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物流DXは物流業界の抱える課題を解決できるか?導入事例を交えて解説
人口減少による慢性的な人材不足や、ネット通販の拡大による物流業務の多様化など、物流業界はさまざまな課題に直面しています。そこで近年では、デジタル技術を活用した業務効率の改善に有効な方法として、DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されています。
そこで本記事では、物流業界の課題解決に効果的なDXについて解説します。また、導入事例を交えて解説しますので、物流DXの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
物流DXとは?
DXとは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略語です。もともとはスウェーデンのウメオ大学教授「エリック・ストルターマン」が論文で提唱した概念で「デジタル技術を活用してより良い生活に変革をする」という考え方になります。
物流業界におけるDXは「物流DX」とも呼ばれています。日本国内でも2018年には経済産業省が「DX推進ガイドライン」を取りまとめており、近年では積極的にDX推進がされています。
物流業界の抱える課題について
顧客ニーズや社会情勢の変化によって、近年の物流業界はさまざまな課題を抱えています。なお、課題を解決をするためには、まずどのような問題に直面しているのかを把握しなければなりません。
そこでここからは、現状で物流業界が抱えている代表的な課題について解説します。
小口配送の増加
近年では、インターネットの普及とともにネット通販の需要が増加しており、EC市場規模が拡大しています。いわゆる個人ユーザー向け「少量多品種」の小口配送が増加している傾向にあります。
これによって配送環境も複雑化しており、再配達の増加など多くの問題も生じています。小口配送の増加は、従来よりも業務効率が低下してしまう傾向にあるため、物流業界でも問題視されている原因のひとつといえるでしょう。
慢性的な労働力不足
物流業界では、慢性的な人材不足が問題視されています。超少子高齢化による物理的な労働人口が減少しているのも大きな要因です。一方で小口配送による取り扱い量の増加によって、ドライバーや倉庫内の仕分けスタッフなども不足しており、十分な人材確保ができていない企業も多いでしょう。
また、高齢化しているドライバーなども将来的には退職するフェーズが来るため、さらに労働力不足が深刻化してしまうことが大きな懸念点といえます。
作業員の負担増加
小口配送の増加を背景として、宅配便の取扱個数は年々増加傾向にあります。また、個人宅への配送で不在の場合は再配達をしなければならないため、通常配達以外で対応する業務も増えてしまいます。
また、物流業界では、低賃金長時間労働という環境下になりやすい傾向にあります。そのため、新規の人材確保も難しく、既存スタッフの負担増加につながっているケースが多いといえます。
物流DXの具体的な取り組み方法
さまざまな課題を抱えている物流業界では、DXの取り組みによる業務改善が期待されています。しかし、ひとくちに物流DXといっても多様な取り組みがあるため、具体例が知りたいという方も多いのではないでしょうか。
そこでここからは、物流DXの代表的な取り組みについて紹介します。
物流業務の自動化
AIの普及や制御技術の発展によって、物流業務の各作業工程を自動化できます。例えば、物流倉庫内の商品移動を自動化できる「自動搬送ロボット」などを導入することによって、これまで人が行っていた単純作業をロボットに任せることが可能です。
また、ピッキングや梱包作業なども機械による自動化が可能なため、人員削減はもちろんのこと、ヒューマンエラーの削減による業務品質の向上にもつながるでしょう。
自動搬送ロボット(AMR)についてはこちらの記事でご紹介しています。
AMRとは?AGV・GTPとの違いについて解説
配送管理システム(TMS)
TMSとは「Transport Management System」の略称で「配送管理システム」とも呼ばれています。商品の出荷から顧客の元に届くまで、一連の配送プロセスを管理するためのシステムです。
配送のステータスをリアルタイムで確認できる以外にも、ドライバーに対する配送の指示や配送先に発送通知も可能なため、配送業務を効率化できます。
倉庫管理システム(WMS)
WMSとは「Warehouse Management System」の略称で「倉庫管理システム」とも呼ばれています。主に倉庫内作業における、入荷・保管・出荷・仕分け・在庫管理などを一括管理するためのシステムです。
また、帳票の作成やラベル発行、商品の返品管理などもできるため、アナログ式で管理していく方法よりも格段に効率化を図れます。
WMSについてはこちらの記事でご紹介しています。
WMSとは ?基幹システムとの違いやメリットを紹介
物流DXの導入事例
経済産業省でもデジタル技術を活用した変革のDX化を推進していますが、具体的にどのような導入事例があるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこでここからは、経済産業省が発表した「DX銘柄2021」に掲載された取り組み事例を元に紹介します。
SGホールディングス株式会社
SGホールディングス株式会社は、配送大手の佐川急便グループの純粋持株会社です。同社ではDX化を促進しており、手書き伝票などアナログで管理している工程をデジタル化しています。
また、デジタル化によってAIを活用した配送ルートの最適化や不在、再配達希望などの事前把握が可能になっています。そのため、ドライバーの業務効率向上はもちろんのこと、ユーザの利便性も大幅に向上させています。
なお、同社ではTMSプラットフォームを構築しています。これにより、荷物とドライバーのマッチング率を把握できるようになっているほか、協力会社の稼働率を可視化するなど、TMS強化を図っています。
ヤマトホールディングス株式会社
大手宅配業者のヤマトホールディングス株式会社では、宅急便のDX化によって事業改革をしています。EC利用者とEC事業者、配送事業者のすべてをリアルタイムのデジタルデータで繋いでおり、利便性・安全性・効率性を徹底させた配送サービスのEAZYを提供しています。
DX化によってリアルタイムコミュニケーションが可能となっており、置き配などの非対面による受け取りや受け取り場所の変更、配達完了の即時通知などを実現しています。また、パートナーとの連携によって、配送ネットワークの構築や最寄り店舗での商品受け取りができる機能なども提供しています。
まとめ
さまざまな課題を抱える物流業界ではあるものの、物流DXを促進することによって多くの課題を解決できる糸口にもなるでしょう。なお、ひとくちに物流DXといっても、多様な取り組み方法があります。
自社の業務効率はもちろんのこと、ユーザのニーズに対応した取り組みを行うことで企業価値も向上します。そのため、他社の導入事例などを参考にしつつ、最適な物流DXを推進しましょう。
APTでは、倉庫業務の効率を上げるためお客様それぞれに最適な設備をご提案いたします。
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この記事の筆者
株式会社APT
世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。
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