

製造業でのムダ取りでおすすめのシステム

APTでは、倉庫全体の運用やマテハン機器の管理を担う物流システムの開発を行っています。メーカーに依存していないため、倉庫管理から異なるメーカーの設備も一元管理して無駄を省くことができます。

例えば、保管設備向けのWCS(倉庫制御システム)や、倉庫内作業を管理できるWMS(倉庫管理システム)など、課題や目的に応じた物流システムを導入することができます。国内外問わずさまざまな機器とのシステム連携が可能なので、ぜひご活用ください。

APTの物流システム開発ソリューション

まとめ

製造業におけるムダ取りは、現場の生産性向上やコスト削減、品質安定のために欠かせない取り組みです。トヨタ生産方式で提唱される「7つのムダ」を基に、それぞれの現場で発生している非効率を見える化し、改善を積み重ねることが重要です。

現場の声を反映した改善や、マニュアル整備、5S活動の徹底に加え、設備の自動化や物流システムの導入など、より継続的で効果的なムダ削減を実現させましょう。

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この記事の筆者

株式会社APT

株式会社APT

世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。