
倉庫自動化で複数メーカーの設備を導入したとき、「誰がシステムを繋ぐのか」が決まっていないケースが実際に起きています。AutoStoreとコンベヤーの統合に課題を抱えた白鳩様の事例をもとに、複数メーカー混在プロジェクトでのWCS設計の考え方を解説します。
こんな状況の方に読んでほしい記事です
- AutoStoreや自動倉庫と、コンベヤー・仕分け機など他社設備を同時に導入しようとしている
- 複数のマテハンメーカーから設備を発注したが、システム統合を誰が担当するか決まっていない
- 各メーカーが「他社設備との連携は対応外」と言っていて困っている
- WMSと設備を繋ぐWCSの設計・開発を誰に頼めばいいかわからない
- 基幹システムとの連携も含めて一括で対応できる会社を探している
この記事の結論
複数メーカーの設備を導入するプロジェクトでは、各メーカーが自社設備の制御しか担わないため、全体を統合するWCSが「誰の担当でもない」状態になりやすいです。白鳩様の事例では、APTがプロジェクト途中から参画し、AutoStoreとコンベヤーを横断するWCSの開発・WMSの構築・基幹システムとの連携までを一括で担当。出荷能力1.6倍という成果につながりました。
目次
事例概要:株式会社白鳩様
| 企業 | 株式会社白鳩(インナーウェア・EC事業、京都市) |
|---|---|
| 課題 | AutoStoreとコンベヤーの導入が決まっていたが、それぞれ異なるメーカーへの発注となっており、これらを横断して管理できるWCSが存在しなかった |
| APTの対応 | プロジェクト途中から参画。各メーカーの取りまとめ・WCS開発・WMS構築・基幹システム連携を一括担当 |
| 成果 | 出荷件数1.6倍(最大8,000件→13,000件/日)、欠品率0.30%→0.05%、棚卸時間2日→半日に短縮 |
▶ 詳細なインタビュー記事はこちらの事例ページをご覧ください。
複数メーカーの設備を導入すると、なぜWCSが「誰の担当でもない」になるのか
倉庫自動化では、AutoStoreのようなロボット型自動倉庫とコンベヤー・仕分け機を組み合わせて導入するケースが増えています。しかしこのとき、設備の調達先が複数メーカーに分かれると、ある構造的な問題が生じます。
複数メーカー混在時の典型的な発注構造
設備メーカーA(例:AutoStore) 自社設備の制御APIを提供。他社設備との統合は対応外。
設備メーカーB(例:コンベヤーメーカー) 自社設備の制御を担当。上位システムとの連携仕様は提供するが、開発は対応外。
WCS(誰の担当にもなっていない) 両設備を横断して制御し、WMSの指示を各設備に届ける中間層。発注先が存在しない。
各メーカーは自社設備の制御については責任を持ちますが、「他社設備との統合」や「WMSとの連携」は原則として担当外です。その結果、設備が揃い、WMSも決まっているのに、両者を繋ぐWCSが存在しないという状況が生まれます。
設備もWMSも揃っているのに、WCSがなければシステムは動きません。AutoStoreへの投資が無駄になるリスクがあります。
白鳩様のケース:プロジェクトが走り始めてから発覚した統合の課題
株式会社白鳩様でも、同様の構造的な問題が発生しました。EC事業の拡大に対応するため、AutoStoreとコンベヤーの導入が決定し、それぞれ異なるメーカーへの発注が進んでいました。しかしプロジェクトが進む中で、これらを横断して管理するWCSが存在しないことが課題として浮上しました。
「設備の選定・発注は進んでいた。しかしAutoStoreとコンベヤーは別メーカーへの発注であり、それらを束ねるWCSの開発担当が存在しなかった」——これが白鳩様のプロジェクトで浮上した課題でした。
複数メーカー混在プロジェクトで、WCSを誰に頼めばいいのか
複数メーカーの設備を横断するWCSを開発するには、各メーカーの制御仕様を取得し、それぞれに対応した接続設計ができる技術と、プロジェクト全体を取りまとめる調整力の両方が必要です。これがWCS開発者の確保を難しくしている理由です。
設備メーカーに頼めない理由
AutoStoreをはじめとする設備メーカーは、自社設備の制御に特化したシステムは持っています。しかし他社設備との統合は担当外であることがほとんどです。「メーカーに聞いたが、他社設備との連携は対応できないと言われた」というケースは実際に多く発生しています。
WMSベンダーに頼めない理由
WMSベンダーは在庫管理・業務管理のシステムを得意としていますが、マテハン設備の制御仕様の理解や、複数設備を横断した制御設計は専門外です。WMSベンダーが「WCSも対応できる」と言っていても、実際には単一設備との連携のみで、複数メーカー混在には対応できないケースがあります。
必要なのは「メーカー非依存のインテグレーター」
複数メーカー混在のWCS開発に対応できるのは、特定のメーカーや製品に縛られず、各社の制御仕様を横断的に読み解けるインテグレーターです。APTはメーカー非依存の立場から、AutoStoreを含む国内外の主要マテハンメーカーとの連携実績を持っています。
APT のマテハン連携実績
40社以上
国内外の主要マテハンメーカーを問わず対応。
AutoStoreを含む複数メーカー混在構成での統合実績があります。
APTの対応:途中参画からWCS・WMS・基幹連携まで一括担当
白鳩様のプロジェクトでは、APTがプロジェクト発足後に途中から参画し、以下の対応を一括で担いました。
対応 1
各メーカーの取りまとめ——AutoStoreメーカー・コンベヤーメーカーそれぞれから制御仕様を取得し、統合WCSの設計に落とし込み。各メーカーとの仕様調整をAPTが一元的にファシリテート。
対応 2
統合WCSの開発・マテハンの一元管理実現——AutoStoreとコンベヤーを横断して制御する統合WCSを開発。異なるメーカーの設備がAPTのシステムで一元管理できる状態を構築。
対応 3
WMSの構築——設備管理のWCSだけでなく、倉庫全体を管理するWMSも含めて対応。オープンソースを活用し、将来的な内製運用を見据えた柔軟な構成で開発。
対応 4
基幹システムとの連携——白鳩様の基幹システムとWMS・WCSを接続し、受発注データ・在庫情報をリアルタイムで連携できる構成を実現。
導入の成果
出荷件数
1.6倍
最大8,000件
→ 13,000件/日
欠品率
1/6に
0.30%
→ 0.05%
棚卸時間
1/4に
2日
→ 半日
棚卸差異率
1/5に
0.04%
→ 0.008%
複数メーカーの設備を統合WCSで一元管理したことで、設備間のデータ連携がリアルタイムで実現し、在庫精度と出荷能力が大幅に向上しました。詳細なプロジェクトの経緯や担当者インタビューは事例ページをご覧ください。
APTが複数メーカー混在に対応できる3つの理由
01
メーカー非依存の設計力
特定メーカーの製品に縛られないため、AutoStoreを含む複数メーカーの仕様を横断して設計に落とし込めます。
02
WCS・WMS・基幹連携を一括担当
設備制御のWCSだけでなく、WMSの構築から基幹システムとの連携まで一社で対応。調整コストを最小化します。
03
途中参画・短納期対応の実績
白鳩様のようにプロジェクト発足後の途中参画にも対応。課題が顕在化した段階からでも迅速に動けます。
よくある質問
APTがお手伝いできること
複数メーカー設備の制御仕様を横断して取得し、統合WCSを設計・開発
WMSの構築から基幹システム連携まで一括で対応
複数メーカー・ベンダー間の仕様調整・責任分界点の整理をファシリテート
こんな状態でもご相談いただけます
✓ 設備の選定・発注は進んでいるが、WCSの担当がまだ決まっていない
✓ プロジェクトが走り始めてから統合の問題が発覚した
✓ NDA締結後のご相談にも対応可能


