物流倉庫を新設する場合、スケジュール管理や抑えるべきポイントが多々存在します。しかし、物流倉庫の建設に携わった経験がない場合、どのようなポイントに注意しなければならないのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、物流倉庫を新設する際の大まかなスケジュールや、抑えておくべきポイントを解説します。その他にも、どのようなことに注意するべきなのか?を分かりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
物流倉庫を新設する流れとは?
物流倉庫を新設する際には、以下のようなスケジュールが一般的です。
STEP2 各種計画(用地確認・基本設計・見積り)
STEP3 設計
STEP4 工事着手
STEP5 工事完成
STEP1の下準備では、現状でどのような問題点があるのか?どういった悩みを解決する必要があるのか?といった現状把握を行う必要があります。その上で、倉庫を新設する際の工期や予算を検討しなければなりません。
STEP2では、用地確認や基本設計、見積もりなどの各種計画を進めていきます。なお、基本設計というのは、下準備でまとめた基本計画を元にした簡易的な設計です。基本設計をベースにしつつ、予算規模を把握するための見積書を作成します。
STEP3では、取りまとめた各種計画を元に実設計に移っていきます。ここでは最終的な本見積もりや工事計画も行った上で、確認申請を実施します。
STEP4〜5では、これらの準備段階を経て工事着手が行われて物流倉庫は竣工します。なお、STEP1から5までの期間は物流倉庫の規模にもよりますが、1年程度が一般的と言えるでしょう。
物流倉庫を新設する際のポイント
物流倉庫を新設する際には、いくつかのポイントを意識して計画を進めていくことが重要です。工事中・工事完成後にかかわらず、予期せぬトラブルを発生させないためにも、事前に意識するポイントを共有しておきましょう。
それでは、どのようなポイントが非常に重要と言えるのか?ここからは具体的に解説します。
ランニングコスト
物流倉庫を新設する上で重要なポイントは、ランニングコストを意識したプランニングをするということです。物流倉庫は運用する際の生産性向上を目指すため、保管設備や搬送設備といった各種設備を多く導入します。
一方で、これらの設備を稼働させる際には、光熱費はもちろんのこと、定期的なメンテナンスも実施しなければなりません。ランニングコストが思いのほか負担になってしまうというケースも存在するため、倉庫を新設する際にはどのようなランニングコストが発生するのかも把握しておくことが重要です。
作業環境・周辺環境
物流倉庫を新設する際の二つ目のポイントは、倉庫内における作業環境と周辺環境への影響です。物流倉庫内では多くのスタッフが作業を行うため、作業動線などを工夫することで生産性を向上させることができます。
また、倉庫内の気温や湿度まで考えることで、より良い労働環境を構築することができます。なお、周辺環境に対する影響もきちんと考慮することで、騒音や排煙などを原因とするトラブルも抑制することができます。
以上のことから、物流倉庫を新設する際には、作業環境や周辺環境に気を配ることが重要というわけです。
設計会社の選定
物流倉庫を新設する際の三つ目のポイントは、設計会社の選定になります。物流倉庫というのは、立体自動倉庫や移動ラック、垂直搬送機に各種コンベアなど、非常に特殊な設備を多く取り扱います。
また、倉庫管理システム(WMS)や配送管理システム(TMS)など、専門性の高いシステムも導入するため、経験の豊富な会社でなければ知識不足によるトラブルが発生する可能性もあるでしょう。
物流倉庫の新設で依頼する設計会社というのは、さまざまな角度から提案できる経験豊富な会社を選定することが重要になってきます。
物流倉庫を新設する際の注意点
物流倉庫の新設をする際には、いくつかの注意しておきたいポイントが存在します。なお、新設を進めるに当たり、フロー別に注意するべき内容も異なるため、それぞれの注意点を把握しておきましょう。
それでは、物流倉庫を新設する際の注意点を個別に解説します。
基本計画
倉庫建設における基本計画とは、どのような倉庫運営を考えているのかを明確にするプロセスです。そのため、基本計画を作る際には、以下のようなポイントに注意するようにしましょう。
・運用目的の明確化
・能力値の明確化
・目標値の明確化
基本計画では運用目的を明確化することで、より詳細な設計に進むことができます。たとえば、運用目的に合っている機能性などをあらかじめ共有しておくことが重要です。また、倉庫に求める能力値も非常に重要です。
たとえば、保管能力や出荷能力といった能力値はもちろんのこと、キャパがオーバーした場合の対処法なども定める必要があります。なお、リードタイムを含む目標値を事前に決めておくことで、より精度の高いオペレーションを実現させることができます。
立地条件
物流倉庫の新設で非常に重要になってくるのは、どのような環境の立地条件なのか?という点です。用地が決定した後は変更ができませんので、以下のようなポイントに注意しましょう。
・法的要件のクリア
・物流拠点としての適合性
・交通アクセスの利便性
立地条件を検討する際には、事業用地として利用できるのか?建築基準法から消防法まで、すべての法的要件をクリアしているか確認しなければなりません。また、物流拠点としての適合性(配送先や地域性)も非常に重要な要素といえるでしょう。
なお、物流拠点のため、交通アクセスの利便性も確保する必要があります。これは配送という観点のみならず、倉庫内における作業員がアクセスしやすい立地なのか?という点も含まれます。
場所がよくなければ人員を確保することが難しくなるため、配送拠点と作業員のアクセスという両面からアクセスしやすい環境の立地を検討しましょう。
レイアウト計画
さまざまな機能を持つ物流倉庫では、レイアウト計画が重要になってきます。この倉庫レイアウトが最適化されていなければ、各所でロスが発生し生産性にも影響が出てしまうため注意しましょう。
レイアウト計画を立案する際には、事前に作業フローを明確にしなければなりません。たとえば、入荷から保管、検品に出荷と一連の工程をスムーズにするためには、どのようなレイアウトが最適なのかを判断すると言うことです。
なお、取扱商品の出荷頻度や在庫量などに応じて区分けを行う必要があります。また、カテゴリーごとで区分けした後、ブロック配置を行い最適なレイアウト設計にしましょう。
各種システム
倉庫内の作業を最適化するためには、各種システムの導入が欠かせません。なお、物流において検討すべき代表的なシステムは以下の通りです。
・配送管理システム
・運行管理システム
・在庫管理システム
・倉庫管理システム
・貨物追跡システム
なお、すでに導入されているシステムを活用する場合、新設した倉庫でも利用できるようにカスタマイズする必要があります。また新たに導入を検討する場合、どのシステムが最適なのかを比較検討するようにしましょう。
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まとめ
物流倉庫を新設する際には、どのようなコンセプトの元で運営を行うのか明確にしましょう。また、事業用地の確認や基本設計で方向性の確認や、見積もりによるコスト範囲の明確化も重要です。
なお、完成後のランニングコストなど、専門性の高い知識を持った設計会社を選定するのがおすすめです。倉庫の新設の実績が多く、信頼性の高い会社で最適な倉庫を新設しましょう。