物流倉庫管理業務における「5S」とは?メリットや注意点を解説

効率化が求められている物流業界において、倉庫管理業務の最適化は非常に重要な課題の一つです。なかでも、倉庫管理業務における5S活動は改善効果も高いため、取り組むべき施策といえるでしょう。

そこで本記事では、物流倉庫管理業務における「5S」とは何なのかを徹底解説します。また、5S活動に取り組んだことによるメリットや、運用する際の注意点を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

以下の記事では物流倉庫内の作業を効率化する方法について詳しく説明しております。

物流倉庫内の作業を効率化するための10の改善方法をご紹介

物流倉庫管理業務における「5S」とは?

物流倉庫管理業務における「5S」とは、以下に挙げる言葉の頭文字を取った取り組みの総称です。

・整理

・整頓

・清掃

・清潔

・しつけ

ここからは、5S活動において重要となる上記の取り組みについて個別に解説します。

整理

5Sにおける整理とは、必要なモノとそうでないモノをきちんと区別することを指します。例えば、使用していない道具や不良品など、不必要なモノは無意味に保管するのではなく、処分することが重要です。

不要かどうか分からないモノに関しては、都度確認していきましょう。判断の分かれるモノはラベリングなどして分けておくことで、後に対応しやすくなります。その他にも、使用できないマテハン機器なども、整理すべきかどうかきちんとチェックしつつ、不必要なモノは廃棄または売却処分を行いましょう。

整頓

5Sの整頓とは、モノの位置を予め決めておき、いつでもすぐに取り出せるようにしておくことを指します。物流倉庫では、以下のような基準で分類しておくのがおすすめです。

・使用頻度

・出荷頻度

・使用場面

・サイズ

例えば、使用頻度や出荷頻度の多いモノは取り出しやすい場所へ保管するのが適切でしょう。また、ホウキやちりとりのような清掃道具など、使用場面やサイズに応じて保管位置を決めておくのもおすすめです。

清掃

5Sの清掃とは、物流倉庫内を綺麗に掃除することを指します。物流倉庫というのは多くの人が出入りする場所なので、一般的な施設よりもホコリも蓄積し、思いのほか汚れていくものです。

そのため、定期的な清掃を心掛けることが重要です。トイレ清掃や廊下や階段のモップがけ、ゴミ回収に休憩室の掃除など、清掃するべき場所は比較的多いです。少し放置するだけでも汚れやすくなるので、日常清掃を行いつつ綺麗することが必要です。

清潔

5Sの清潔とは、ここまでに挙げた整理整頓清掃の3Sができている状態のことを指します。5S活動において、突発的な行動ではなく、倉庫内を清潔に維持していくことが何よりも重要といえます。

清潔な状態を保てていない倉庫というのは、商品の保管状態も悪くなる傾向にあります。商品の保管状態が悪くなると返品が発生するほか、企業の損失につながることがあるので注意しましょう。

しつけ(​​躾)

5Sのしつけ(​​躾)とは、整理整頓清掃清潔の4Sを習慣づけることを指しています。決められたルールを徹底して習慣づけることは、質の高いサービスを実現させるためにも重要なポイントです。

5S活動においてルールを遵守することが改善につながります。そのため、忘れがちな項目は作業手順書やルールなどを用いて、当たり前にできるように習慣づけましょう。

こちらでは物流倉庫の業務を効率化する整理整頓の方法について詳しく解説しております。

物流倉庫で5Sを徹底するメリット

物流倉庫で5Sを徹底するメリット

物流倉庫で5Sを徹底する必要性やメリットは以下のとおりです。

・業務の効率が上がり生産性が向上する

・労働災害を未然に防止できる

・労働環境の改善によるモチベーションアップ

ここからは、なぜ物流倉庫で5S活動が重要なのか?その必要性やメリットについて詳しく解説します。

業務の効率が上がり生産性が向上する

物流倉庫で5S活動を徹底することによるメリットは、業務の効率が上がり生産性が向上する点といえます。例えば、整理整頓がされていない現場というのは、必要なモノをすぐに取り出せず、探す時間が増えてしまう場合があります。

本来なら数分で終わる作業も、探す手間が増えることで時間も多くかかってしまうため、自ずと生産効率は下がります。一方で、5Sの行き届いた現場というのは、必要なモノが保管されている場所も定位置なのですぐに取り出すことができます。

これにより余計な手間がかからないので、業務効率が上がり生産性が向上します。

労働災害を未然に防止できる

5S活動の大きなメリットとして、労働災害事故を未然に防止できる点が挙げられます。例えば、通路にモノが散乱している状態で業務を行っていると、スタッフが足元をすくわれて転倒する可能性があります。

また、フォークリフトのようなマテハン機器が通る場合、商品が乱雑に置いてあると破損事故に繋がることもあるでしょう。しかし、5S活動を徹底することで本来人が通る通路も綺麗に整頓されているため、上記のような労働災害事故や商品の破損事故を未然に防ぐことができるわけです。

労働環境の改善によるモチベーションアップ

最後に挙げられる5S活動によるメリットは、労働環境の改善による社員のモチベーションアップです。物流倉庫の中が汚い状態になっていると、社員のやる気も上がらないため、労働意欲も下がってしまいます。

一方で、整理整頓がされており、いつも清潔な状態の倉庫は労働環境も良いため、社員のモチベーションアップにもつながります。キレイな状態は業務に集中できるほか、ストレスもなくなるので、5Sによって労働環境を改善していくことが重要です。

物流倉庫で5Sを実践する上での注意点

物流倉庫で5S活動に取り組むことは、非常にメリットが多いといえます。ただし、効果を最大限に発揮させるためには、以下のようなポイントに注意して実践しなければなりません。

・5Sを取り組む順序

・継続的なPDCAサイクル

ここからは、上記に挙げた物流倉庫で5Sを実践する上での注意点について詳しく解説します。

5Sを取り組む順序

5Sを取り組む際に重要なポイントは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけの順で取り組むということです。やみくもに作業に取りかかるのではなく、これらの順序を守って作業をしていくことが重要です。

一つ一つ順序立てて5Sに取り組むことで、より高い効果を期待することができます。各工程で効果を最大限にするためにも、何が最適解か意識しながら5S活動に取り組みましょう。

継続的なPDCAサイクル

5S活動において重要なポイントの二つ目は、継続的にPDCAサイクルを回すということです。5S活動は一度行えば改善できるモノではなく、日々継続的に取り組みながら改善をしていくものです。

効率的な方法や無理のない方法を日々改善することで、より良い環境にすることができます。5Sを単なる語呂合わせにするのではなく、日々の業務に定着させるためにも、PDCAによって改善を継続していきましょう。

まとめ

物流倉庫の管理業務において、5Sに取り組むことでより効率的な業務を実現させることができます。5Sによって整理整頓されている倉庫内というのは、労働災害を防止する役割や社員のモチベーションアップにもつながるため、積極的に取り組むべきといえるでしょう。

また、業務効率が上がることで生産性も向上します。PDCAを回して日々改善することで、より良い環境を構築できるため、5Sに取り組みましょう。

APTでは、倉庫コンサルティングを実施しております。物流倉庫内の課題の相談を承っております。1社1社に合わせた柔軟なご提案をいたします。お気軽にご相談ください。

 

この記事の筆者

株式会社APT

株式会社APT

世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。

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