積載効率とは?積載率・実車率との違い、計算例と改善方法【物流効率化法】
経営層向けの要点
- 積載効率とは、トラックが走った距離のすべてで最大積載量まで積んでいたと仮定した輸送量(能力トンキロ)に対して、実際に運んだ量(輸送トンキロ)の割合です。空で走った距離も含めて計算するため、国の資料では「積載効率=積載率×実車率」と説明されています。
- 国の統計(自動車輸送統計年報)から計算すると、営業用トラックの積載効率は2024年度が約41.3%、2025年度が約39.0%でした。国は2028年度(令和10年度)までに全体で44%に増やす目標を掲げています。
- 物流効率化法では、すべての荷主に積載効率の向上に努める義務があります。特定荷主の定期報告では積載効率の数値ではなく、取組の実施状況を報告します。中長期計画の準備では、可能であれば平均積載率や実車率などを把握することが例として挙げられ、重量と容積のどちらで把握するかは自社で決められます。
積載効率とは、トラックの輸送能力に対して、実際にどれだけの荷物を運べたかを示す割合です。国土交通省の自動車輸送統計では「自動車の輸送能力に対する、実際の輸送活動(トンキロ)の割合」とされ、輸送トンキロ÷能力トンキロ×100で計算します。
ポイントは、荷物を積んでいる区間だけでなく、空で走った距離も含めて計算することです。そのため、国の判断基準の解説書は「積載効率=積載率×実車率」と説明しています。この記事では、言葉の違い、計算方法、日本の最新値と国の目標、物流効率化法での扱い、荷主が上げるための取組を整理します。
積載効率・積載率・実車率の違い
| 言葉 | 意味 | 計算式 |
|---|---|---|
| 積載率 | 1回の運行で、最大積載量に対してどれだけ積んだか | 積載重量÷最大積載重量×100 |
| 実車率 | 走った距離のうち、荷物を載せて走った距離の割合 | 実車キロ÷走行キロ×100 |
| 積載効率 | 走った距離全体で見た輸送能力に対して、実際に運んだ量の割合 | 輸送トンキロ÷能力トンキロ×100 |
出典:国土交通省「自動車輸送統計 用語の解説」、判断基準の解説書 p.7 脚注(2026年10月27日確認)
それぞれの言葉の意味は次のとおりです。
- 輸送トンキロ:運んだ荷物の重さ(トン)に、運んだ距離(km)を掛けたもの。1トンの荷物を10km運ぶと10トンキロです
- 能力トンキロ:トラックが走ったときに、いつも最大積載量まで積んでいたとした場合のトンキロ。空で走った距離も含みます
- 実車キロ:荷物を載せて走った距離
- 走行キロ:荷物を載せたかどうかを問わず、走った距離
能力トンキロは「最大積載量×走行キロ」、輸送トンキロは「積んだ重さ×実車キロ」と考えると、積載効率は「積載率×実車率」に分けられます(百分率で表すときは、積載率(%)×実車率(%)÷100)。
複数のトラックや区間をまとめて計算するときは、輸送トンキロを合計し、能力トンキロの合計で割ります。各便の積載率や実車率を単純に平均して掛ける方法とは、一致しない場合があります。
なお、積載率の「積載重量」は、比重の小さい貨物では容積で考えるなど、荷主が実情に応じて把握してよいとされています(判断基準の解説書)。
積載率・実車率・積載効率の計算方法と計算例
積載効率(%)=輸送トンキロ÷能力トンキロ×100
ここからは、APTが作った説明のための架空の例です。実際のデータではありません。
例1:行きに積み、帰りは空のトラック
最大積載量4トンのトラックが、3トンの荷物を積んで100km運び、帰りの100kmは空で戻ったとします。
| 項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 積載率 | 3トン÷4トン | 75% |
| 実車率 | 100km÷200km | 50% |
| 輸送トンキロ | 3トン×100km | 300トンキロ |
| 能力トンキロ | 4トン×200km | 800トンキロ |
| 積載効率 | 300÷800 | 37.5%(=75%×50%) |
最大積載量の75%を積んでいても、帰りが空だと、この例の積載効率は4割を下回ります。
例2:帰りに別の荷物を積んだ場合
同じトラックが、帰りに2トンの荷物を100km運んだとします。
| 項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 輸送トンキロ | 3トン×100km+2トン×100km | 500トンキロ |
| 能力トンキロ | 4トン×200km | 800トンキロ |
| 積載効率 | 500÷800 | 62.5% |
帰り荷を確保すると実車率が100%になり、積載効率は大きく上がります。国の判断基準が、帰りのトラックへの積み込みに必要な時間を荷主が確保するよう求めているのは、このためです。
例3:かさばる荷物を容積で見る場合
軽くてかさばる荷物は、重さでは最大積載量に届かなくても、荷台がいっぱいになることがあります。たとえば荷台の使える容積が40立方メートルのトラックに、30立方メートル分の荷物を積んだ場合、容積で見た積載率は75%です。判断基準の解説書も、比重の小さい貨物は容積で考えるなど、荷主が実情に応じて把握できるとしています。
なお、同じ規格のパレットを平置きで16枚置ける荷台に12枚積んだ場合の「75%」は、パレットの置き場所の利用率で、容積で見た積載率とは別の補助的な指標です。
日本のトラックの積載効率と国の目標
最新の値
国土交通省の自動車輸送統計年報の数値から計算すると、営業用トラック(営業用の合計)の積載効率は次のとおりです。
| 年度 | 輸送トンキロ | 能力トンキロ | 積載効率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 約2,038億トンキロ | 約4,933億トンキロ | 約41.3% |
| 2025年度 | 約1,893億トンキロ | 約4,857億トンキロ | 約39.0% |
出典:国土交通省「自動車輸送統計年報」令和6年度分・令和7年度分(2026年9月28日公表)の表「1. 貨物輸送量」の営業用・計から、APTが輸送トンキロ÷能力トンキロで計算
2025年度は、輸送トンキロが前年度より約7%減った一方、能力トンキロの減少は約1.5%にとどまり、積載効率が下がりました。下がった理由について、国の説明は確認できていません。
国の総合物流施策大綱(2026年3月)は、積載効率が2019年度の37.7%から2024年度には41.3%に上がったものの、前の大綱の目標(50%)には届いていないとしています。なお、自動車輸送統計は2020年4月分の調査から調査と集計の方法が一部変わっており、それより前と後の数字は単純には比べられないとされています。
国の目標
次の44%は、全国のトラックの積載効率(重量)の目標です。自社で容積やパレットの枚数で見た割合とは計算の対象が違うため、自社の目標は、荷物と輸送の条件に合わせて別に決めます。
| 文書 | 目標 |
|---|---|
| 物流効率化法の基本方針(2028年度=令和10年度まで) | 全国のトラックのうち5割の車両で50%、全体の車両で44%。重量だけでなく容積でも改善を図る |
| 総合物流施策大綱(2030年度の指標) | 44% |
物流効率化法での積載効率
すべての荷主の努力義務
法律では、積載効率の向上を「運転者一人当たりの一回の運送ごとの貨物の重量の増加」と表しています。2025年4月から、すべての荷主に、この重量の増加と、荷待ち時間・荷役等時間の短縮に努める義務(努力義務)がかかっています(法第42条)。
判断基準の解説書は、積載率と実車率を上げることに加えて、車両の大型化なども有効だとして、これらをまとめて「積載効率の向上等」と呼んでいます。また、容積でいっぱいになる荷物を扱う荷主でも、運ぶ個数が増えれば重量の増加につながるとしています。
パレットを使わずに詰め込んだ分は数えない
法第42条第3項は、パレットなど荷役を効率化する器具を使わないことで増えた貨物の重量は、努力義務でいう重量の増加に含まないと定めています。荷物をパレットに載せずに手で積み込めば、荷台に多く積めることがあります。しかし、それではドライバーの荷役の負担が増えるため、法律ではその分を数えないことにしています。
定期報告は「4段階」、中長期計画は「現状の把握」
| 書類 | 積載効率の扱い |
|---|---|
| 定期報告(特定荷主) | 積載効率の数値を報告する欄はない。判断基準の取組をどの程度実施しているかを、項目ごとに報告する(発注に関する取組は、ほぼ全ての発注で実施(90%以上)〜実施していない、の4段階など)。第一種荷主の発注に関する取組と、第二種荷主の協議への協力とでは、答える対象が違う |
| 中長期計画(特定荷主) | 現状を把握するデータの例として、可能であれば平均積載率や実車率。重量と容積のどちらで把握するかは事業者ごとに決めてよい。数字の目標は、可能な範囲で示すことが望ましい |
出典:国の手引書(特定荷主編)p.16・18・27〜28(2026年10月27日確認)
国の「中長期計画作成に当たってのポイント」は、取組の例として、実際に運ぶ運送事業者と月1回打ち合わせ、積載効率の状況を把握することを挙げています。積載の状況は荷主だけでは分からないことが多いため、運送事業者と共有して把握するのが現実的です。
計画と報告の書き方は、中長期計画書の書き方と定期報告書の書き方で整理しています。
荷主が積載効率を上げるための取組
荷物の積み合わせや配車には運送事業者との調整が必要ですが、荷主も、発注の量、荷姿、納期を見直すことで積載効率を左右できます。判断基準の解説書と国の資料は、荷主の取組として次を挙げています。
| 取組 | 内容 |
|---|---|
| リードタイムを確保する | 短い納期の発注を避け、納期に幅を持たせる。運送事業者が他の荷物と積み合わせたり、帰り荷を確保したりする時間ができる |
| 量を平準化し、まとめる | 日・週・月の量の波をならす。より大きなトラックを使える量にまとめる |
| 外装を荷台やパレットに合わせる | 商品の外装がパレットの大きさに合わず積載率が下がる場合は、開発部門と見直す |
| 発注ロットの目安を伝える | 物流部門から営業部門に、積載効率のよい発注の単位を伝える |
| 共同配送・帰り荷 | ほかの企業と荷物をまとめる。帰りのトラックに荷物を積めるようにする |
| 輸送手段を見直す(関連策) | 長距離の輸送を、必要以上にトラックだけに頼らない。鉄道や船への切り替えは、トラックの積載効率そのものではなく、輸送力を確保する関連策 |
主に着荷主に当たる第二種荷主には、発荷主から受け渡しの日時について相談があったときに協力することが求められています。
それぞれの進め方は、物流改善の進め方、共同配送とは、モーダルシフトとはで解説しています。
積載効率と荷役の時間のトレードオフ
パレットに載せて運ぶと、荷台にすき間ができて積める量が減り、積載効率が下がることがあります。一方で、荷役の時間は大きく短くなります。経済産業省のCLO取組事例集(2026年2月時点の情報)は、ダイキン工業の例として、パレットでの輸送で積載効率は下がっても荷役時間を2時間から20〜40分に短縮した例を紹介し、積載効率だけで評価せず、荷役時間や拘束時間なども含めた多角的な指標を設定することが重要だとしています。指標の選び方は物流KPIとはで整理しています。
倉庫内の設備・システムの見直しをAPTに相談する
積載効率を上げるために発注をまとめたり、出荷の締め時刻を変えたりすると、一度に多くの荷物をそろえる必要が出て、荷揃え・仮置き・積み込みの作業や場所が追いつかなくなることがあります。積み込みに時間がかかる拠点では、量をまとめても、トラックの待ち時間が増えてしまいます。
APTは、メーカーを問わない物流エンジニアリング会社として、倉庫の課題の整理から、既設の自動倉庫やコンベアのリニューアル、倉庫管理システム(WMS)・設備の制御システム(WCS)の更新まで支援しています。運送の手配は行っていませんが、まとめた荷物を締め時刻までにそろえ、短い時間で積み込めるかといった、拠点の中の作業と設備の見直しからご相談いただけます。進め方の実例は導入事例をご覧ください。
よくある質問
- 積載効率と積載率は、何が違うのですか。
- 積載率は、トラックの最大積載量に対して実際に積んだ重さの割合です。積載効率は、走った距離の全体で見た輸送能力(能力トンキロ)に対する実際の輸送量(輸送トンキロ)の割合で、空で走った距離も含みます。国の判断基準の解説書は「積載効率=積載率×実車率」と説明しています。
- 実車率とは何ですか。
- トラックが走った距離のうち、荷物を載せて走った距離の割合です。国土交通省の自動車輸送統計では「実車キロ÷走行キロ×100」で計算します。帰りが空のトラックは、実車率が下がります。
- 日本のトラックの積載効率は、どのくらいですか。
- 国土交通省の自動車輸送統計年報の数値から計算すると、営業用トラックの積載効率は2024年度が約41.3%、2025年度が約39.0%です。国の総合物流施策大綱は、2019年度の37.7%から2024年度には41.3%に上がったとしています。
- 積載効率の国の目標は何%ですか。
- 物流効率化法の基本方針は、2028年度(令和10年度)までに、全国のトラックのうち5割の車両で50%、全体の車両で44%を目指すとしています。2026年3月の総合物流施策大綱も、2030年度に44%とする指標を掲げています。
- 軽くてかさばる荷物は、重さではなく容積で測ってもよいですか。
- はい。判断基準の解説書は、比重の小さい貨物は容積で考えるなど、荷主が実情に応じて把握できるとしています。国の手引書も、中長期計画のために積載率を重量と容積のどちらで把握するかは、事業者ごとに決めてよいとしています。
- 特定荷主は、定期報告で積載効率の数値を出す必要がありますか。
- いいえ。定期報告では、判断基準に沿った積載効率の向上の取組を、どの程度実施しているかを4段階で報告します。ただし中長期計画では、可能な範囲で数字の目標を示すことが望ましいとされています。
- パレットを使わずに荷物を詰め込めば、積載効率を上げたことになりますか。
- 物流効率化法では、なりません。法第42条第3項は、パレットなど荷役を効率化する器具を使わないことで増えた貨物の重量は、努力義務でいう「重量の増加」に含まないと定めています。ドライバーの手作業の荷役を増やして積む量を増やすことは、法律の趣旨に合いません。
出典
- 国土交通省「自動車輸送統計 用語の解説」(新しいタブで開きます)(2026年10月27日閲覧)
- 国土交通省「自動車輸送統計年報」(e-Stat、令和7年度分 2026年9月28日公表・令和6年度分)(新しいタブで開きます)(2026年10月27日閲覧)
- 国土交通省・経済産業省・農林水産省「荷主の貨物自動車運送役務の持続可能な提供の確保に資する運転者の運送及び荷役等の効率化に関する判断の基準の解説書」第1.4版(2026年3月30日)(新しいタブで開きます)(2026年10月27日閲覧)
- 「貨物自動車運送役務の持続可能な提供の確保に資する運転者の運送及び荷役等の効率化の推進に関する基本的な方針」(令和7年農林水産省・経済産業省・国土交通省告示第1号)(新しいタブで開きます)(2026年10月27日閲覧)
- e-Gov法令検索「物資の流通の効率化に関する法律」(平成17年法律第85号)(新しいタブで開きます)(2026年10月27日閲覧)
- 経済産業省「『物流効率化法』対応の手引書 —中長期計画・定期報告等の記載ガイドほか— 特定荷主編」第1.1版(2026年4月)(新しいタブで開きます)(2026年10月27日閲覧)
- 国土交通省・経済産業省・農林水産省「中長期計画作成に当たってのポイント」(2026年10月5日)(新しいタブで開きます)(2026年10月27日閲覧)
- 経済産業省「CLO取組事例集 物流改革の実践と成果」(2026年2月時点の情報)(新しいタブで開きます)(2026年10月27日閲覧)
- 「総合物流施策大綱(2026年度〜2030年度)」(2026年3月31日 閣議決定)本文(新しいタブで開きます)(2026年10月27日閲覧)
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