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工場で使用するローラーコンベアの特徴や選び方を解説

工場で使用するローラーコンベアの特徴や選び方

工場内の生産や物流現場では、製品や部品をスムーズに搬送するための設備が欠かせません。その中でも「ローラーコンベア」は、多くの工場で広く使用されている代表的な搬送機器です。しかし、ローラーコンベアと一口に言っても種類や仕様はさまざまで、用途に合った製品を選ぶにはポイントを押さえる必要があります。

そこでこの記事では、工場で使用するローラーコンベアの特徴や、選び方のポイントについて詳しく解説していきます。これから工場にローラーコンベアを導入したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

工場で使用するローラーコンベアとは?

ローラーコンベアは、複数のローラーが並んだ構造で、荷物をその上に載せて移動させる搬送機器です。人手による作業負担を減らし、効率的な搬送を実現することができます。ローラーコンベアには、自重や傾斜を利用して荷物を移動させる重力式と、モーターによってローラーを駆動させる駆動式があります。

工場では製造工程の間の搬送、検査工程への移動、出荷前の一時保管ラインなど、さまざまな場面で活用されています。工場で使用するローラーコンベアの場合、耐久性が高く、連続運転にも耐えられるタイプが適しているでしょう。

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工場でローラーコンベアを使用するメリット

工場での搬送作業において、ローラーコンベアを導入することには多くのメリットがあります。ただ単に荷物を移動させるだけでなく、作業効率の向上や作業者負担の軽減、製品品質の維持、そしてコスト削減にまで大きな効果をもたらします。

そこでここからは、ローラーコンベアを使用することで得られる主なメリットについて詳しく見ていきましょう。

搬送作業の効率が上がる

ローラーコンベアを導入することで、工場内の搬送作業の効率は大幅に向上します。人手で行っていた運搬作業が自動化されるため、製品や部品をスムーズかつ一定の速度で次工程へ送ることが可能になります。

これにより作業の待ち時間が減少し、ライン全体の流れがスピードアップします。大量生産を行う工場では、一つひとつの搬送作業の時間短縮が積み重なり、大幅な生産性向上につながるでしょう。

作業者の負担を軽減できる

重量物や大型製品の搬送は、作業者に大きな身体的負担をかけます。ローラーコンベアを使用することで、持ち上げたり運んだりする作業が減り、作業者の疲労や腰痛、怪我のリスクを大幅に軽減できます。

身体的負担の軽減は労働災害防止だけでなく、作業者のモチベーション向上にもつながります。また、過度な肉体労働を必要としない環境は、人材確保や定着率向上にも効果があります。このように作業環境を整えることは、長期的に見て工場全体の生産性維持にも大きく貢献します。

搬送品質が向上する

ローラーコンベアは、搬送中の製品に対する振動や衝撃を最小限に抑えることができます。これにより傷つきやすい製品や精密機器の品質保持が可能となるため、不良品の発生リスクを低減できます。

また、一定速度で安定して搬送できるため、製品同士の接触や落下といったトラブルも防ぐことができます。搬送品質が高まることで、最終製品のクオリティ向上にも寄与するので、顧客満足度や信頼性の向上にもつながるでしょう。

効率化によりコスト削減できる

搬送作業をローラーコンベアで自動化することで、必要な作業人数を削減でき、人件費の低減が期待できます。また、作業効率が上がることで、製品1個あたりの加工コストや製造リードタイムも短縮され、トータルの生産コストが下がります。

また、製品破損やミスによる手戻り作業も減少するので、無駄なコスト発生を抑制できます。初期投資は必要ですが、運用を続けることで早期に投資回収できるケースも多く、長期的な視点で見れば非常に高い費用対効果を発揮する設備といえるでしょう。

工場に導入するローラーコンベアの選び方

工場に導入するローラーコンベアの選び方

工場に最適なローラーコンベアを導入するためには、単に製品スペックを見るだけでは不十分です。搬送する製品のサイズや重量、使用環境、ラインの生産速度、将来の拡張性など、複数の視点から慎重に選定することが大切です。

そこでここからは、ローラーコンベアを選ぶ際に押さえておきたい重要なポイントを解説します。

搬送物のサイズ・重量・形状

ローラーコンベア選びで最も基本となるのは、搬送する製品のサイズ、重量、形状を正確に把握することです。製品が大きい場合や重い場合には、太くて頑丈なフレームを備えたタイプが適しています。

一方、小型・軽量品を搬送する場合は、ローラーピッチ(間隔)を細かくすることで、搬送の安定性を確保できます。搬送物に最適化された設計を行うことで、生産ラインのトラブルを防ぎ、スムーズな稼働を実現させることができます。

使用環境

工場の使用環境も、ローラーコンベアの仕様を決める大きな要素です。例えば、高温・低温環境や湿度の高い場所、防塵・防爆対応が必要な現場など、条件に応じて適した材質や設計を選ばなければなりません。

ステンレス製のローラーは耐食性に優れ、食品工場や水気の多い現場に向いています。一方、使用条件を無視すると早期故障やトラブルの原因となるため、環境に合った選定は非常に重要です。

搬送速度

搬送速度は、生産ラインのタクトタイムに直結するため、適切な設定が欠かせません。速すぎると製品の転倒や破損リスクが高まり、遅すぎるとラインの停滞を招くため、生産性に悪影響を及ぼします。

駆動式ローラーコンベアでは、可変速モーターを採用することで、製品や工程に応じた柔軟な速度調整が可能になります。速度制御機能を持つシステムを組み合わせれば、ライン全体の同期運転も実現できるため、よりスムーズな搬送が可能になります。

将来的な拡張性

工場の生産量や製品仕様は、時代の変化や事業拡大に伴い変わる可能性があります。初期導入時から将来的な拡張性を見越しておくことは非常に重要です。例えば、モジュール構造のローラーコンベアを選べば、後からラインを延長したり、分岐・合流システムを追加したりすることが容易になります。

また、自動仕分け装置や検品システムとの連携も考慮しておくと、後々の自動化対応がスムーズに進められます。このように柔軟な設計が、長期的な設備投資効果を高める上で重要です。

導入・維持コスト

ローラーコンベアの選定においては、導入時の初期費用だけでなく、ランニングコストやメンテナンスコストまで含めたトータルコストで考えることが大切です。駆動式コンベアの場合、モーターやベルトなどの消耗部品の交換費用も視野に入れる必要があります。

また、メンテナンスのしやすさや、トラブル発生時の対応スピードも重要なポイントです。信頼できるメーカーの製品を選び、長期にわたって安定稼働できる体制を整えることで、結果的にコストパフォーマンスを最大化できます。

まとめ

工場におけるローラーコンベアの導入は、作業効率化、品質向上、コスト削減といった大きなメリットをもたらします。しかし、効果を最大限に引き出すためには、搬送物の特性、使用環境、搬送速度、将来的な拡張性、トータルコストといった複数の視点から慎重に選定することが必要です。

適切なローラーコンベアの導入は、生産ラインの最適化にとどまらず、工場全体の競争力向上にもつながります。自社に最適な仕様を見極め、長期的な視点で導入計画を立てることが大切です。

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この記事の筆者

株式会社APT

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世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。