冷凍自動倉庫とは?食品の物流で導入するメリットと効果

インターネット通販の需要が拡大する昨今、冷凍食品を利用するユーザーも増加している傾向にあります。このような背景からも、食品物流は効率化を求められているため、冷凍自動倉庫の需要も高まりつつあります。

そこでこの記事では、冷凍自動倉庫とは何なのかを解説するとともに、導入した場合のメリットについても詳しく解説します。また、実際に冷凍自動倉庫を導入した事例や製造メーカーについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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冷凍自動倉庫とは?

冷凍自動倉庫とは、マイナス20℃を下回る冷凍環境にも対応している立体自動倉庫のことを指します。一般的な物流倉庫とは違って、過酷な労働環境下における冷凍庫内で効率的な保管や正確な荷さばきをすることが可能です。

なお、冷凍自動倉庫には多品種小ロットに対応できる『ケース型』や、重量物の保管にも適している『パレット型』などが存在します。そのため、保管する荷物や環境に合わせた自動倉庫を導入することができます。

冷凍自動倉庫のメリット

食品流通で活躍する冷凍自動倉庫には、以下のようなメリットがあります。

・過酷な労働環境の改善
・高層化によるデッドスペースの活用
・自動化による生産性の向上

営業冷凍倉庫や冷凍食品工場において、冷凍自動倉庫を導入することには大きなメリットがあります。そこでここからは、各メリットの詳しい内容について解説します。

過酷な労働環境の改善

一般的な物流倉庫とは違い、冷凍倉庫や冷凍食品工場での商品保管は過酷な労働環境になるケースが多い傾向にあります。たとえば、通常の冷凍倉庫ではマイナス20℃以下になるなど、作業員が労働する環境としては過酷と言わざるを得ません。

一方で、冷凍自動倉庫を導入することで、このような過酷な労働環境の作業を自動化することが可能です。そのため、労働環境の改善はもちろんのこと、省人化による経営基盤の強化もできるメリットがあります。

高層化によるデッドスペースの活用

冷凍自動倉庫は高層化が可能なため、デッドスペースになりがちな天井空間なども活用することができます。なお、高層化による恩恵は以下の通りです。

・スペースの有効活用
・商品の保管量アップ
・格納効率の改善

スペースを有効活用できるので、商品を保管できる量も増加します。そのため、従来よりも格納効率を改善できるメリットがあります。同じスペースでこれだけの改善を図ることができるため、コスト削減による経営改善が可能です。

自動化による生産性の向上

冷凍倉庫内で人が作業する場合、労働環境も過酷なため生産性には限界があります。一方で、冷凍自動倉庫を導入した場合は作業を自動化できるため、生産性を大幅に向上させることが可能です。

また、労働環境に依存することもなくなるので、24時間体制の構築など生産性をコントロールすることもできます。また、ケース型を採用することで、多品種小ロットの商品も素早い入出庫が可能になります。

冷凍自動倉庫で導入効果が上がった事例


冷凍自動倉庫の導入を検討している場合、どのような導入効果が見込まれるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。このような場合、導入事例を参考にするのがおすすめです。

そこでここからは、冷凍自動倉庫を導入して効果が上がった事例をピックアップして紹介します。

柔軟な生産体制の確立

年間で100点以上の商品開発を行っている企業にて、冷凍自動倉庫を導入した事例。数多くの商品開発を行っているため、多品種の生産と物流を構築するのが大きな課題の一つでした。

そこで冷凍自動倉庫を導入した結果、24時間体制での操業を実現しています。これにより、大量生産が可能になったほか、多品種小ロットの生産にも対応できるようになり、よりフレキシブルな生産体制の確立を実現しています。

過酷な労働環境を無人化

-30℃という過酷な労働環境を改善するため、冷凍自動倉庫を導入した事例。-30℃の中で作業スタッフが搬送作業を行っていたため、これらの作業を無人化することが課題として挙げられていました。

そのため、無人化を実現させる施策として冷凍自動倉庫を導入しました。その結果、零下で人が作業することがなくなり、完全無人化を実現しています。また、システム制御の搬送となるため、製品を破損させる事故などもなくなり、作業品質も向上しています。

冷凍自動倉庫の製造メーカー3選!

冷凍自動倉庫を製造するメーカーのなかでも、導入実績の多いメーカーは以下の通りです。

・株式会社IHI物流産業システム
・株式会社ダイフク
・村田機械株式会社

これら大手製造メーカーは、冷凍自動倉庫をはじめとするさまざまな機器の取り扱いがあります。そこでここからは、メーカー毎の特徴について詳しく解説します。

株式会社IHI物流産業システム

株式会社IHI物流産業システムは、物流機器を取り扱っている大手製造メーカーです。自動倉庫も多く取り扱っており、以下のようなラインナップがあります。

・パレット自動倉庫
・ビル式自動倉庫
・ケース自動倉庫

IHI物流産業システムの自動倉庫は、クレーン走行の制振制御がされており、静音性にも優れています。また、ケースタイプはマルチ荷姿にも対応しており、さまざまな荷姿を取り扱うことができます。

株式会社ダイフク

株式会社ダイフクは、物流システムやマテハン機器の世界トップメーカーです。自動倉庫や仕分け設備、ピッキングシステム、搬送システムなど、最先端の物流設備がラインナップされています。

なお、ダイフクの自動倉庫には以下の種類があります。

・パレット立体自動倉庫
・超高密度パレット立体自動倉庫
・ケース立体自動倉庫
・高能力ケース荷揃えシステム
・ピッキング型ケース自動倉庫

物流倉庫はもちろんのこと、各種製造工場でも多く採用されています。冷凍自動倉庫としても活用できるため、作業効率の向上を見込むことができます。

村田機械株式会社

村田機械株式会社は、マテハン機器を製造しているトップメーカーです。なお、保管システムとしては、以下のような製品がラインナップされています。

・パレット型自動倉庫(ビル式)
・バケット型自動倉庫(ユニット式)
・ケース自動倉庫
・冷凍自動倉庫
・危険物自動倉庫
・各種ラックシステム

インターネット通販はもちろんのこと、医薬品や食品、出版にアパレルといったさまざまな業種で採用されている特徴があります。

まとめ

冷凍自動倉庫とは、零下の過酷な環境に対応している自動倉庫です。導入することによって人が作業する必要がなくなるため、労働環境の改善を図ることができます。また、多品種小ロットにも対応しているので、フレキシブルな生産体制を確立できます。

属人化も解消され業務品質が向上するほか、生産性を向上できるメリットもあります。なお、立体自動倉庫となるので、高層化によるデッドスペースの活用も可能です。非常にメリットの多い施策のひとつなので、事例などを参考に比較してみましょう。

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この記事の筆者

株式会社APT

株式会社APT

世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。

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