物流倉庫における搬送システムの種類は?それぞれの特徴と導入メリットを解説

効率化の求められている物流倉庫では、さまざまな機器が導入されています。なかでも搬送システムは物流倉庫の根幹となる設備なので、導入を検討している方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、物流倉庫における搬送システムの種類を解説します。また、各搬送システムの特徴や導入した場合のメリットについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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搬送システムとは?

搬送システムとは、荷物を自動で搬送するための搬送機器全般を指します。重い荷物も素早く運ぶことができるため、搬送システムは人が作業するよりも効率的で安全性を確保できる特徴があります。

そのため、重量物の搬送や大量の荷物を搬送したいような場合、搬送システムを導入することで業務の効率化を図ることができます。一方で、搬送システムにはさまざまな種類があるため、導入する際には最適な搬送システムを選ぶことが重要です。

物流倉庫における搬送システムの種類は?

物流倉庫における搬送システムの代表的な種類は以下のとおりです。

①搬送コンベア
②搬送ロボット
③各種昇降装置
④搬送シューター

ここからは各種搬送システムの特徴を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

①搬送コンベア

搬送コンベアとは、荷物を一定のスピードで断続的に運ぶことができる搬送設備のことをいいます。搬送コンベアには種類があるため、搬送する荷物に合わせてタイプを選択する必要があります。

具体的にはベルト式コンベア、チェーン式コンベア、ローラー式コンベアなどが物流倉庫では採用されることが多いです。なお、搬送コンベアを別の設備(自動倉庫システムや仕分け設備など)と組み合わせることで、より効率的な搬送ラインを構築することができます。

②搬送ロボット

従来の物流倉庫では、前項で紹介した搬送コンベアを導入するケースが一般的でした。しかし、近年の物流業界では搬送コンベアに変わる設備機器として、搬送ロボットの導入が推進されています。

搬送ロボットとは、荷物を搬送する役割のロボットになります。人に代わって自動で荷物を搬送できることから、搬送工程の省力化を実現できます。

なお、搬送ロボットは誘導体に沿って移動するAGV(自動搬送ロボット)や、搭載されたAIで自動マッピングを行い自由に搬送するAMR(自律走行型搬送ロボット)などがあります。

また、ピッキングエリアまで棚ごと搬送してくれるGTP(棚流動型ロボット)など、さまざまな種類があります。

③各種昇降装置

搬送コンベアや搬送ロボットは、主に水平方向に対して荷物を搬送する設備ですが、搬送システムの中には垂直方向に搬送する各種昇降設備も含まれています。たとえば、簡易リフトや小荷物専用昇降機、垂直搬送機などが該当します。

特に垂直搬送機などの昇降設備は搬送コンベアと連携させることで、非常に高い搬送能力を発揮します。このような各種昇降装置を活用することで、重量物なども安全に上下階へ搬送することが可能です。

④搬送シューター

搬送シューターとは、高低差を利用して荷物を滑り台のように滑らせて搬送するシステムです。滑り台と同じ仕組みなので、動力を必要とせず、簡単に荷物を搬送させることが可能です。

また、モーターなどの動力源がないので、垂直搬送機などと比較して、安価に導入できるメリットがあります。なお、搬送シューターには、騒音に配慮されているタイプや製品の上下を反転させることが可能なタイプなど、さまざまな種類があります。

物流倉庫に搬送システムを導入するメリット


物流倉庫に搬送システムを導入することで、以下のようなメリットがあります。

・省力化・省人化の実現
・自動化による作業の効率化
・搬送作業の標準化
・安全性の確保
・ヒューマンエラーの防止

さまざまな課題を抱えている物流倉庫において、搬送システムを導入することは非常にメリットが高いと言えます。

そこでここからは、搬送システムを導入した場合のメリットについて詳しく解説します。

省力化・省人化の実現

搬送システムを導入した場合にもっとも大きなメリットになるのが、省力化や省人化の実現です。人が荷物の移動をする際には荷物量に応じて人員を増員する必要がありますが、搬送システムを導入すれば搬送の工程を自動化することができます。

これにより、重量物の搬送や大量の荷物の搬送など、搬送工程で必要だった作業量を大幅にカットできるため、省力化や省人化を実現できます。

自動化による作業の効率化

人がパレットなどの重い荷物を運ぶ際には、フォークリフトなどを利用しなければなりません。しかし、フォークリフトによる運搬作業では非常に手間や時間がかかるため、大量の搬送には適していません。

一方で、搬送システムを導入することによって、搬送工程を大幅に効率化させることができます。たとえば、搬送コンベアなどは大量の荷物を断続的に運搬することが可能です。

また、搬送ロボットについても、コンベアと同様に荷物の搬送工程を自動化させることができます。

以上のことからも、搬送システムを導入することによって、搬送工程の作業を大幅に効率化させることができます。

搬送作業の標準化

人力で荷物を搬送する際には、作業員の能力値によって品質にバラツキが生じてしまう問題があります。いわゆる属人的な状況のことを指しますが、搬送システムを導入することで搬送作業の標準化を実現できます。

搬送システムにより搬送工程の品質が一定になるため、属人的な環境を解消することができます。「この人がいないと作業できない」といった環境がなくなるため、搬送作業の標準化によって業務効率も上がるでしょう。

安全性の確保

搬送システムの大きな利点は、安全性を確保できるという点です。人が荷物を搬送する場合、搬送中に荷物を落下させてしまうケースや、他の作業員との接触事故などが発生する可能性があります。

特にパレットなどの重量物を搬送している場合、大きな怪我につながってしまうことも考えられるでしょう。一方で、搬送システムを導入することで、搬送工程を自動化させることができます。

搬送工程では自動化により物損事故や人との接触事故が削減できるので、安全性を確保して荷物を搬送することができます。

ヒューマンエラーの防止

搬送システムを導入することで、ヒューマンエラーを防止させることができます。たとえば、フォークリフトでパレットを搬送する際、荷物が落下して破損するような事故も考えられます。

このような人為的ミスは作業員の能力値に依存するだけでなく、その時々の注意力も大きく関係してくるでしょう。しかし、搬送システムでは荷物の搬送工程を自動化するため、このようなヒューマンエラーは発生しません。

まとめ

物流倉庫で採用されている搬送システムには、搬送コンベアや搬送ロボット、昇降装置などの種類があります。導入することで省力化や省人化を実現できるほか、搬送工程の標準化や自動化により作業効率が向上します。

その他にも、荷物を搬送する際の安全性が確保でき、人為的ミスも大幅に削減できるメリットがあります。導入効果も高く作業環境を改善できる施策の一つのため、自社にとって最適な搬送システムを比較してみましょう。

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この記事の筆者

株式会社APT

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