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垂直搬送機とは?特徴や導入時のメリットについて解説
上下階搬送を行うためには昇降機が一般的ですが、中でも垂直搬送機は安全性も高く導入メリットが豊富なためおすすめです。一方で、垂直搬送機について詳しくは知らないというケースも多いのではないでしょか。
そこで本記事では、垂直搬送機の特徴や導入した場合のメリットについて詳しく解説します。昇降機などの設備導入を検討している方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
目次
垂直搬送機とは?
本設備はその名の通り垂直方向(上下階)に荷物を搬送するための設備になります。製造工場や物流倉庫で多く導入されている設備の一つになります。
なお、荷物専用なので人が乗って搬送することはできません。荷物の搬出入では人が入れない構造になっているので、安全性も高い設備といえるでしょう。
垂直搬送機の種類
本設備は主に「トレー式」「コンベア式」「連続搬送式」の3つの種類があります。トレー式はトレーに積載するタイプなので、基本的に荷物の形状を選ばず搬送することができます。
コンベア式はコンベアに積載することで搬出入を行うタイプなので、重量物でも問題なく搬送することが可能です。搬送コンベアと接続する連続搬送式は、搬送工程を自動化できるメリットがあります。
このように垂直搬送機にも種類があるので、導入目的や環境、搬送物の種類に応じて最適な種類を選択しましょう。
垂直搬送機の選び方
自社の環境に合った垂直搬送機を選ぶ際には、以下に挙げるポイントを考慮することが重要です。
- 荷物の種類
- 搬送方向
- 搬送能力
自社に適した垂直搬送機を選ぶ際には、まず荷物の種類に合ったタイプを選択しましょう。垂直搬送機は搬送できる荷物のタイプによって種類が異なるので、荷物の種類に応じて何が適切なのか判断しましょう。
次に搬送方向についても考慮する必要があります。搬出入を同じ方法で行う「C型」、一方で反対方向で出入りする「Z型」、どちらの方向で搬出入できる「両面型」などがあるので、運用方法に合わせる必要があります。
最後に搬送能力についてもチェックしましょう。本設備には多様なタイプがあるので、自社が求めているスペックを考慮して機種選定を行いましょう。
垂直搬送機を導入するメリット
垂直搬送機を導入するメリットは以下のとおりです。
- 導入コストが低い
- 安全性が高い
- 搬送能力が高い
- 法令遵守で安心
ここからは、垂直搬送機の導入メリットについて詳しく解説します。
導入コストが低い
導入コストが低いという点は大きなメリットです。例えば、荷物用エレベーターを導入する際には多額の導入コストを要しますが、垂直搬送機ならエレベーターよりも低コストで導入することができます。
また、エレベーターは導入時に建築確認申請などを行う必要がありますが、垂直搬送機は法律上の「昇降機」に分類されないため、確認申請などを行う必要がありません。そのため、確認申請に必要なコストも節約できるメリットがあります。
安全性が高い
安全性が高い点は大きなメリットになります。垂直搬送機は構造上昇降路内に人が介入することができません。そのため、他の昇降機と比較して安全性が高いという特徴があります。
また、さまざまな安全装置が搭載されているため、作業者の安全性を確保することができます。そのため、事故が発生する確率も少なく、安全性の高い設備といえるでしょう。
搬送能力が高い
垂直搬送機の導入メリットは、搬送するスペックに優れているという点です。重量のある荷物なども効率よく上下階に搬送することができるので、従来よりも大幅に生産性が向上するといえます。
また、パレット搬送が可能なタイプもあるので、一度に大量の荷物を運ぶことができます。ただし、選定するタイプによっては機能面やスペックも異なるので、どの程度の処理能力が適しているのかをチェックしておきましょう。
法令遵守で安心
垂直搬送機のメリットは、法令を遵守した設備なので安心して運用できるということです。荷物用リターなどの中には昇降機に分類されているにもかかわらず、確認申請や法定点検を実施しておらず、法律違反をしているケースが多々あります。
一方で、垂直搬送機というのは法律上における昇降機に分類されていないので、確認申請や法定点検を実施する必要がありません。そのため、法令に抵触しないことからも、安心して運用できるメリットがあります。
垂直搬送機を導入する際のデメリット
垂直搬送機を導入する際のデメリットは以下のとおりです。
- 人は搭乗できない
- 設置場所の確保
- 導入コストが必要
ここからは、垂直搬送機における導入デメリットについて詳しく解説します。
人は搭乗できない
垂直搬送機を導入する際のデメリットは、人が搭乗できないという点です。先にも解説した通り、垂直搬送機というのは人が搭乗できません。そのため、荷物用エレベーターのように人が搭乗して荷物を運ぶことはできません。
これは作業者の安全を確保できるというメリットがある反面、運用形態や方法によっては荷物用エレベーターの方が適しているということもあるでしょう。そのため、場合によっては人が搭乗できない垂直搬送機はデメリットになるケースがあります。
設置場所の確保
垂直搬送機の導入においては、設置するためのスペースを確保しなければなりません。垂直搬送機本体の設置スペースはもちろんのこと、荷物を搬出・搬入するためのスペースなども必要です。
フォークリフトなどを用いて積み下ろしをする場合、荷役スペースも確保しなければならないということです。そのため、スペースを確保できていない場合、垂直搬送機ではデメリットになる可能性があります。
導入コストが必要
垂直搬送機を導入する際には、相応の設置コストが必要になります。荷物用エレベーターのような昇降機とは違うため建築確認申請などの費用はかかりませんが、大型の設備なので相応の導入コストはかかるでしょう。
そのため、費用対効果についても見極めていく必要があります。また、費用対効果を見極める際には導入コストだけではなく、運用後に発生する保守メンテナンス費用も含めて検討してみましょう。
垂直搬送機の導入ポイントとは
垂直搬送機を導入する際には、以下の点に留意しましょう。
- 汎用性の高い機種
- ラインの組み込み
垂直搬送機の機種選定に困ったら、汎用性の高い性能の機種をチェックしてみましょう。例えば、多様な搬送物に対応できる機種であれば、荷物形状なども融通が利くので運用がしやすくなるメリットがあります。
また、ラインの組み込みについても考慮してみるのがおすすめです。例えば、搬送コンベアと接続して運用することで、生産性も大幅に向上するでしょう。
まとめ
本設備は昇降機に分類されないので、建築確認申請なども必要なく比較的コストを抑えて導入することができます。また、搬送コンベアなどと接続して運用すれば、非常に高い搬送工程を実現させることができます。
また、昨今ではAVG(無人搬送車)と連携させて運用するケースも増えてきており、活用の幅も広いので、自社の環境に合わせて最適な運用を行いましょう。
APTでは自動倉庫やコンベア、垂直搬送機といった、物流倉庫内で使用されるマテハン機器に対して、メーカーを問わずAPT独自のエンジニアリングを提供することが可能です。自動化・省人化設備の導入をお考えの方は、ぜひご相談ください。
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垂直搬送機この記事の筆者
株式会社APT
世界を舞台に経済を動かしている物流、その流れの中心にある倉庫において、従来型のマテハン設備は多くのメリットもありながら、時代に合わせた進化に適応できず、物流のボトルネックとなることもありました。APTはこれまで培ったノウハウを武器に、大胆で先進的でありながら、お客様に寄り添ったユーザーフレンドリーなマテハン設備やシステムの提案を行うことで、価値とコストの適正化を図り、倉庫で働く全ての人を笑顔にしたい。APTは臆することなく、泥臭く挑戦を続けていきます。
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