物流倉庫で多く導入されている『DAS』は、仕分け作業効率を向上させることができます。物流倉庫は効率化が重要視されているため、DASの導入を検討しているケースも多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、DASとはどのような仕組みなのかを詳しく解説します。また、物流倉庫にDASを導入した場合のメリットや、デメリットについてもわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
DAS（デジタルアソートシステム）とは？
DASとはデジタルアソートシステムと呼ばれるピッキングの仕組みで、英語表記の『Digital Assort System』の頭文字を取った略称です。物流倉庫で多く導入されているシステムですが、まずは特徴を理解しましょう。
そこでここからは、DASの特徴や『DPS』との違いについて解説します。
DASの特徴
DAS（デジタルアソートシステム）は、一般的な紙によるリストではなく、デジタル表示器を用いて仕分け（アソート）を行うシステムです。作業者はデジタル表示器の指示通りに仕分けをするため、視覚的に素早く作業を行えます。
従来のようにリストを持ちながら仕分け作業する必要がないため、仕分け作業の生産性が向上します。また、デジタル表示器に数量も表示されるので数量間違いなどのミスも削減できるメリットがあります。
DASとDPSの違い
DASに似たシステムで『DPS』というものがあります。DPSはデジタルピッキングシステムと呼ばれており、『Digital Picking System』の頭文字を取った略称です。
デジタル表示器が点灯した場所に商品を仕分けるDASに対して、DPSはデジタル表示器が点灯した場所からピッキングを行います。DASとDPSではピッキング方式が異なっており、摘み取り方式が『DPS』、種まき方式が『DAS』ということになります。
DASとGASの違い
GASはDASと同様に種まき方式ですが、システムの内容が異なります。商品を読み取ることで対応した仕分け先のゲートが開き、投入すべき数が表示機に表示されます。そして、投入後にスイッチを押すことで次に投入すべきゲートが開くシステムです。このゲートは、一か所ずつしか開かないため、作業の正確性の向上と仕分けミスのリスクを軽減させる効果があります。
下記の記事ではGASについて詳しく解説しています。
GASとは？DAS・SASと違い及び物流倉庫への導入メリットを解説
DASを導入するメリット
物流倉庫にDASを導入することによって、以下のようなメリットがあります。
・作業効率が向上する
・省人化による人件費削減
・作業ミス削減で品質向上
・作業の標準化が可能
DASを上手に活用することで、このような恩恵を受けることが可能です。それでは、これら各メリットの中身について詳しく解説します。
作業効率が向上する
従来の紙リストによる仕分けでは、リスト表を持ちながら確認作業をしなければなりません。そのため、手がふさがってしまい作業効率がよくない上に、商品を仕分ける場所を探すのにも手間取ってしまう傾向にあります。
一方で、DASを導入した場合、デジタル表示器で視覚的に仕分け作業ができます。作業員はデジタル表示器の指示通りに仕分け作業をするだけなので、従来よりも作業が単純化され、作業効率が格段に向上します。
省人化による人件費削減
DASを導入した場合、従来よりも大幅に作業効率を改善することができます。そのため、これまで配置していたスタッフの人数を削減することができるので、省人化による人件費削減も可能です。
多様化する物流業界において、各物流コストの削減は大きな課題の一つです。そのため、DASといった省人化が可能な設備・仕組みを導入することは、コスト削減を実現できる効果的な施策と言えるでしょう。
作業ミス削減で品質向上
一般的な紙リストによる仕分け作業では、商品を正しい位置に配置するのを間違えてしまうなど、確認漏れによるミスが発生しやすい傾向にあります。このようなミスというのは、誤出荷にもつながる可能性があるので、早期に改善しなければなりません。
一方で、DASを導入した場合、デジタル表示器の指示通りに仕分けをするので、簡単なミスを予防することができます。仕分けミスを削減させることで業務品質も向上するため、品質改善にも寄与するでしょう。
作業の標準化が可能
従来の作業方法とは違ってDASは作業内容が簡単なため、作業の標準化が可能です。たとえば、経験値の浅いスタッフを雇用した場合でも、単純な作業なので教育コストも低く抑えることができます。
また、能力値の高いスタッフを雇用する必要がなくなるため、人件費や採用コストも削減できる可能性があります。以上のことからも、作業の標準化によるメリットは大きいと言えるでしょう。
DASを導入した場合のデメリット
DASはメリットの多い仕組みですが、デメリットも当然存在します。なお、具体的には以下のような内容が当てはまります。
・導入コストが必要
・配置や構成の変更が難しい
・機械トラブルのリスクがある
これらのデメリットをきちんと把握しておくことで、費用対効果を見極めることができます。そこでここからは、DASを導入した場合のデメリットについて詳しく解説します。
導入コストが必要
DASを導入することで作業効率などが上がる一方で、導入するためのコストが必要になります。たとえば、DASの設置工事費用やデジタル表示器本体費用といったコストがかかります。
なお、これらの導入費用というのは、物流倉庫の設置環境や規模によっても大きく左右します。そのため、DASを導入する際には、設置環境に応じた導入コストがかかってくることを理解しておきましょう。
配置（ロケーション）の変更が難しい
紙リストによる仕分け作業を行う場合、ロケーションの変更も簡単に行えます。一方でDASを導入した場合について、商品の配置（ロケーション）変更をする際には、デジタル表示器の設定も変更しなければなりません。
そのため、従来のようにロケーション変更ができなくなる点は注意しましょう。ただし、ロケーションの変更ができない訳ではありませんから、必要性や環境に応じて判断しましょう。
機械トラブルのリスクがある
デジタル表示器を活用して仕分け作業を行うDASは、作業効率が上がる一方でシステムトラブルのリスクがあります。紙リスト仕分けとは違い、デジタル機器を活用するため、機械トラブルが発生したときに業務が止まってしまう可能性もあります。
そのため、トラブルが発生した際にどうするべきか対処法を定めておく必要があります。また、定期的なメンテナンス・保守なども行い、機械トラブルのリスクを減らす施策を取っていくことも重要です。
DASの耐用年数っていつまで？
DASの耐用年数について、国税庁が定める法定耐用年数によると8~12年と考えられます。
しかし、現代のデジタル革命の時代において、法定耐用年数とは別に技術の進歩によるシステムの陳腐化を考慮する必要があります。そのため、DASを導入する際は、耐用年数とは別の視点として、外部環境にも柔軟に対応できるフレキシブルな導入方法を考慮すべきです。
まとめ
DASとは『デジタルアソートシステム』と呼ばれている、デジタル表示器を用いて仕分け作業を行うシステムのことを指します。従来よりも効率的に作業ができるほか、作業ミスを削減することが可能です。
また、デジタル表示器の指示通りに作業するだけなので、作業を簡略化して品質を標準化できるメリットもあります。そのため、導入後には作業品質の安定化や、効率化による人件費削減など、さまざまな恩恵を受けられます。
一方で、初期の設備導入コストやロケーション変更が難しくなってしまうなど、デメリットも存在します。そのため、DASを導入する際には、自社の環境に合わせて費用対効果を見極めましょう。
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