物流業務の中でも比較的多く発生するトラブルが「テレコ出荷」です。物流品質を向上させるためには、問題が起きてしまう原因を把握しつつ、適切な対策に取り組むことが重要です。
そこで本記事では、そもそもテレコ出荷とはどのようなトラブルなのかを解説すると共に、発生する原因、対策方法について紹介します。物流品質を向上させるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
以下の記事では誤出荷の防止対策について説明しております。
誤出荷を防止するためには?対策ポイントやおすすめのシステムをご紹介
目次
テレコ出荷とは?
テレコ出荷とは、送り状や商品の入れ違いによって発生する出荷ミスのことを指します。なお、テレコ出荷の「テレコ」には入れ違いや互い違い、といった意味が含まれています。
例えば、テレコ出荷では以下のようなミスが起こりやすい傾向にあります。
- 商品間違い
- 数量間違い
- 出荷漏れ
- 宛先のミス
このようなテレコ出荷は非常に多く発生するため、改善を図って物流品質を向上させることが重要です。
テレコ出荷が起きる原因
テレコ出荷が起きる原因には、以下のようなことが挙げられます。
- 紙面管理によるミス
- 目視によるミス
どのような原因が基でテレコ出荷が発生してしまうのか?事前に確認をしておきましょう。
紙面管理によるミス
テレコ出荷が発生してしまう理由の一つに、紙ベースで業務を行っていることが原因と言えるでしょう。例えば、記載されている内容自体にミスが生じているとテレコ出荷が発生します。
その他にも、正しい配送先の情報を読み間違えてしまうことで、その後の指示も間違えてしまうということが起こりえます。紙面で情報を管理すると認識の漏れやミスも起きやすいので、大きな原因になり得るので注意しましょう。
目視によるミス
紙面管理が原因でもテレコ出荷は多く発生しますが、目視ばかりに頼っている場合も同様にミスが多く発生します。例えば、ピッキングを行っている際に目視のみで検品を行っていると、数量を誤認すると言ったミスが起こりやすいです。
同様に、品番などの読み間違えも起こりやすいため、目視だけに頼った作業というのはテレコ出荷が起こりやすくなると言えるでしょう。
テレコ出荷が起きた場合のリスク
物流業務において起こりやすいテレコ出荷は、発生すると以下のようなリスクが想定できます。
- 個人情報が漏洩する
- 信用が低下する
- 在庫数に差異が生じる
ここからは、実際にテレコ出荷が起きてしまった際のリスクについて解説します。
個人情報が漏洩する
テレコ出荷が起きた際に大きな問題となり得るのは、個人情報の漏洩です。テレコ出荷によって、本来届けるべき発送先とは違う個人情報が記載された納品書が届いてしまうため、個人情報が漏洩してしまうわけです。
最悪のケースでは個人情報を悪用されてしまう可能性も考えられるので、その取り扱いには細心の注意を払う必要があります。
信用が低下する
会社としての信用が大きく低下する恐れがあります。本来注文した商品が手元に届かない状況というのは、消費者側の満足度を大きく毀損させてしまう原因になります。
テレコ出荷が原因によって、その後の販売機会を損失させてしまう可能性もあります。そのため、問題を生じさせない改善策に取り組みつつ、企業は信用が大きく低下するリスクは避けなければなりません。
在庫数に差異が生じる
在庫管理上の問題も生じてしまうリスクがあります。テレコ出荷によって管理している在庫数と実在庫に差異が生じるため、在庫管理上の問題が起きてしまうでしょう。
なお、テレコ出荷で発生した在庫の差異を特定する場合、照合するために時間や労力を要することもあります。予期せぬ手間がかかってしまう可能性もあるので注意しましょう。
テレコ出荷を防ぐための対策
テレコ出荷を防ぐためには、以下のような対策方法を実施しましょう。
- マニュアルを整備する
- デジタル化で管理する
- 倉庫管理システムを導入する
- アウトソーシングを活用する
ここからは、より具体的な対策方法について解説します。
マニュアルを整備する
テレコ出荷を防ぐ上で重要な対策方法として挙げられるのは、マニュアルなどを整備して業務フローを最適化することになります。例えば、出荷までの一連の作業手順をまとめることで、従業員に徹底することも必要でしょう。
作業手順と同様にルールも統一して周知させることも必要です。また、それぞれの担当者だけにチェックさせるのではなく、複数の担当者で確認できるような体制を構築しておくことも重要と言えます。
このように業務の流れをマニュアルで整備し、問題が起こらないように周知を徹底させる必要があるわけです。
デジタル化で管理する
紙面(伝票)などで管理を行っているとテレコ出荷が起こりやすくなるので、デジタル化を行って管理することも効果的な対策方法と言えます。紙面で指示書を手書きするような状況では、ヒューマンエラーも起こりやすくテレコ出荷を防ぐことはできません。
上記に挙げたようなヒューマンエラーの多くは、デジタル管理で解決することも多いです。また、デジタル管理をすることでいつでもリアルタイムの情報が確認できるので、作業効率も格段に向上します。
業務の効率化が図れるほか、テレコ出荷のようなミスも削減できるので、紙面で管理を行っている場合は早期にデジタル管理に移行させましょう。
倉庫管理システムを導入する
倉庫管理システム(Warehouse Management System、WMS)を導入することで、テレコ出荷のようなミスを防ぐことができます。倉庫管理システムなら、倉庫内における作業をシステム側でサポートすることができます。
倉庫管理システムには以下のような機能があります。
- 入荷管理
- 在庫管理
- 出荷管理
- 棚卸管理
- 帳票/ラベル発行機能
- 返品管理
- ピッキング最適化
これらをすべてシステム上で管理することができるので、作業の工数削減や効率化によって人件費なども削減することができます。また、情報をリアルタイムで共有することでトラブルも防げるため、業務品質も向上するでしょう。
倉庫内におけるマネジメントを最適化することができるので、物流品質を向上させるためにも導入することをおすすめします。
アウトソーシングを活用する
社内のリソースが不足して改善するのが難しい場合、物流アウトソーシングを活用するのも効果的な方法といえます。ただし、相応の見直しやスタッフ教育を行わなければなりません。
これには相当数の時間や労力、コストも必要になりますが、物流アウトソーシングなら一括して出荷の業務を依頼することができます。業務改善に時間やコストをかけるのが難しい場合、積極的に外部のリソースを活用して改善を行ってみましょう。
以下の記事では倉庫管理システムの選び方について説明しております。
倉庫管理システムとは?それぞれの特徴と選び方のポイントを解説
まとめ
テレコ出荷の多くはヒューマンエラーによって引き起こされるので、以下にミスを起こさせないようにするのか?その仕組みを確立させることが重要と言えます。なお、テレコ出荷が起きると企業の信用が毀損される以外にも、個人情報の漏洩や在庫差異が生じてしまう可能性もあるので注意が必要です。
属人的な業務になるほどミスが起こりやすくなるので、倉庫管理システムのようなシステムを活用しながら改善してみましょう。
APTでは、倉庫コンサルティングを実施しております。物流倉庫に関するお悩みならぜひご相談下さい。